どうながの映画読書ブログ

~自由気ままに好きなものを語る~

「怒りの荒野」…まるで少年漫画なガンマン師弟対決

1968年公開、リー・ヴァン・クリーフvsジュリアーノ・ジェンマという多分このジャンルでのゴジラvsキングギドラみたいな2大スターが激突した傑作。

マカロニ・ウエスタンの中には「ベテランガンマンと若いガンマンがパートナーを組む」というプロットの作品が幾つかありますが、それが師弟バトルに発展するというのが抜群に面白かったです。

暴力描写も控えめ、アクが強くなくてこのジャンルの中でもとっつきやすい作品ではないかと思いました。

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クールな容姿の師匠に甘めのマスクの弟子と好対照な2人!


娼婦の子供だと差別を受けてきた気弱な青年スコットは街にやってきた凄腕ガンマン・タルビーに惚れ込み、弟子入りを志願します。

街の人から蔑まれ自信を失っているけど、密かにガンマンに憧れ、木製銃で射撃の練習をしている…と少年漫画の主人公感あふれるスコット。

そして師匠タルビーについて“ガンマン十戒〟なるものを教わっていくのですが…これが実に小気味よく、観客もみながら凄腕ガンマンの心得を学んでるような気分にさせてくれます。


アクションも見応えたっぷりで、ジュリアーノ・ジェンマは元々スタントマン出身で、運動神経抜群だったといいますが、ジャグリングのように銃を投げキャッチしての早撃ちがカッコいい。

ろくに鞍もついてないラバを乗りこなしていたり、殴られたあとのよろめき方など身体の動きを追いかけると楽しい役者さんです。

 

対する師匠のリー・ヴァン・クリーフは落ち着いた物腰に歴戦の猛者感があってこれまた格好いい。

馬上決闘という珍しい対決シーンも見どころで、マズルローダーと呼ばれる銃口から弾を装填するタイプの銃を持って、お互い反対側から向き合って馬で駆け抜けいく。

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揺れる馬の上でいかに冷静に弾を装填して正確に撃てるか…絵的には中世の騎士の槍試合を思わせるような決闘スタイルですが、疾走感も相まってドキドキの名場面です。

 


タルビーはスコットを相棒に従えて街の権力を掌握していきますが、悪事に疑問を抱いたスコットはやがて師匠と対決することに…。

ところがタルビーは実に抜け目がなく、弟子が牙を向いたときには絶対に自分に勝てないようにと、決闘に不利な銃をスコットに与えていました。

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銃身が長いと抜くのに時間がかかってしまう…!

しかしそれに気付いていた街の老保安官が、スコットにドク・ホリデイの銃だというカスタム・ガンを遺していました。

抜き身しやすいように銃身を削り、撃鉄も叩かずとも流れるように連射できる改造銃!!こういうディテールをストーリーに詰めてくるところも楽しいです。


ラスト、師匠から教わったガンマン十戒を呟きながら敵を倒していくジェンマの爽快感。アニメっぽいシーンですが、好きな人間にはたまりません。

街で差別を受けてきたスコットは怒りを抱えていて、師匠とともに街を破壊する選択をすることもできたはずですが、結局最後には街の秩序を守る側につく。

苦しみながらもゆるしをとった主人公に哀愁が漂っていて、青臭い少年から憂いを帯びた大人の顔になるジェンマ、すごくいい役です。

 

スコットの激情を現したかのようなリズ・オルトラーニによるテーマ曲も血が沸き立つような名曲で、タランティーノの「ジャンゴ」ではジェイミー・フォックスが雪山で銃の特訓をする場面で流れていました。

雪景色なのに「殺しが静かにやって来る」じゃないのかーと思ったけど、差別に怒りを抱えた主人公、師弟モノ、新人ガンマンの特訓ってことでこのチョイスだったのかと納得!!

 

 

テストに出るわけでもないし、凄腕ガンマンを目指す予定もないけど、最後にガンマン十戒を載せておきたいと思います。

 

1:他人にものを頼むな。
2:決して他人を信用するな。
3:銃と標的の間に立つな。
4:拳も弾と同じだ。数え間違えば殺される。
5:傷を負わせたら殺せ。見逃せば自分が殺される。
6:危険なときほどよく狙え。
7:縄を解く前には武器を取り上げろ。
8:相手には必要な弾しか渡すな。
9:挑戦を受けなければ全て失うときがある。
10:殺しは覚えたらやめられない。

 

渋い男の世界って感じですね…!この十戒をきれいに伏線のように回収してくる対決には胸がアツくなります。

 

破天荒青春映画として楽しい「タイタニック」

公開当時家族で観に行ったものの、自分の親世代には「中身がない」「ポセイドン・アドベンチャーと比べ物にならない」と辛辣な評価だった「タイタニック」。

自分も「タイタニック」が感動作かというと違うような気がして、好きで何回か観ているのに1度も泣いたことがないなあと思う。

 

