どうながの映画読書ブログ

~自由気ままに好きなものを語る~

ダリオ・アルジェント自伝「恐怖」を読みました

2014年にイタリアで出版、2019年に英語版が出版されていたというアルジェント初の自伝本・「恐怖」の日本語版がつい先日発売。

ハードカバー400ページ強、税抜3400円とボリューミーな内容でありますが、普通の人じゃないアルジェントの書く本が面白くないわけがない…!!

テレビ作品も含め2009年の「ジャーロ」まで、監督した作品全てに言及されていますが、特に充実しているのは幼少期〜デビュー作・サスペリアあたりまで…

「おっ!」と引き込まれる劇的なエピソードを冒頭に持ってくるところもアルジェントらしく、ページを捲る手が止まりませんでした。

 

映画プロモーターのお父さんと写真家のお母さんに生まれ、芸術一家育ちだったことは知っていましたが、思っていた以上にお坊ちゃまな子供時代。

幼い頃から本の虫で大人が読むような本を次々に読破していたそう、早熟なオタクあるある。

そりが合わない国語教師から嫌がらせを受けるも、大人になって成功した暁には見事な復讐を決めてみせる…スカッとジャパンのようなエピソードには笑ってしまいました。

どうやら根に持つタイプのようです(笑)。
 
学校には馴染めなかったと言いつつも、同じ映画好きの友人とのエピソードはとっても微笑ましい。

しかしどうやら働く方が性に合っていたようでどんな仕事にも真摯。「好きなものに囲まれる」映画業界に身を置いてからは水を得た魚のように…

ホラーというジャンルが軽蔑されがちだったこと、検閲への怒りなどはフルチのドキュメンタリーでも同じようなことが語られていたなーと思いましたが、アルジェントも映画を評論する立場だった頃から陽の当たらないジャンルを慈しむ反骨精神溢れる人だったようです。

大師匠レオーネ、性格がまるで違うベルトルッチとのエピソードは映画に力があった時代の空気感みたいなものが感じられて、読んでいるこちらも胸が高鳴りました。

 

初監督作「歓びの毒牙」については、「撮る前からその映画を〝見る〟ことができた」と語る本人の才能も凄いけれど、父親の協力などがあってデビュー作から撮りたい作品を思うように撮れた…環境に恵まれたというのも大きかったのではないかと思いました。

新人時代から自分を曲げず妥協せずに戦ってきた姿勢は逞しく、「サスペリア2の人形要らんやん」→「ホレみたことか」になるエピソードもめっちゃオモロかったです。

アルジェント作品の凄いところは、悪夢や心理的イメージを見たことのない映像でみせてくれるところだと思いますが、そのためには理論的な観察はどうでもいいのだと、本人自身がキッパリと語っているところも印象に残りました。

もし首尾一貫した世界を作り上げることができたならば、たとえそれがどんなに狂気じみたものだったとしても、ある種の嘘っぽさを観客は気にしなくなる。

現実的でない世界が現実以上の迫真をもたらす…アルジェントの凄さが本人のこの言葉に凝縮されているようでした。

 

赤裸々な恋愛エピソードも破天荒で面白いものばかり。

モテモテの恋多き男でありつつ、メンヘラに執着されやすかったのか苦労が絶えなかったようです。

ダリア・ニコロディとのエピソードは思ったよりあっさりしていて意外でしたが、アルジェントの方が振り回されていたのかも…

連れ子も含め娘たちからは慕われていて愛情深いお父さんしている姿と、我が子のヌードも撮影する監督としての姿と…矛盾しているようで両方とも出来てしまう感性がやっぱり凄い。

一度組んで信頼のあるスタッフであっても「今回は合わない」と冷静にバッサリ切り捨てる現実主義な一面もあれば、前に成功したときの縁起を担ぐというスピリチュアルな面もある…背反するような監督の複雑な内面が垣間見れてとても面白かったです。

 

アジアにも熱狂的なファンがいることに感謝が述べられていましたが、「フェノミナ」のクランキーサウンド上映!?を見学していたらしく、ヘッドフォンを付けながら静かに鑑賞しつつも時折笑いだす…不思議な日本人の姿に驚かされたというエピソードも(笑)。

「ダークグラス」のパンフレットに寄稿されていたよしもとばななさんとのエピソードも初めて知るものでしたが、仄暗いものに惹かれてしまう人同士の心の共鳴、自分の悪しき部分に自覚的な人の心の孤独…

場所や時間を超越して深いコミュニケーションをとれるというのが、映画/創作物の持つ大きな力だと思いました。

 

ファンの疑問に答えるようなメイキングエピソードの数々がとにかく楽しく、「サスペリア2」のトリックを思いついた瞬間の身震いするような体験が描かれていたり、クライマックスを最初に持って来た「サスペリア」冒頭に対する並々ならぬ気概が語られていたり…

