どうながの映画読書ブログ

~自由気ままに好きなものを語る~

2022-01-01から1年間の記事一覧

「エイリアンドローム」…サンゲリア+エイリアン??イアン・マッカロックがカッコいい

「サンゲリア」のイアン・マッカロック主演のマカロニホラーということで気になっていた作品のBlu-rayを鑑賞しました。 ホラー・マニアックスシリーズ 第13期 第3弾 エイリアンドローム -2Kレストア版- [Blu-ray] イアン・マッカロック Amazon 監督は「サイ…

「プロジェクト・ヘイル・メアリー」…少年漫画的ロマンとなろう小説的高揚感

「火星の人」(映画「オデッセイ」は自分はかなりイマイチだった)のアンディ・ウィアーの最新作で2021年のベストセラー「プロジェクト・ヘイル・メアリー」を読みました。 プロジェクト・ヘイル・メアリー 上 作者:アンディ ウィアー 早川書房 Amazon ネタ…

「俺たちは天使じゃない」(1955)…すんごいテキトーで謎にあったかいクリスマス映画

「カサブランカ」のマイケル・カーティス監督とハンフリー・ボガートが再タッグを組んだコメディ作品。 ツッコミどころ満載ですが、掛け合いがとても面白く古い作品なのに爆笑して観てしまいます。 俺たちは天使じゃない (1955) [DVD] ハンフリー・ボガート …

「わらの犬」…大人しい男の怠慢と暴力の才能

ニュースなどで何か事件があると「犯人は真面目で大人しい人でした」と報道されているようなことが時々あって、大人しい村の住民である自分は「大人しい奴のネガキャンやめてくれや、もし犯人がパリピやったら『犯人は賑やかなパリピでした』ってちゃんと言…

「ワイルド・ギース」…英国のエクスペンダブルズ、70年代の寂寞感

イギリスの名優が集まった78年公開のミリタリーアクション。 アフリカ前大統領救出のミッションを負った傭兵集団が依頼主に裏切られ現地に置き去りに… 基本はエンタメアクションしつつ70年代ならではの骨太さがあって見応えのある作品でした。 ワイルド・ギ…

「ワーロック」…ポンコツ魔法使いと逞しいヒロイン

同じタイトルで西部劇の名作があるようですが、こちらは89年公開のファンタジーホラーのワーロック。 監督は「ガバリン」のスティーヴ・マイナー、脚本は「逃亡者」「アライバル」のデヴィッド・トゥーヒー、音楽はジェリー・ゴールドスミス…と意外に豪華な…

「迷宮のレンブラント」…天才贋作画家が描いた本物の絵

97年制作、ジョン・バダムの最後の映画監督作。 レンブラントの贋作を手掛けた画家が事件に巻き込まれる…設定だけでワクワクさせられてとても面白かった記憶のある作品です。 迷宮のレンブラント【字幕版】 [VHS] ポニーキャニオン Amazon 天才的な贋作の技…

「ゴーンガール」…臆病で繊細な原作小説のエイミーが好きだった

原作→映画の順で鑑賞。映画も主演2人がハマり役で悪い出来ではなかったと思いますが、自分は原作小説の方が圧勝で面白かったです。 「夫と妻の独白が交互に進んでいく」というスタイルは映画も原作も同じですが、本ではフルで展開している「妻の日記パート」…

「未来惑星ザルドス」4Kデジタルリマスター版を観てきました

SFカルトとして名高い74年ジョン・ブアマン監督作が今秋4Kリマスターとなって全国順次公開。 この監督の作品は「脱出」「エクソシスト2」しか観ていなくて高尚なイメージがあったのですが、直球シンプルなストーリーで素直に楽しめました。 2293年、戦争と環…

「ロードゲーム」…地味なおっさんvs地味な殺人鬼のロードスリラー

「激突!」を思わせる82年公開のオーストラリア製サスペンス。 監督は「サイコ2」「パトリック」のリチャード・フランクリンですが、この人はやっぱり才能アリ。 低予算ながら引き込まれる作品になっています。 ロードゲーム (ユニバーサル・セレクション第3…