後半の船が沈む場面。ジャックを助けに船底に向かうローズはニュートを助けに戻るリプリーのようにみえてくるし、ジャックの手をとり婚約者から逃げる姿は負傷したカイルを支えながら進むサラ・コナーのようにみえてくる。

キャメロン監督らしい強い女性像には高揚します。

乗務員や乗客の人たちのドラマは哀しいしもっと泣けてもいいはずなのですが、やはり視点は主演の2人なので、どうしてもバカップルの逃走中にわくわくしてしまいます。

ナイフを刺すような冷たさだという海水にどっぷり浸かっても案外平気そう…「ポセイドン・アドベンチャー」のような息の詰まる死の恐怖は全く感じられませんでした。

 


では恋愛映画としては感動できるか。

当時の映画雑誌で「ジャックの死が辛すぎるので助かるエンドを作って欲しいと抗議するファンがいた」…なんて記事を読んだおぼえがあるけど、ジャックが沈む場面も全く泣けないどころかむしろスカッとしてしまった(笑)。

冒頭の年老いたローズの語り口からジャックの死は判明していたようなものだし、むしろあの物語ではジャックの死は必然、女の子が自立して1人で生きていくようになるための舞台装置のような役回りがジャックのように思えます。

 

自由を愛する貧しい絵描き。キャラクターの背景もそうですが、看板で自殺する女性をあんな甘い言葉でひきとめられる男性がいるだろうか、どこまでも身を挺して一途に追いかけてくる様子は不自然といっていいくらい現実感がなく、ローズの幻だった、もう1つの自我だったと言われても納得してしまいそうです。

特に船が完全に沈んだあと、木片を探して案内して亡くなるまでの一連の場面は、もうジャックは既に船と共に沈んでしまっていて実はローズが1人で泳いでいたのではないか…シャマラン映画のように楽しみたくなってしまいます。

 

スコット牧師も仰天のどこまでも希望を捨てない精神力、「君は子供をたくさん産んで幸せに…」の台詞も会ったばかりの恋人が言うにはあまりにも聖人君主すぎる…!

ジャックの手をブチっと振り切ってローズが去っていくところは、「頼れるものがなくても1人で生きていく」と精神成長したローズの姿にむしろカタルシスを感じるシーンでした。

 


映画が大ヒットした当時、実は生きていたジャックとローズが大戦中に再会する…という続編の噂も聞いたことがあったけど、ジャック完全にターミネーター(笑)。

しかしもしジャックが生きていたとしても、あの2人は船を降りたあと別れそうだなあなんて下世話な想像が頭をよぎります。

よく見たらこの絵そんなに上手くないわね…。
2人きりで生活するのって思ったより大変だわ…。

船の中という限定的な空間では魅力的に思えたかもしれないけど、いざ現実生活していくことになったらローズは物足りなくなるんじゃないかなあ、お互い知らない世界を知れる新鮮さが楽しい付き合いで、一生添い遂げる恋愛にはあまりみえないなあとどうにも未来のみえにくい2人です。

 

しかしパニック映画としても恋愛映画としてもイマイチ乗り切れない「タイタニック」にそれでも魅力を感じるのは、やっぱり主人公ローズの解放感に「気持ちよくなれる映画」だからだと思います。

海の上の豪華客船という非日常世界に連れて行かれ、イケメンと恋して、危険な目にあってスリルを味わいつつ、しっかり生き残る…ってすごい女性サービスの映画。

婚約者と親は彼女を理解しない悪者と、テンプレすぎる“抑圧された女性キャラクター〟だけど、一大スペクタクル劇の中で、人生で初めてやりたい放題、破天荒に突っ走ってく主人公をみて楽しめるかどうかの映画じゃないかと思います。

 

ヌード描いてもらうのになぜか嫌いな婚約者の宝石つけるローズの心境はさっぱり理解できず、笑ってみてしまうことろも多いのですが、最後に宝石を海に投げ捨てるおばあちゃんにもビックリ仰天!

宝石は彼女の過去の象徴でそれに頼らず歩んできたという自立心の証…それを誰にも渡したくなかったってことでしょうか。あの部分は婚約者が不憫に思えて、ここはいつみても難しすぎる女心です。

 


ラスト、ローズが飛行機に乗ったり乗馬したりしている過去の写真が映るのはすごくいいなあと思いました。

人生辛いことや別れがあっても、全力で自分の人生楽しんでやる!!という彼女の逞しい精神に清々しい気持ちになります。

恋愛映画としては胸キュンできなかったけど、歳を取ったお婆さんが自分の青春を回想する…その思い出は不確かなものかもしれないけど、辛い時も心の支えになるような体験があった、というところにロマンを感じました。

 

「セイ・エニシング」…オタク男子とお嬢様の青春恋愛模様

1989年公開、「あの頃ペニー・レインと」のキャメロン・クロウの監督デビュー作。

高校生が主人公の恋愛青春映画なのですが、ほろっと苦味もあって、なかなかいい作品!