かと思えば生々しい暴力描写だった「サスペリア・テルザ」について「年を重ねることで昔より怒りが膨れ上がっていたから」とサラッとおっかないことを言っていたり(笑)。

後期の作品ほど解説があっさりしているのは、人間若い頃の思い出の方が鮮烈だからでしょうか。

アルジェントには後年はパワーが落ちたという評価があるし、本人もそれを認知しているけれど、新しい企画に取り組んだり、昔からの夢だったことを機を逃さず実現したり…精力的な人だったんだと本を読んで改めて認識させられました。

 

アルジェントの書籍といえば、2007年に出版された「ダリオ・アルジェント 恐怖の幾何学」という本があって、こちらは(客観的な目線で)深く掘り下げられた研究書。

発売当時に思い切って購入したのですが、現在は希少本になってしまったのか価格が高騰しているよう。

アルジェントはもちろんイタリアのホラーやジャーロについて知る足掛かりともなり、今も読み返させてもらっている宝物の1冊です。

今回の本もまた改めてアルジェント作品を観返してから読み直すと発見がありそうで、長く楽しめること間違いなし…!

手元にずっと置いておきたい本だと思いました。

 

「死んでいるのは誰?」…ヴェネツィアの迷宮彷徨うジャーロの傑作

サスペリアPART2」で出番は少ないながらも強い印象を残すトカゲ刺し少女、ニコレッタ・エルミが出演していることで知られる72年のジャーロ

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次から次に登場する怪しいキャラクター、曇天の暗い迷宮のようなベニス…「赤い影」「サスペリア2」よりもこちらが先に作られていることに驚き。

雰囲気を楽しむ系の作品かと思いきや、意外にドラマ性もしっかりあって素晴らしいジャーロでした。

◇◇◇

冒頭はフランスのスキー場。
看護師の母親が娘と2人で雪遊びを楽しんでいましたが、目を話した隙に女の子は何者かに殺されてしまいます。

その4年後…ところ変わってヴェネツィア
仕事で町に滞在している彫刻アーティストのフランコ(ジョージ・レーゼンビー)の下に赤毛の愛娘・ロベルタがやって来ました。

ところがフランコが愛人と情事に耽っている間にロベルタは行方不明になり、その後水死体で発見されます。

自責の念に駆られるフランコでしたが、数年前にも赤毛の少女が殺された事件があったことを知り、狂ったように犯人探しを始めます…

 

シンプルなストーリーですが、登場人物は多め。

フランコの作品を買い付ける富豪のサラフィアンは一見紳士にみえますが、裏では「怪物のような男」と恐れられています。

ラフィアンの愛人として囲われている秘書のジネブラは若い恋人とこっそり浮気していて、雇い主の目を盗んで外国へ逃亡しようと画策していました。

しかしフランコに何かメッセージを伝えようとした矢先、待ち合わせ先の映画館で惨殺されてしまいます。

フランコは過去に同じ悲劇に見舞われたマカシーニ一家のことを知り、事件後に一家の面倒をみていたという弁護士のボナイウティの下を訪れます。

ロリコンの噂がある曰く付きの男ですが、彼もまたフランコに謎の手紙を出したあと何者かに殺されてしまいます。

さらにフランコは捜査の途中に松葉杖の青年と出会いますが、彼は殺された秘書・ジネブラの息子。母を殺した犯人をフランコ同様単独で追っていました。

息子曰くジネブラはサラフィアンに弄ばれていて、過激なプレイを映したフィルムの中には後ろ姿しか見えない謎の男の姿が存りました。

事件のヒントを知っているかもしれないと再び弁護士の下を訪れたフランコはサラフィアンの死体を発見、犯人と鉢合わせになりますが…

 

(以下ネタバレ)

犯人はなんと町の神父。(前のシーンでほとんど出番がなくいきなり誰!?となること必至)

神父は実はサラフィアンの弟で、淫売だったという自分の母親と同じ赤毛の少女を見つけては「汚れる前に救ってあげよう」と凶行を繰り返していたのでした。

なぜ関係ない秘書や弁護士も殺し始めたのか、ハッキリ説明されませんが、おそらくサラフィアンが弟の犯行をずっと金の力で隠蔽し続けていて、弁護士や秘書はその内情を知っていた。

真相が明るみに出るかもしれないと恐れた神父本人が身内も含めて事件を知る者を殺し始めた…のではないかと思われます。

ストーリーはややとっ散らかっているものの、権力者による殺人隠蔽という胸糞&骨太ドラマ。

今みるとありきたりな感じもしますが、見知らぬ土地の見知らぬ人々が皆何かを隠している…冷たいイヤーな感じがひしひしと伝わってきました。

 