「ザ・リッパー」…殺しのドレス風!?フルチのエロス・スプラッター

ルチオ・フルチが「墓地裏の家」のあと82年に撮った猟奇サスペンス。 このジャンルが下り坂の時期に制作された作品だと思いますが、晩年の作品に比べると予算はあったのかNYの空撮などロケーションはしっかりしています。 「イノセント・ドール」のようなロ…

「影なき淫獣」…美女と絶景と足フェチと…先駆的ジャーロの名作

カルロ・ポンティ製作、セルジオ・マルチーノ監督による1973年公開のイタリア製ジャーロ。 スラッシャー映画の先駆的存在と呼ばれ、タランティーノのお気に入り作品でもあるそう。 後半3分の1が爆上がりで面白かったです…!! 影なき淫獣 完全版 -デジタル・…

「ハネムーン・イン・ベガス」…ニコラス・ケイジがエルヴィスとスカイダイブ

「あなたに降る夢」のアンドリュー・バーグマン監督とニコラス・ケイジが初タッグを組んだ92年の作品。 内容は完全におバカコメディですが、ニコラス・ケイジが破天荒キャラにビシッとハマっていてなんか好きな作品でした。 HONEYMOON IN VEGAS Columbia Pic…

「チャイルド・プレイ2019」…メンヘラチャッキー、思ったよりいいリメイク

人形の出来がイマイチやなーと思って気になりつつもスルーしてたチャッキーリメイクを観てみました。 「ゾンビ」→「ドーン・オブ・ザ・デッド」のように別の方向性を目指したのが吉、哀しみホラーの要素はしっかりあって個人的にはアリな作品でした。 チャイ…

「デッドリー・フレンド」…美少女ロボゾンビ、バスケで頭ドカーン

ウェス・クレイヴンが監督、「ゴースト ニューヨークの幻」のブルース・ジョエル・ルービンが脚本を手掛けた1984年の作品。 前半は良いのに後半が迷走気味、けれど美少女ロボゾンビ!?を演じたクリスティ・スワンソンが魅力的で記憶に残る1作でした。 IQの…

超能力×青春「モブサイコ100」…何者でもないけど特別な人

「キャリー」を彷彿とさせる設定に心惹かれて読んだ漫画作品。バトルありギャグありで思った以上に明るく、けれど底では人間がついつい悩んでしまうような心の状態が描かれており、どこか暗さも孕んでいてとても好きな作品でした。 モブサイコ100(1) (裏…

「指輪物語」/「ロード・オブ・ザ・リング」…ファラミアの改変の記憶

仕方がない、ファラミアは犠牲になったのだ… ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔 (字幕版) ヴィゴ・モーテンセン Amazon 自分がちょうど高校生の頃に公開され、70年代でいうところの「スターウォーズ」旧三部作のような興奮と熱気をリアルタイムで味わわせて…

「エリミネーターズ」…驚きのポンコツサイボーグ

ジャケットから漂うネメシス臭。 エリミネーターズ [Blu-ray] アンドリュー・プライン Amazon 知る人ぞ知る80年代B級カルト作だそうですが、この度初Blu-ray化。 何も考えたくないときに観るには最高の1本、好きな人間にはたまらない作品でした。 飛行機事故…

ロバート・イングランドの「オペラ座の怪人」…君の前前前世から僕は君を探し始めたよ

子供の頃自分が初めてみた「オペラ座の怪人」がこれだったのですが… オペラ座の怪人 [VHS] アミューズ・ビデオ Amazon めちゃくちゃグロくてびっくり、だけどストーリーはしっかりしてて時を超えるタイムスリップ展開が秀逸。 基本は原作(ミュージカル)に…

「ザ・センダー 〜恐怖の幻想人間」…悪夢を転送する哀しきテレパシスト

病院に運びこまれた自殺未遂の青年。彼は他人に自分の悪夢を転送してしまうテレパシストだった… 82年制作のイギリス製ホラー。 大人しめの作品ではありますが、テレパスの設定が上手くサイコサスペンスに生かされており、また幻覚の映像表現も独創的で印象に…