セイ・エニシング [DVD]

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主人公ロイド(ジョン・キューザック)は、これといった取り柄もなく将来の計画も持っていない、ちょっと変わり者のオタク感漂う高校生。

そんな彼が学年一の秀才で美人の「高嶺の花」ダイアンに一目惚れ。

一度も言い寄られたことのなかったダイアンは新鮮に思ったのか、ロイドが誘うと案外コロッとOKを出します。


ダイアンは奨学金でイギリスの名門校に進学予定の超優等生。

堅実な努力家ですが、卒業生代表スピーチでは未来への不安な思いを吐露していました。  

進学、就職、結婚…これからそれらを達成しなければならないのだろうというプレッシャー、大きな夢や大志があるわけでもなく明確な未来がわからないという心もとなさ…。

特に深く考えずそのとき出来る選択をしながら生きてる人間も多いんじゃないかなあと大人になると思ったりしますが、ダイアンの真面目さ・若さ溢れるスピーチが胸に迫ります。

 

一方ロイドはなかなかのテキトー男で、教師から「あなただけ進路が決まってない」と詰め寄られても、「普通に働くのは何となく嫌、やりたい事はこれから探す」とのらりくらりした感じ(笑)。

でもなぜかこのロイドがすっごい魅力的なんですねー。

何にも囚われず人生好きなように生きたいという正直な姿、そこに痺れる、憧れるーじゃないけど、無理をしてない自然体な姿が眩しくうつります。

 

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高校3年間周りの大人の期待に応えようと頑張ってきたタイプの女の子が、この先何が未来にあるのかと思い悩む。そういう義務感を全て否定して自由に生きてきた男の子と惹かれ合う。正反対なカップルなのが面白いです。

繊細で暗い一面もあるロイドですが、すごくよく人のことを見ていて気遣い上手ってところが伝わってきて、この映画のジョン・キューザック、カッコいいというか癒されるー!


ロイドの誘いのおかげで卒業パーティーに参加できたダイアンが、バカやってる高校生の中に初めて入って生き生きとした表情をみせるのも、青春って感じがして応援したくなります。

 

両親の離婚後、父親と2人暮らしをしていたダイアンは過保護に育てられ、お父さんだけが友達になっていたというなかなか寂しい状況。

もういい年になったら親から離れてちょうどいいんだよと思うのですが、父娘お互い思いやって離れがたいっていうのも、親子愛ではあるんでしょうね。

恋愛によって初めて自分の意志で自由を掴み取っていくことを知るダイアンが健気で可愛い!

お父さんの抱えていたビックリな秘密が明らかになる展開も含め、父親vs高校生カップルの三角関係が最後まで面白いです。

 


ラストシーン。結ばれてイギリス行きの飛行機に乗った2人だけど、離陸後ベルト解除のランプが消えないのをいつまでも不安そうに見守っている。

ここは何だか「卒業」のラストシーンっぽい感じがして、2人の未来は不安定なもの、先は分からないものだということを暗示しているのかなあと思いました。

ロイドはやりたいことを見つけられるのか…ダイアンの方は新しい学校で新しい人に出会ってどんどん先に大人になってしまって、2人合わなくなってくるんじゃないかなあ、別れる可能性も十分あるようにも思えます。

なんとなくロイドは、ジョン・キューザックつながりということで「ハイ・フィデリティ」の主人公みたいになりそうだなーなんて思ってしまいますが…

ちょっと余韻のこしたエンドもいいですね。

 

ラストシーンが個人的にはお気に入りですが、多分本作で1番有名なのは、ラジカセ持ったロイドがダイアンの自宅の窓の外からピーター・ガブリエル「In Your Eyes」を流すシーン。

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音楽オタク、キャメロン・クロウならではの愛の叫び…!!80年代らしさもあって、雰囲気も含めてすごく好きな作品です。

 

「サイレントヒル」…映画ファンもゲームファンもにっこりの出来栄え

コナミの人気ホラーゲームをハリウッドが実写映画化。2006年公開当時劇場に観に行ったのですが、怖い、グロい、哀しいと3拍子揃った大満足の1本でした。

自分はゲームを全く知らずに映画を観たクチですが、原作ファンの友人も絶賛していて、映画オリジナルのストーリーだけどおおよそゲーム1作目をベースにしているとのこと。

サイレントヒル [Blu-ray]

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ローズ、クリスの夫妻は8年前養女に迎えたシャロン夢遊病を抱えていることに悩んでいました。
娘が呟く「サイレントヒル」という言葉を手掛かりに、母ローズは実際にあるその街をシャロンと共に訪れることにしますが、街は30年前の坑道火災で多くの人が亡くなり、ゴーストタウンと化していました。奇怪な出来事が次々と起こり、ローズは娘と離れ離れに…。

 

“娘を探す母〟というプロットで、ナイフ、懐中電灯といったアイテムを入手しながら、学校、ホテルと場所を変えていきつつ手掛かりをつかんでいく…実にゲーム的なつくり。

深い霧に覆われ雪と見紛う灰が降る街の画はどこか物悲しく、精神世界の迷宮という感じがして怖い!!