「黒いヴェール越し」の殺人鬼視点のカメラも印象的。

なぜか犯人はヒールのあるブーツを履いており女装して少女を殺していたようですが、「サイコ」のような不気味さのある殺人鬼。

本作の原題はWho saw her die?(彼女が死ぬのをみた人は誰?)ですが、その意味するものは何なのか…

冒頭で雪遊びをしている看護師と秘書のジネブラは同一人物のようで(顔が判別しにくいけど息子が「母は看護師だった」と発言)、母親が犯人に視線を向けるオープニングが不自然な印象を残しますが、実は母親は犯人を目撃していた…その後金で買われて囲われるようになった…と考えると納得。 

そしてめちゃくちゃ胸糞な内容であります。
 
ベニスで娘を殺されたマカシーニ一家も、フランコが父親に事件のことを尋ねに行った際には口を閉ざし、お仲間の弁護士に密告の電話を入れているようでした。

この家族も金で買われて沈黙し娘の死を悼まなかった…

殺された女の子たちが何とも浮かばれないです。

 

主人公が唯一真相を追う探偵となりますが、そんなフランコ自身もあまり好ましい人物に映らないところが、ドラマを一層仄暗いものにしています。

そもそも妻がヴェネツィアに同行しなかったあたり、夫婦関係は元々良好ではなかったのかもしれませんが、恐怖に怯える傷心の妻を1人置き去りにして捜査に走る姿が独善的。

浮気相手の女性にも一切情がないようでひとでなしと罵られていました。

愛人とセックスするフランコと、見知らぬ土地で見知らぬ子供たちに混じってお遊戯している娘の姿が交差する場面の何ともいえない居心地の悪さ。

「かもめ、かもめ」のようなお遊戯で1人だけよそ者のように囲われる中、子供たちの歌声と不気味なコーラスが重なり合う場面が、流血も暴力もないのにただただ恐ろしかったです。

「赤い影」と違ってこちらは事件を契機に夫婦の仲が再生して終わるラストにびっくりさせられますが、子供の死の何と軽いことか…

ハッピーエンドのようで冷たく突き放されたような不思議な余韻が残ります。

大人たちの無関心や欲望に翻弄され闇に葬られた少女たちが悲劇的に思われました。

 

監督のアルド・ラドはアルジェントの「歓びの毒牙」の制作に携わっていた人ですが、黒い手袋の殺人者、鳥、バスタブなどアルジェント好きなら心踊るシチュエーションがたくさん。

犯人の人物像とその最期(しつこいまでの落下の描写)はフルチの「マッキラー」とイメージが重なります。

不穏を掻き立てるモリコーネの音楽も素晴らしく、作品を格調高いものにしていました。

 

普通に観ると「犯人誰!?」となるトンデモ作品なのかも(笑)、でもジワジワくる何かがあります。

観光地らしくないヴェネツィアの日常の景色だけでも観る価値があり、深い闇に沈められたような気分になる人間ドラマも味わい深い。

迷宮を彷徨った心地になる極上のジャーロでした。

 

「ラストコンサート」…ベタだけど素朴で綺麗なラブストーリー

70年代にヒットしたイタリアの恋愛映画だそうですが、監督が「エイリアン・ドローム」のルイジ・コッツィ、主演が「サンゲリア」のメナード医師…と何だかとても気になる布陣(笑)。

不治の病を抱えた少女と自信を失った中年ピアニストの愛を描く…

ストーリーだけみると苦手な作品かも…と思ったのですが、くどくもなく辛気臭くもなく、普通にいい映画でした。

 

イタリア映画なのになぜか舞台はフランス、冒頭は美しいモン・サン・ミシェルの景色で幕を開けます。

手を痛めたピアニストのリチャードが病院を訪れると深刻な顔をした医者が切々と語り始めました…

「娘さんは白血病で寿命は2ヶ月もないかもしれない…」

誰の話やねん、とキョトンとするピアニスト。

なんと先に診察を受けていた少女・ステラが「次にパパが診察室に入るから検査の結果を話して」と嘘をついて、あとから自分の病状を聞き取ろうと画策したのでした。

謎の少女はその後もしつこくリチャードにまとわりついてきます。

「一緒に帰ろうよ」「踊らない?」…最初は邪険にしていたピアニストもまんざらでもない様子。

おっさんが夢見てんじゃないよ!!と言いたくなるようなストーリー(笑)。

女の子が元々このピアニストのファンだったとかそんなエピソードがあるとスッと納得できそうなのですが…

 

ステラは幼い頃に家を出て行った父親に会いに行きたいけれど1人だと不安なので付いてきて欲しいとリチャードに訴えます。

おっさんに惹かれるのは父性愛に飢えているからなのかも…他人と距離感なくベタベタしちゃうのも愛着障害の1種なのかも…何だか哀しい女性に見えてきます。

聖子ちゃんカットにベレー帽!?若さが眩しく愛らしいパメラ・ヴィロレージ。

対するリチャード・ジョンソンはくたびれた陰気な中年親父。

皮肉屋で悲観的、才能はあるけど人付き合いが下手でくすぶってる…面倒くさいダメ男ですが、くたっとした色気があって意外に悪くないです。

親子ほど年の離れた女の子に叱咤激励されるのってどうなん…と思いつつも再びピアノに向き合うリチャード。

ときには罵倒しあったり激しくぶつかりながらも惹かれあった2人はやがて一緒に暮らすことに…

ついにリチャードはコンサートで演奏するチャンスを得ますが、急速にステラの容態が悪化。

ウェディングドレスを着てコンサートを訪れたステラは愛する人の演奏を聴きながら静かに息を引き取ります…

 