「メデゥーサ・タッチ 恐怖の魔力」…絶望した人間の裁き、70年代超能力ディザスタームービー

「オーメン」「キャリー」が公開された翌々年の78年に制作された超能力ホラーですが… 殺人ミステリから始まってオカルトものへ、ラストはディザスタームービーへと化す脚本が見事。 現実の無差別殺人が頭をよぎったり、現代の閉塞感と重なるものを感じてしま…

「ワックスワーク」…vs全ての怪奇映画!!異次元バトルホラーの良作

中古のVHSの叩き売りで発掘、パッとしないスプラッターかと思ったら意外に面白かった1作。 「ラストアクションヒーロー」と「ナイトミュージアム」を足したような…??子供の心に戻してくれる、ファンタジーとコメディ色の強い楽しいホラームービーでした。 …

「ダゴン」…抗う人の意志と無情な血の運命

いあ!いあ! スチュアート・ゴードン2001年の監督作、未見で気になっていたのを初鑑賞。 「死霊のしたたり」のようなユーモアあるやりすぎエログロ路線とは全く違って、得体の知れない集団に取り囲まれる恐怖、逃れられない血の宿命…シリアスに怖い王道ホラ…

エラリー・クイーン「Yの悲劇」を読んでみた

先月ダリオ・アルジェントの「スリープレス」のBlu-rayが発売されました。 特典盛りだくさんでめちゃくちゃ嬉しい内容だったのですが、アルジェントはエラリー・クイーンが好きでかなり影響を受けているとのこと。 エラリー・クイーン…名前は知ってるけど読…

アルジェントの「オペラ座の怪人」…驚愕!!美しき変態ネズミ男

劇団四季のミュージカルが好きで間違ってこのビデオ借りちゃった人はきっとトラウマもの。 ホラーファンが観てもなかなか珍妙な作品で、アルジェント好きの人間が観ても「どうした、アルジェント!?」とのけぞるような、別の意味で記憶に刻まれるトンデモな…

「トラウマ/鮮血の叫び」…アルジェント首切り殺人事件

ダリオ・アルジェントが娘・アーシアを主演に迎えた93年の作品。 どこか「サスペリア2」を彷彿させるジャーロもので決して面白くないことはないのですが、アメリカをロケ地にしたからかビジュアル的な魅力が半減。 音楽はピノ・ドナッジオが担当していますが…

アルジェント後期傑作「スタンダール・シンドローム」を独自解釈してみた

性暴力の被害に遭った女性の精神崩壊を描くダリオ・アルジェント監督作。 殺人シーンにいつものような芸術性は皆無で淡々と渇いた感じ。ストーリーは破綻こそ少ないものの解釈を委ねたようなやや難解なつくり。 好みが分かれそうな作品ではありますが個人的…

「ウハウハザブーン」…ポロリと爆破とめっちゃ賢い犬

「ウハウハで行くか?」「ザブーンだな!」 日本劇場未公開作でVHS発売時タイトルは「アップ・ザ・クリーク」。しかしテレビ東京で放送された際に付けられたのがこのふざけたタイトルだったそうで… 史上最悪のボートレース ウハウハザブーン <デジタル・リマ…

「戦争のはらわた」…サラリーマン的悲哀と不可解だけど凄みのあるラスト

これまで敵役ばかりだったドイツ兵をあえて主人公に置き人間らしい兵士として描く…当時衝撃を持って迎え入れられたという77年製作のサム・ペキンパー監督作。 戦争のはらわた [Blu-ray] ジェームズ・コバーン Amazon ドイツとソ連が死闘を繰り広げる43年の春…

「ワイルド・バンチ」…ジジイのロマンスと煌めく笑顔

69年制作、「最後の西部劇」と呼ばれるサム・ペキンパーの代表作。 ペキンパーと共同で脚本を手がけたウォロン・グリーンはのちにフリードキンの「恐怖の報酬」の脚本も担当していて、クズ野郎どもが破滅に向かっていくという所では共通点があると言えるのか…