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後ろから、上からのカメラアングルが多いのもゲームっぽいですね。

そしてウォーンとサイレン音が鳴り響き、赤黒い煉獄へと世界が一気に姿を変えていく映像はすごい迫力で怖いのに見惚れてしまいます。

襲ってくるクリーチャーたちも独特のデザインで、やたらスタイルがいいけど不気味なナース、現れたら絶望しかない三角頭という謎のムキムキ男とダークファンタジーっぽいグロさが好きな人にはとことん刺さります。


しかし!!本作で1番恐ろしいのは実は普通の人間…元々サイレントヒルにいたという生き残りの村人たちが1番怖い人たちでした。

火災事故の前から元々この街はカルト的宗教が権力を握っていて、彼らが異端と決めた人間はとことん虐げられる…というめちゃくちゃ嫌な街だということが明かされます。

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教団トップのおばちゃんの狂いっぷり…!

「ミスト」のおばちゃん、「ヘレディタリー」のおばあさんと並んで、絶対関わりたくないタイプ!


狂った教団がアレッサという女の子を魔女だと言って追い詰めて、火あぶりにしたことから街の大火災が発生した…ともうリーダーのばあさんが全部悪いとしかいいようがない事の顚末。

しかし狂気に走る集団心理にはリアルな怖さがあります。

一命をとりとめるも苦しみだけが残ってしまったアレッサは、復讐を誓い、その念が善悪に分裂して、善の部分として街の外に出てローズの娘となったのがシャロンでした。悪となってしまったアレッサの方は最後に教会で虐殺を繰り広げる…。

アレッサちゃんがひたすら可哀想で、ばあさんの断末魔は何だかノリノリでみてしまいます。

 


しかし単なる驚かせホラーではなく家族ドラマ的なストーリーが織り込まれているのが上手いなあと思いました。

ローズ一家の父親(ショーン・ビーン)は、現実世界で行方不明になった娘と妻を探索しているけれど異界のサイレントヒルには結局足を踏み入れることがない。

このお父さん、なにげにずっと呼んでいるのは妻の名前だけで娘のことはほとんど口にしていない…。深い愛情を求めていたアレッサにとってこのお父さんはきっとお呼びじゃなかったんだろうなー、と父親不在のまま展開するドラマに味があります。

 

逆に巻き込まれてしまって気の毒だったのが女性警官シビル。心優しく素晴らしい警察官なのにあんな残酷な死に方…と処刑シーンは何度見ても辛いです。でもこの人は強い母性のある人だったからこそサイレントヒルに入れてしまったのかなあと思いました。

アレッサが最後に実の母・ダリアには手をかけなかったというのにも何とも言えぬ哀しさが残ります。

お母さんは殺せないという無条件の愛と、助けて欲しかったのに助けてもらえなかったという哀しみから死なすにはやさしいと思ったのかなあと…両方感じて、複雑な娘心に戦慄です。

 

最後、どこまで行っても霧が晴れないー!!ってところも絶望感漂っていてすごい好みのエンディングでした。

母娘2人きり、愛に飢えていたアレッサがお母さんを独占できるという意味ではハッピーエンドなのかも…と終わり方も美しかったです。

 

 

◆ゲーム版にもほんの少し手を出してみた

映画鑑賞後、ゲームはどんななんだ!?と、ホラーゲーム好きの猛者な友人(※過去記事「クロックタワー」参照)に借りて初代プレステ1の1作目に手を伸ばしたものの…

サイレントヒル PS one Books

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あまりにも怖すぎて即リタイア…!

アイテム(主に銃)で襲ってくる敵を倒していくのですが、かなり操作が難しくてゲーム音痴にはキツかった…!敵が近づくと鳴り出す音にビビりまくり、視界の悪い中を自分で操作して歩かなきゃいけないというビジュアル面の恐怖が圧倒的でした。

かなり序盤の学校までしか行けてないんですが、ライター照らして暗いところを歩くとことか、すごく映画に似てたところがあった気がします。

 

その後ゲームセンターにあったガンシューティング版を友人とプレイ。

サイレントヒルシリーズではマイナーなタイトルなのかもれませんが、画面を撃ってモンスターを倒しながら進むというものです。

簡単にバンバン攻撃できるのと、自宅で1人でやるシチュエーションじゃないというだけで、一気に怖さが希釈された感じがしました。

それでも衝撃的だったのは三角頭!!