ベッタベタな展開なのですが、音楽がいいので引き込まれてみてしまうクライマックス。

美しいピアノの旋律に時折女性のハミングが重なってくるのが切なく、幸福だったステラの時間が流れ過ぎ去っていくよう…

余命いくばくもない中、恋して死にたい&好きな人に夢を叶えてもらいたいとアグレッシブに行動したステラ、力強いですね…

ラストは2人出会ったモン・サン・ミシェルで1人佇むリチャードの姿でジ・エンド。

何という喪失感、やっぱり残された人間は寂しいよなあと最後の最後で涙が出てしまいました。

 

ベタなお話ですが、主演2人の相性がいいのかあまり湿っぽくない雰囲気。

闘病の描写などそっちのけ、撮りたい画だけを撮ったような潔さがあり、舞台のフランスもこれみよがしに絶景をみせてくるでもなく気取らず美しい景色が撮れていて、素朴なところが逆に心に染みました。

これと「エイリアン・ドローム」がまったく重なりませんが、普通にいい映画でした。

 

「バーニング」…キャンプ時々殺人鬼、青春の光と影

湖畔のキャンプ場を襲う巨大バサミを持った殺人鬼…!!

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13日の金曜日」に便乗した81年のホラーですが個人的にはこちらの方が好き。

サマーキャンプの若者たちが生き生きしているのが魅力的、素人臭さが漂いつつも殺しのペースが意外で予想がつかなかったり、陽キャと相容れない陰キャの人生の悲哀が感じられたり…

ありきたりなようで他とはちがう輝きのあるスラッシャームービーでした。

◇◇◇

とあるキャンプ場…少年たちが嫌われ者の管理人・クロプシーの枕元にドクロを置く悪戯を仕掛けました。

ところが蝋燭の火が燃え移ってクロプシーは大火傷の重体に。

その5年後…全身状態がかなり悪そうなのにいきなり退院させられるクロプシー。

外に出た直後に娼婦を買おうとするのがアグレッシブであります(笑)。

しかし火傷した男の顔を見た娼婦は絶叫、クロプシーは女性をハサミで切り付けます。

怒りを抱えて殺人鬼と化した男は、かつて自分がいたキャンプ場へと足を運びます…

 

子供を殴ったり虐めていたりしていたというクロプシーさん、悪い人ではあったんでしょうけど、具体的なエピソードに欠けるのでどんな人だったのかイマイチ分からないまま。

ここまでの目に合うのは流石に気の毒に思われます。

キャンプ場にはかつて悪戯をした少年の1人・トッドがいて、最終的なターゲットが彼だったのか、若いキャンパーが許せんと無差別に狙ったのか…詳しい事情はハッキリしませんが、怨念だけはしっかり伝わってくるようでした。

 

しかし肝心の殺人がなかなか起こりません(笑)。

スリードの連続で前半は意外とのんびりしてますが、大所帯なサマーキャンプ集団が観ていて楽しい。

野球中も女子のお尻をガン見しているのはお調子者・エディ。果敢なアタックが成功していて意外と遊び人!?

エディといい感じになるものの身体の関係を持つのを躊躇うのはカレン。
ヤリチンと処女が喧嘩して修羅場に…という妙に生々しい青春の1ページが(笑)。

シャワーシーンを見せてくれるサリーはふしだらそうに見えるものの他の女子とも仲良くしていて悪い娘ではなさそう。

そんなサリーと付き合うのはマッチョなDQN・グレイザー。なんだかんだカースト上位女はこういう強引男に惹かれてしまうのがこの世の常。だけど早漏なのは予想してなかった…!!

グレイザーに度々虐められているのは根暗少年のアルフレッド。陰キャが大人数のイベント苦痛なの分かる(笑)。でも暗いことばっかり言って周りの雰囲気を盛り下げる、コイツも大概なダメ男。

そんなアルフレッドに優しく接するメンバーもいて、朗らかなデイブは皆のムードメーカー。

ビタミンEを後生大事に抱えて見事な射撃の腕をみせるウッドストックもいい子そう。

そして…かつてクロプシーに重傷を負わせたトッドはキャンプチームのリーダーに昇格、学級委員タイプの女子・ミシェルと皆のいないところでイチャイチャ。

自分が傷つけた男の話をキャンプファイアーで面白可笑しく語るトッドが1番ヤバい奴のような気もしますが…

 

前半はなかなか殺人が起こりませんが、後半一気に殺戮モードへ突入。

カヌーが全て持ち出され孤立した若者たちは筏を作り、複数人のメンバーを乗せて救助を呼びに行きます。

途中でカヌーを発見し確認しようと近づいていきますが…

(異様に遅い速度にドギマギ)

死体を発見するのかと思いきや、息を潜めていた殺人鬼が突然起き上がり怒涛の速さで一気に5人キル!!