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扉破ってくる映画の登場シーンとそっくりな場面があって、あの虫も画面いっぱい覆い尽くすように出てくるのが嫌すぎた。三角頭から攻撃喰らうとダメージが一気にきて、コンテニューになってしまうというやはり絶望感たっぷりのキャラクターでした。

アーケード版も、街からの脱出&子供の幻影を追っていくというようなストーリーで何となく映画に共通した雰囲気だったと思います。

街の建物1つひとつがよく似ていたし、道路が途切れて崖になってるところなんかもソックリ…映画は相当ゲームを忠実に再現したんだろうなあとこれだけでも少し原作のテイストを知れた気持ちになりました。

 

場面の切り替えや回想シーンの入れ方など〝普通の映画〟としてみると雑なところもありますが、そういう粗が気にならないくらい、没頭できる世界観が成立していて、元のゲームの大ファンだったという監督の原作愛が勝利した作品なんでしょう。

 

初代サイレントヒルのOP曲もすごい好きになりましたが、ちゃんと最初に使ってたんですね。


silent hill 1 soundtrack theme 1(intro)

 

ゲーム知らずに観てもすごく良かったし、ゲーム好きの人も絶賛というのに納得でした。

 

「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」はイヤホンして日本語吹替で観た

ひどい映画だとボヤきながら結局3作全部みてしまった…。

若き女子大生アナはサディストの性的嗜好を持つ若き大富豪と恋に落ち、SMの世界へと足を踏み入れる…。

こういう作品、振り切ってエロシーンを思いきりよく見せてくれるならそれはそれで需要があると思うのですが、SMという割にやってることが案外普通!?で、ちょっと手足縛ってるか目隠ししてるか位。

ジャカジャカ洋楽BGMが流れる中カットが細かく切り替わるベッドシーンには官能のかけらもなく、張りつけの鞭打ちに身悶えする主人公とか期待してしまった日には不完全燃焼なことこの上なし。

 

エロが控えめなら、ツンデレ彼氏とのラブロマンスを楽しみたいところ、それもキャラクター造形がめちゃくちゃすぎて感情移入しにくいです。

恋人となるクリスチャンは、物事の判断ができない若い女性たちに奴隷契約を結ばせて支配してきたという病的な男…設定だけは生々しくてやたらハードルが高いなー。

みてて1番気持ち悪いのは、主人公の自宅や職場に何の予告もなくいきなり現れて干渉してくるところで、プレイは個人の趣味としても行動全部束縛してくるモラハラにドン引きです。

そしてこのクリスチャン、超エリートCEOらしいのですが、その割に仕事中も主人公とイチャイチャメールしていてバカンス三昧、やたら暇そうにみえるのがなんか腹立ってきます。こち亀の中川父に「72時間働けますか?」と言われてみてほしい。

 

しかし主人公のアナもかなりの女で、高そうな服もアウディも平気でポンポン受け取っちゃう。

貰えるものは貰っておいて奴隷契約には粘り強く交渉するタフネスには感服です。

そもそも冒頭の出会い…風邪ひいた友達の代わりにインタビュアーの仕事をするというのに、資料も読まずに突撃してるところからしてかなりのうっかりさん。


シリーズ3作で完結となっているのですが、スカスカのストーリーを簡単にまとめると…

 

1: 出会いから別れまで

付き合い始めたものの、クリスチャンにそっちの趣味があると分かって躊躇いまくる約2時間。

契約とかいいつつ無視してイチャつきまくるので緊張感ゼロ。

でもラストがお別れで終わっている点は評価したいです。官能映画の先輩「ナインハーフ」も女性の方から去っていき、多分それから成長するのだろう…と思わせる終わり方が良かったと思うんですよね。

 

 

2:よりを戻して結婚とか言い出す

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前作で「将来?知らんわ、そんなもん。」だった主人公がちゃっかり出版社に就職して女編集者にのし上がる展開に唖然。

しかし上司のジャックはセクハラ野郎という本当にどうしようもない男運のアナ。ライバル男キャラはもっと普通の人にして、どっちをとるか悩ませた方が盛り上がると思うんですが…。

クリスチャンの元カノ(元奴隷)に襲われるというショッキングな展開もありますが、この元カノが何だかとても可哀想でした。自分のやったことが他人の人生を壊しているということを一切省みないクリスチャンとそれに平気でついていく主人公が怖すぎます。

1番面白かったのは唐突にクリスチャンの乗ったヘリコプターが墜落する場面。記憶喪失展開キターと思ったら、ちょっと血を流しながら普通に帰宅してくる。ここだけは全く予想できず笑わせてくれました。

サブキャラが出てきただけで、クリスチャンの過去と向き合うような場面も一切なく、話が1ミリも進まないので観なくてもオッケーな2作目。

キム・ベイシンガーの無駄遣い!

 

 


3:そのうち殺されそうなバカップルと化す

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盛大なウェディングとハネムーンで幕を開けますが、しかしその直後に子供は欲しいか、夫婦別姓はどうするかと大モメする主人公夫婦…先に話し合っとかんかい。

そんな中、前作でアナにセクハラした上司ジャックが自宅周辺をうろつき、襲撃する事件が発生。

2人はボディガードやらメイドやらに囲まれながら隙あらばイチャイチャで、大した仕事もしてないのに会社で出世する、気に入らない建築士には夫の威を借り喧嘩売るとアナがどんどん調子に乗っていきます。

知らないところで人の恨みを買っていると思いますよ、この2人。今回はたまたまジャックだったけど、次はマジで殺されるかもしれない…。

最後は出産して旦那は子供可愛がるタイプで何もかもハッピーという凡庸極まるエンド…非日常を求めてこのコンテンツを視聴したであろう全ての中年女性にケンカを売るラストに愕然です。

 

 

2と3は本当に酷かった。クリスチャンの子供時代とかやってトラウマ克服の展開を期待してたんですが、そういうのもなし。

1はもうちょっとキャラクターの日常や駆け引きをきっちり描いてくれてたらなー、俳優さんがあれだけ脱いで頑張ってるのになんか勿体ないなーと惜しい気もしました。

 

元々原作があって、原作と映画で大分違うらしいですが…翻訳の方が有名で自分も1作目だけは原作何年か前に読んだんですけど、つまらなかったという記憶しか残ってない。

大して分厚くない本を上中下にスライスするという中々アコギな売り方…!

 

そんなボロクソに言ってしまった「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」、1つ特別な楽しみ方が残っておりました。

それは…日本語吹替で観ること!!

クリスチャン役の吹替担当は津田健次郎さんというイケボ声優。

そして津田健次郎さんといえば「遊戯王海馬瀬人役が頭に浮かんできます。(海馬くんは現役高校生社長)

社長に社長を持ってくるというなんと粋なキャスティング!!

映画でクリスチャン役だった俳優さん、スタイル良くてすごいイケメンなんですが、なんかちょっと影が足りんなー、若い頃のジェームズ・スペイダーとかが良かったなーとか思ってみてたんですが、日本語吹替の方が暗くミステリアスな感じがして個人的にはよかったです。

 

クリスチャンは子供の頃に虐待を受けていて、グレイ家には養子で迎え入れられたという背景があり、映画では「私は飢えを知っている」と語るシーンがありましたが、実は優しくて??アフリカの農業支援に力を入れているようです。

海馬社長も施設育ちで養子として引き取られ、そこで虐げられた子供時代を送り、傲慢な性格となりましたが、実は恵まれない子供たちのために世界中に遊園地をつくるという夢を持っていました。

あれもしかして共通点ある??

クリスチャン社長は罵倒してくれず甘ったるいですが、「君は僕のものだ。」「またな、ベイビー。」のセリフに笑わずにいられるのは、イケボの為せる業かと思いました。

 

アナ役の声優さん(白石涼子さん)の方は知らなかったのですが、すごく上手…!

ダコタ・ジョンソン、普通にグラマラス美人で”キスを知らん女〟にはとても見えんなー、後半バンバン自分からトップレスになるのが有り難みないなーとか思ってみてましたが、吹替の方があどけない感じが出てて、天然小悪魔的というか、可愛らしく思えました。

 

そんなわけで夜中にイヤホンして1人で観るのに最適な映画として認定!

真面目にみるとイライラする映画ではありますが、映画にイライラする分日常のイライラを忘れさせてくれるという点でも貴重な作品、文句言いつつ結構楽しんで観てしまったかも。

 

「ヘイトフル・エイト」の嘘に混じった真実が面白かった

タランティーノ監督作品の中でこれだけ観そびれていたのを今更鑑賞したところ…めっちゃ面白かった!!

個人的にはワンハリよりもずっと好みで、これは劇場で観たかったなーと悔やまれました。

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南北戦争終結後のアメリカ。マーキス・ウォーレン(サミュエル・L・ジャクソン)は大雪で立ち往生していた中、通りがかりの馬車に拾われる。
馬客の中には1万ドルもの賞金をかけられた重罪人・ドメルグが乗っていた。
迫りくる猛吹雪から逃れるため、近くの洋品店に避難することになる一行だったがそこには先客が。
どうにも怪しい男7人、女1人は対立し、疑心暗鬼となっていく…。

 

女性のドメルグがパンダ目で出てきた瞬間、男に虐げられている女性役なのだろう、などと相当なバイアスをかけてみるも、そんな偏見は早々に裏切られました。

どんなことをやってきたのかは具に語られないけど、あのふてぶてしさ、悪魔のような笑み。相当ヤバい、凶悪な人間と分かる女優さんの演技が凄かった。

 

白人に取り囲まれた黒人男性のマーキスが正義の主人公なのだろうという期待もまた見事に裏切られ、戦争中に無差別に白人を殺し、平気で嘘をつく人間だということが明かされる。