太陽の光を背に浮かび上がる殺人鬼のシルエット…首にハサミが突き刺さり、バッサリ切り落とされる指…トム・サヴィーニの特殊効果も冴え渡る名シーン。

 

続いていじめっ子だったDQNのグレイザーも殺人鬼の餌食となりますが、その様子をこっそり目撃していたアルフレッド少年は一瞬笑みを漏らします…

自分はこのシーンがこの映画で1番怖かった。

クロプシーさんの過去は全く描かれていないけれど、きっとアルフレッドみたいな奴だったんだ…と思わせるキャラクター配置が何だか深い。

やった方はなんとも思っていなくてもやられた方は忘れちゃいない…沸々と溜められた怒りが燃え上がる瞬間があるんだ…

キャンプという煌めく青春の光の中に横たわる暗い影。

 

グレイザーに虐められていたアルフレッドは不満の捌け口をガールフレンドのサリーに向けていて覗き見をしては「怖がらせようと思った」などと悪気なさそうに呟いていました。

キャンプの子供たちを殴っていたクロプシーも昔誰かに虐められていてその憂さ晴らしをしていたのかもしれません。

けれど怒った子供達から報復を受けて一生癒えない傷を負い、今度は無関係な人たちを殺すようになる…

ぐるぐると回り続ける理不尽な暴の連鎖みたいなのものにリアリティとやりきれなさを感じてしまいます。

 

クライマックスはアルフレッドを助けに来たトッドと殺人鬼がついに対面。

最終決戦に陽キャ陰キャ、両方揃ってるのが何だか胸熱。

火傷を負ったトラウマで殺人鬼は火が怖いに違いないと思っていたら、自らバーナーを持って現れるのでびっくり(笑)。

結局クロプシーは返り討ちにあって再び身体がバーニング、十字架のようなオブジェと化して朽ちていきます…終盤はやや尻すぼみながらも、なぜだか美しく寂寞感漂う最期でした。

 

エスリック・ウェイクマンが手掛けたシンセのきいた音楽もぴったり。

殺人鬼視点のカメラはこの手の作品あるあるな演出ですが、視界が少しぼやけていて、犯人の火傷の後遺症が窺える…細かいところでも悲哀を感じさせてとても良かったです。

公開当時興行が振るわなかった本国に対しヒットを飛ばしたのが日本だったそうですが、殺人鬼を勝手にバンボロと名付けた東宝東和の大袈裟なプロモーションが功を奏したのでしょうか…この時代のフリーダムなエピソードにはびっくり(笑)。

人生/青春の悲喜交々を感じさせる、味わい深いスラッシャームービーでした。

 

「ひらいたトランプ」…カッコいいポワロと気弱だけど恐ろしい窃盗犯

名探偵ポワロは夜ごとゲームに興じる悪い噂の絶えないシャイタナ氏のパーティーに呼ばれた。

ポワロを含めて8人の客が2部屋に分かれてブリッジに熱中している間、客間の片隅でシャイタナ氏が刺殺されてしまう。

なんと居合わせた客は殺人の前科を持つものばかりだった…

オリエント急行〜」や「ナイルに死す」のような大作感はないけれど、コンパクトに美しくまとまっていて面白かった記憶があるのがこの「ひらいたトランプ」という作品。

ゲームのため8人の男女が集められますが、その内4人は「過去に殺人をして見事に逃げおおせた人間」。

もう4人は警官、ミステリ作家、諜報員、探偵…と捜査官にあたる人たち。

取り調べ的なものが交互に行われていく構成は「オリエント〜」などと同じなのですが、容疑者は先の4人の中の誰か…というお話なので登場人物が少なくて把握しやすい。

そして探偵役が複数いることで相対的にポワロの切れ者っぷりが際立ちます。

ブリッジのプレイ内容・メモの筆跡などから各々の性格を推察。「部屋の中にあったもので覚えているものは何ですか?」の質問1つでその人の内面を深く推し量るなど、心理方面に特化した推理をみせるポワロが格好いい。

ブリッジのルールを知らないと楽しみにくいと賛否両論あるようですが、「2人vs2人の勝負で相方に小休止できるようなターンがくる」など小説の中でゲーム内容がきちんとフォローされていて、自分は知らない身としても充分楽しむことができました。

そしてどんでん返しに次ぐどんでん返しで畳み掛けるようなラストが鮮やか。

最初の印象を次々と裏切る登場人物たちに「えっ!!」と驚かされました。

 

(ここからネタバレ)

犯行の手口と一致する〝大胆な性格を表すプレイ〟からとっくに犯人の目星を付けていたポワロ。

偽の目撃者を用意しておいて犯人を追い詰める容赦なさにもびっくり。博打のような犯行に出る犯人と、着実な計らいで事を進めるポワロとの対比が効いているように思われました。

真犯人はある意味ありきたりすぎて1番意外性のない人ですが、とある人物が強烈すぎて「こいつが犯人に違いない」と思わせてしまうミスリードが上手い。

犯人よりも圧倒的な印象を残したのはアン・メレディスという女性キャラクターでした。

 

可憐な若い女性のアンは大人しく控えめな性格。

自信のなさはプレイにも表れており、怖がりなのか何かやましいところがあるのか事件後は異様に怯える姿が目につきます。

いい洋服を着ているのにメモは裏返しで使うなど倹約家な一面もあり、バトル警視がその身辺を調査することに。

実はアンは無一文で両親を失い「コンパニオン」(裕福な女性の世話係)をして暮らしている女性でした。

彼女を知る人は皆「いい娘だった」と口を揃えていいますが、過去に勤めていた家で女主人が薬を誤って飲んで死んでいたことが判明します。

ある日ポワロはアンを尋問する際、ほんのついでにみせかけてある罠を仕掛けました。

「姪たちへのクリスマスプレゼントに絹のストッキングを用意してみたんだけど、どのデザインが若い人に受けるか選んでくれるかな??」と依頼。

選んでもらったあと、19足あったはずのストッキングはなぜか17足に減っていました。

なんとアンは窃盗の常習犯。部屋の中にあったもので記憶していたものは宝石など金目のものばかりと大人しそうにみえて実はかなり欲深い女。

手癖が悪く、「小さな犯罪」がバレそうになるとそれを隠すために平気で人を殺してしまうという恐ろしい人間でした。

臆病な人間は恐怖から人殺しをすることがあります。気の小さい、驚きやすい人間も絶体絶命になると、隅に追い詰められた物置のねずみになることがあるのです。

大人しい、気弱で繊細な人なのかと思いきや、究極的に自分本位で自己保身のためになんでもやってしまう、めちゃくちゃおっかない女だった…!!化けの皮が剥がされたアンに恐怖。

けれど彼女の人生を想像するとちょっぴり切なさ!?も感じてしまいました。

 

アンがやっていたコンパニオンの仕事はヒッチコックの「レベッカ」の主人公がやっていた仕事とおそらく同じ。ある程度の身分の女性たちが労せず暮らせるための職だったといいますが、お金持ちの夫人の相手をしながらあっちへこっちへ…不安定でストレスが多そうです。

ここ最近は学生時代の友人で同い年のお嬢さん・ローダのコンパニオンをして生計を立てていたようですが、警戒心の強い根暗女子とアクティブ陽気女子というのがまたオタクの好きそうな組み合わせ(笑)。

気立てのいい鈍感なローダは対等な友達としてアンと接していますが、アンの方が親友と思えていたかというとそんなことはなさそう。

生活に苦労したことがない明るい性格のローダに嫉妬や劣等感を抱えていたでしょうし、ローダが結婚して事情が変わったらまた生活が安定しなくなるという不安もあって、決して心休まる関係ではなかったのではないかと思いました。

せっかく美人なのに性格がネガティブすぎて近寄ってきたいい感じの殿方にも快く振る舞えないで損してるの勿体無いなー、でも苦労してきてこんな風に捻くれちゃったのかなー…色々考えてしまいますが、そんなアンにも同情を寄せる人が現れます。

アンが真犯人だと勘違いしたロリマー夫人は自分がシャイタナを殺したのだと偽の自白をし、若いアンを庇います。

なんでそこまで…と思ってしまいますが、この時代女性が1人ぽっちで生きることの厳しさを知るロリマー夫人は孤独な自分とアンを重ねたのか助ける決意をしたようでした。

そんな夫人の好意を知ることもなく自分の保身にひた走るアンが醜悪に映り、なんとも切ない気持ちにさせられます。

事件が思わぬ縁となって知り合ったデスパード少佐とは結局上手くいかず、少佐は明るい性格のローダに惹かれて行ったよう。

ローダを手にかけようとするも自身が溺れて〝選ばれなかった女〟としてこの世を去るアン。

同じくクリスティの長編「ナイルに死す」でも窃盗癖のあるキャラクターが登場していましたが、〝子供の時の出来事がトラウマになって潜在意識からそういう行動に出てしまうこともある〟…あちらでは救いが幾許か提示されていました。

アンにも盗みを働くようになったきっかけや多大な心労があったのかもしれません。  

恐ろしい女性で迎える死も因果応報なのですが、どこか哀しみも感じさせるキャラクターでした。

 

犯人は4分の1の確率で当たるはずなのに、クライマックスの怒涛のどんでん返しが凄すぎて予想が当たらない…!!