しかし「お前には分かるまい。米国で黒人が直面する恐ろしさを。黒人が安全なのは白人が丸腰のときだけ。」という言葉、彼が厳しい差別の中で生きてきたということは紛れもない〝真実〟なのだと分かる。

差別主義者の将軍・スミザーズを死に追いやる挑発…あれは嘘だと自分は思ったのですが、スミザーズ自身も信じないなら受け流せばいいものをあそこまで胸を掻き立てられてしまう…嘘のもつ力に圧倒されます。


一方強盗組の嘘は陳腐で、マイケル・マドセンの「クリスマスはお袋と過ごすタイプ」に爆笑。

でもスミザーズが死んだとき自発的に死体を葬ると申し出たのは彼だけで、もしかすると親、年長者への思慕は本当に心の中にあるものだったのかもしれません。

 

善人が1人もいない登場人物たちの中で1番まともに思えるのは悪党女を堂々グーで殴るジョン・ルース

北軍側で露骨な差別発言もせず、リンカーンの手紙に「感動する」と優しい表情をみせる。

絞首刑への絶対的なこだわりは法と秩序への敬意なのか、単に悪人は苦しんで死ぬべきという個人の道徳観によるものなのかハッキリ分かりませんでしたが、こだわりを持った仕事人ぶりが格好いい。

 

しかしそんなルースも南部ボーイ、マニックスには不寛容です。

マニックスも差別主義のロクでもない奴で、スミザーズとの会話を振り返っても彼の父親が良い人間だったとは到底思えないのですが、彼がレッドタウンの新任保安官なのは事実じゃないかなーと思いました。(OBもきいてたと言っていたし)

自分が認めない人間についてはもう1%も認めてたまるか!という姿勢もまたヘイトそのもの。

 

あれだけ将軍、将軍と慕っておいて、いざスミザーズ死んだら弔わずコートだけ貰ってるマニックス。どんな神経してんのよ(笑)とあきれてしまいますが、掴み所がなく、今回1番面白いキャラクターだったかも。

ルースが指摘した彼の父親の略奪行為や無抵抗の黒人殺害は(もしルースが多少誇張された情報を信じていたとしても)事実なのでしょうが、マニックスにとっては「仲間のために戦った勇敢なお父さん」というのが真実なんですね。

どちらの側に属するかで自分が都合よく思いたいことしか受け取れない、対立する相手のことは全て否定せずにいられない…歴史認識の齟齬まで感じさせる絶妙なキャラクター配置でした。



殺人事件から見事な推理を発揮したマーキスがマニックスに銃を渡す展開…マーキスとしてはもう味方を増やしたほうがよいという冷静な損得感情に他ならないでしょうが、最後には黒人対白人という枠組みを超えて、一致し、絶対的な悪を下す。

でもここにも苦味があって、保安官の仕事だと言い張ったマニックスには自分が殺されかけたことへのやり返しという意図しかない。

マーキスはジョン・ルースの名をかたっていたけど、どうせ自分も死ぬから憎い敵を少しでも苦しめて溜飲を下げたいという「欲求を満たす西部の正義」、2人とも正義を楯にした暴力に他ならない。

どこまでも憎悪を感じるエンディングでした。


救いのように後味をよくするのが最後に明かされるリンカーンの手紙の素晴らしさ。

手紙に込められたマーキスの願いは〝真実〟で、嘘でも人の心を動かすことができる…その怖い面も希望的な面も両方描き切っているところに深みを感じました。

イングロリアス・バスターズ」を観たときも「タランティーノすごい!こんな作品を撮るなんて!」と感動したけど、今回も思った以上に大人な作品だったことに驚き、ダラダラ会話から誰が何を考えているのかの読み合いが楽しく、3時間弱長さを感じませんでした。

 

 

モリコーネと「遊星からの物体X

先日91歳で亡くなったエンニオ・モリコーネが本作の音楽を担当し、アカデミー賞作曲賞を受賞していますが、最後に西部劇でオスカーとるって何だかすごい縁ですね。

本作用に書き下ろした曲のほかにモリコーネの過去の既製曲も使われていたみたいで、「どの曲が昔の曲なんだ!?」と気になってYouTubeをチェックしつつ、本編と照らし合わせてみたので、分かったところを最後にメモ。

 

・「エクソシスト2」リーガンのテーマ (Regan's Theme

冒頭、マーキスを載せた馬車が雪道を走るシーンでかかる。

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驚くほど西部劇にマッチしていて、違和感がゼロ!