ポワロがストッキングを大量買いしてエロジジイと店員さんに勘違いされるのが可笑しかったり、クリスティの分身ともいえるキャラクター・オリヴァー夫人との会話に作者の本音が漏れ出ているのが愉快だったり…ロマンス、コメディが程よく混ざっていてバランスのよい作品。

オリエント急行のポワロより「どんな殺人も必ず罰を受けなければならない」と語る本作のポワロの方が探偵として好ましく思われました。

〝大作感〟はないけれど、印象に残るキャラクターがいて、スッキリ綺麗にまとまっている鮮やかな傑作でした。

 

パトリック2!?「Patrick still lives」…エログロ炸裂仰天イタリアンホラー

リチャード・フランクリン監督の78年のホラー「パトリック」

サイコキネシスの力を持った昏睡状態の青年と看護師女性のやり取りを描いたサイコホラー。

タランティーノのお気に入りとしても知られ、地味ながら秀逸な作品で好きだったのですが、なんとそれに便乗したイタリアンホラーがあるとのこと。

コメント欄で教えていただき、とても面白そうだったので気になって観てみました。

走っている車から投げ捨てられた酒瓶が顔に当たり、昏睡状態に陥ってしまった青年・パトリック。 

その数年後…5人の男女がとあるウェルネス・リゾートに招待されます。

集められたメンバーは謎の脅迫状を受け取っていて、各々秘密を抱えている様子。  

実は5人は飲酒の癖を持っており、パトリックの父親が〝酒瓶を投げつけた犯人〟を血眼になって探した末リストアップされた容疑者たち。

父親は実験を重ねて昏睡状態の息子の超能力を開花させることに成功、リゾートの支配人を演じ、復讐計画を練っていたのでした。

立ち入り禁止の部屋に横たわるパトリックが力を発揮すると、ゲストは1人ずつ惨たらしい死を遂げていきます…

 

酒瓶が顔に当たってイタタタからいきなり昏睡状態へ(笑)…冒頭からツッコミが止まりません。

寝たきりのサイコキネシス青年というプロットだけ借用しつつ、前作との繋がりは全くなく無断で勝手にタイトルを使ったというからびっくり。

真犯人当てなどそんな要素があれば面白くなりそうなストーリーですが、そんなもんはそっちのけ、女性陣が無意味に胸をさらけ出していてそっちに気を取られて話が中々頭に入ってきません(笑)。

 

殺人シーンはスローテンポで間延びしているところもありつつ、グロ度はかなり高め。

1人目の犠牲者はプールの水がいきなり湯だって火傷&溺死。

探偵役になるかと思われた一匹狼の謎めいた男は念力パワーに操られて鍵フックに自分の身を吊るして死亡。

そして本作最大のハイライトは「ゾンビ3」のマイケルの母親役でおなじみ、マリアンジェラ・ジョルダーノが犠牲になるシーン。

火かき棒で股を串刺しにされそれが口から飛び出てくる…食人族も真っ青なシーンが強烈。

大股開きで絶叫する女優さんの身体の張りっぷりが凄まじいです。
 
その他シェパード犬2匹に襲われて女性が死ぬシーンはフルチの「ビヨンド」、車のウィンドウが首を切断するシーンはアルジェントの「インフェルノ」などが想起されつつ、ゴアシーンだけでもかなり見応えのある作品になっていました。

 

一方、肝心の超能力青年は顔色はいいわ、周りに置いてある機械がヘッポコだわ、とても昏睡状態にはみえません。

父親が雇ったアシスタントの女性・リディアに心奪われるパトリック。

タイプライターを使ってメッセージを送るオリジナルリスペクトなシーンを挟みつつ、超能力を使ってスカート捲りしちゃうムッツリスケベ。

次第に行為はエスカレートし、念力で操られたリディアがベッドの欄干に股をこすりつけて0721させられるというこれまたキョーレツなシーンが(笑)。

乳首をツンツンと手すりに押し当てるところで爆笑してしまいました。

 

ところがリディアも容疑者候補の1人だったらしく、父親はパトリックに彼女を殺すように命じます。

どうやら殺人はパトリックの意志ではなく父親がやらせていた模様。

パトリックは好きになったリディアを殺せず、彼女を手にかけようとした父親の方を殺めてしまいます。

ラストは逃げられなくなったリディアを映してジ・エンド…

 

雰囲気のある古びれた洋館は「ゾンビ3」で使われた場所と同じらしく、裕福な男女が死を遂げていくプロットといい、全体的に印象が重なります。

チューブラーベルズ」をパクったようなメインテーマ曲も妙に耳に残りました。

アンダーもバッチリ映った過激映像、海外でも18禁扱いのようですが、日本でのソフト化は難しいのでしょうか。

「パトリック」自体そこそこマイナーな映画だと思っていたのでそれに便乗した作品があったというのにまずびっくりですが、アイデアはパクってもオリジナルとは似ても似つかない作品になってるのはさすがイタリア。