 

・「遊星からの物体X」の未使用曲(Eternity

馬を小屋に引いて、宿と馬小屋を誘導するロープをつくるシーンでかかる。

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ジワジワ何かが迫っている不穏な感じ、オルガンの終末感…雪景色にも映えてカッコいい曲。

 

・もう1曲「遊星からの物体X」の未使用曲(Bestiality

毒コーヒーを飲んだルースが死ぬのを今かと待ち受けるドミニグ〜ルースの盛大な吐血と死…のシーンでかかる。

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不安煽りつつどこかコミカルな感じが絶妙にシンクロ。

 

・「遊星からの物体X」の本編使用曲 (Despair

終盤での撃ち合いシーン~マーキスが弾切れになる場面でかかる。

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「物体X」ではUFOを発見しにいくシーンでかかっていた曲。

 

音楽も含め、雪景色、カート・ラッセル、密室疑心暗鬼モノ、最後に残る黒人と白人…と「遊星からの物体X」にめちゃくちゃオマージュした作品だったんですね。

最後のリンカーンの手紙のところでかかるトランペット入った曲は、「続夕陽」の橋爆破のときの曲と似た印象で、誇り高く哀しい感じがすごくマッチしててよかったです。

見ごたえ、聴きごたえ抜群の作品でした。

 

「山猫は眠らない」…90年代激シブ狙撃手映画をテレ東でみる

狙撃手映画といえば、これか「ジャッカルの日」というイメージですが、なんと来月14日からシリーズ最新作が劇場公開予定とのこと。

8作も続いているということに驚きですが、しょっ中この作品を放映している気がするテレビ東京が先週からシリーズ7週連続オンエアを開始。

自分は1作目しか観てなかったのですが、録画して久々に鑑賞。

山猫は眠らない (字幕版)

山猫は眠らない (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

本作の主人公はアメリカ海軍最高のスナイパーと呼ばれるトーマス・ベケット

実際にも狙撃手は”撃つ人”と、それをサポートする”観測手”と2人1組で行動するケースが多いようで、ベケットも常に相棒を連れて行動しているのですが、とある任務の帰還中、バディを失ってしまいます。

狙撃手にとって、撃ったあと敵陣から帰るというのもまた困難な任務。

この作品では救助ヘリが誤って日の暮れないうちに来てしまうという大ポカをやらかすのですが、救助隊に掴みかかるベケット…冒頭から引き込まれます。


しかしまた新たな任務が与えられて、今度の相棒はなんと元オリンピック銀メダル選手の肩書をもつミラー。

(ミラー役は「タイタニック」のフィアンセ役が思い出されるビリー・ゼイン。)

お坊ちゃんオーラ&出世目的で任務を受けた甘ちゃんのミラーと、ベテラン現場主義のベケットが反発しつつ絆を深める姿、バディものってとこもまたいいですね。 

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エンタメに振り切ってる本作ですが、駒として扱われる狙撃手、無理解な上層部に反抗心あって指示を無視するベケットと、主人公が任務を盲信する熱血漢タイプでなく、あくまでドライな仕事人として描かれているところが格好いいです。

大変なのは最初の1人、本当の苦痛は何も感じなくなることだ…といったセリフは哀しみをたたえています。

またミラーが他の兵士たちと交わる僅かなシーン。基本単独or少人数のため任務の実情を理解されず、「遠くから確実に人を殺す」役割の狙撃手たちは部隊の中で嫌われ孤立しがち…ということも読みとれて、リアリティを感じさせます。


本作で1番ドキドキするのは前半、ターゲットの所在地まで迂回し徒歩で密林を行く場面。

派手なアクションのない隠密行動ですが、発見されるのを危惧してヒルのたくさんいるという沼で仮眠をとる姿が強烈。

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「山猫は眠らない」という秀逸すぎる邦題(原題:Sniper)から思い浮かんでくるのはなぜかこの場面で、ここからフラッシュバックに飛ぶところも含めて印象的な名シーンです。

 

傭兵となったかつての弟子が現れるという狙撃手対決もみせてくれ、スコープ越しの敵視点でのアングル、向かってくる弾丸のスロー映像はアニメ的な感じがします。

目的地に辿り着いてからはいよいよ作戦実行となりますが、相棒ミラーが飛んでもないポンコツぶりを発揮して、肉弾戦ありの隠密の緊張感はどこへな展開に(笑)。

でも前半の狙撃手対決での立ち回りを意趣返しのようにしてミラーが挑んでくるところ、ミラーの成長と喪失を現したかのような撃ち抜かれた銀メダル。

男臭いベタな演出ですが、100分という短い作品で伏線のように回収してくる構成が上手い…!


クライマックス、狙撃手は捕虜になると拷問され殺されてしまうというのが必然という中、仲間が助けにくる…ラストにほっと胸をなでおろします。


リアリティのあるミリタリーアクションでは全くないと思うけど、おそらく実際にあった狙撃手エピソードを拾いながらアクションに上手くいかしていて、今日までの人気ぶりに改めて納得。

今回のテレビ放送の吹替は青野武で、もう渋みが増し増しになってました。テキパキしたおじさんにすごいお説教されてる感じ(笑)。

 

2作目は予告見て密林じゃないのかーとちょっと気になりますが、なによりトム・ベレンジャービリー・ゼイン交代でほぼこのシリーズに出続けてるってことにビックリです。