チープだけれど気前のよいエログロに大爆笑。この手のホラー好きには堪らない掘り出し物でした。

 

「ラッツ」…ネズミゾンビなイタリアンホラー

この夏劇場で鑑賞してめちゃくちゃ面白かったマカロニゾンビ映画「ヘル・オブ・ザ・リビングデッド」

監督のブルーノ・マッティと脚本家のクラウディオ・フラガッソがタッグを組んだ1984年のホラーがあるとのこと、パンフ解説によると監督自身が最高傑作と発言したとか。

国内版DVDは入手困難なアイテムと化していましたが、輸入版を購入して観てみました。

2015年に核戦争が勃発し五大陸は荒廃。

人類は地下に逃れた者とその後地上に再び出て暮らし始めた者とに分かれた。

核投下後の世界をAB(アフターボム)と呼び、現在はAB215年である…

冒頭からナレーションがスラスラと流れてきて、次に現れるのはワイルドなファッションに身を包んだ集団…

アニマルパニックかと思ったらマッドマックス便乗映画なのかよ…!!とびっくり(笑)。

当然のように銃や火炎放射器を携えていて、とても荒廃した数百年先の人類とは思えない佇まいが頼もしいです。

一行は寂れた小さな町を探索することにしますが、食料や水槽、栽培された植物などを発見。

思わぬ物資に大喜び、小麦粉を全身に振りかぶって「アンタたちより白いわよ!」とはしゃぐ黒人女性が異様にハイテンション。

ところが家屋の隅々から謎の死体が発見され、方々でネズミが現れます。

 

仲間から離れてセックスに励んでいたリリスとルシファーのカップルは突然ネズミの襲撃を受けました。

寝袋にネズミが入ってきたけどジッパーが壊れて出られない…!!(なんて間抜けなんだ)

股から体内に侵入したネズミが内臓を食い破り口から出てくる…!!(なんて下品なんだ)

その後も1人ずつ襲われ、噛まれた者は体調悪化、車両はパンクしネズミの大群に囲まれて籠城戦へ…蓋を開けてみればゾンビ映画の王道パターンなストーリー。

あえてネズミを使ったのは「ウィラード」などアニマルパニックものに便乗しようという流れがあったのでしょうか。

ネズミの数は多いことは多いものの、どう見ても逃げられないほどの数じゃないので緊張感に乏しい。

襲ってくるといってもスタッフが画面の外からネズミを投げつけているのが丸バレ、どうみても不自然すぎる画。

そしてそれをカバーするように大根役者が無意味に絶叫しまくるという地獄絵図が続きます(笑)。

苦肉の策なのかネズミの模型がベルトコンベアで運ばれてくる様子を映してネズミの襲撃をむりやり表現しているシーンはシュール。

死体の背中が裂けてネズミが爆発しながら飛び出してくるシーンは、エイリアンに便乗したのか妙に気合いが入っていて笑ってしまいました。

 

仲間が負傷するとしっかり助け合うパチマックス集団…意外にヒューマニティー溢れる奴らです。

しかし1人だけ例外がいて、ナポレオンジャケットみたいなのを羽織ったデュークだけは仲間を見捨てて、リーダーの座を奪い取ろうと皆と対立します。

女性ばかりが残った部屋の鍵をかけて野郎共を締め出すデューク…1番頭の弱そうな女性・マイナを連れて逃走するデューク…

モテない男の暴走が何だか哀れに映ります。

人間同士の争いも空しく皆次々にネズミに殺され、残ったメンバーは謎のコンピュータルームに籠城することに。

残された音声データが語る過去の歴史…核戦争後の突然変異でネズミは人を食べるようになり彼らが地上の覇者となったことを知ります。

 

(ここからラストネタバレ)

そんななかガスマスクをつけたクレイジーズのような集団が突然現れ、殺鼠剤を撒き散らし残ったメンバーを救出。

「あなた達は私たちの友達よね」と声かけたのも束の間、マスクをとるとなんと彼らはネズミ人間だった…!!

新世界へようこそ…な驚愕エンド。

ネズミを駆除していたので中身はしっかり人間なのかもしれませんが、「猿の惑星」のような衝撃が走るラストがなかなか素晴らしいです。

 

狭い場所での籠城戦、人間どうしの争い、助けが来たと思ったらバッドエンド…「ヘル・オブ〜」がゾンビリスペクトなのに対し、こちらは「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」を踏襲したような作り。

音楽はゴブリンではなく昔のゲーム音楽のような電子音でしたが、ピタッとハマっていて悪くなかったです。

「ヘル・オブ〜」の方が役者さんの演技が上手くロケーションもアクションも魅力が深かったように思いますが、この「ラッツ」もまずまずの出来。

脚本家のSFホラーに対する真摯な想いと、監督のエンタメ精神が見事フュージョンしていて、このコンビの作品は楽しいですね。