どうながの映画読書ブログ

~自由気ままに好きなものを語る~

「愛が微笑む時」…明るい幽霊たちに元気をもらえる映画

1993年のロバート・ダウニー・Jr主演のコメディ映画。

愛が微笑む時 [DVD]

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 「ゴースト ニューヨークの幻」から恋愛サスペンス要素をとって、もっとほのぼのさせた雰囲気だろうか。怖くない、笑える明るい幽霊もの。

ゴースト達が主人公に取り憑くシーンがあるが、この場面でのダウニー・Jrの演技が見事で、昔から上手だったのね〜と感心してしまう。

元気のでる好きな作品なので、思い出して少し語ってみたい。

 

こんな幽霊になら会ってみたい!?

舞台は、1950年代のサンフランシスコ。とある4人が乗り合わせたバスが事故に遭い、全員亡くなってしまう。しかし、この世に未練があった4人は、成仏できず、近くにいた赤ちゃん(トーマス)に取り憑くことに。
トーマス以外には4人のことがみえない。幼いトーマスにとって幽霊達はかけがえのない存在となったが、トラブルも絶えず、4人は姿を現すことをやめ、静かに少年の成長を見守ることを決意する。

それから月日は流れ、トーマスは30代のやり手ビジネスマンに。
しかしお金にうるさく、恋人を大事にしない、超仕事人間になっていた…。

子供の時あんなに可愛かったトーマスが、いけ好かない感じの大人に…。

20年余りをすっ飛ばす、ストーリー切り替えの思い切りがよくてイイ!

子供の頃、幽霊バス!?が迎えにくる画がとにかく好きだった。平和すぎる死後の世界の雰囲気にどこか優しい気持ちになれる。

 


悲しいお別れが教えてくれる大切なこと

4人の幽霊のキャラクターが各々とても立っている。1人ひとりが生前やり残したことに向き合うドラマにほろっとしてしまう。

●マイロ(トム・サイズモア
いかにも不良の雰囲気だが実は優しいアニキ。子供の持っていた切手(レッドツェッペリンのプレミアもの)を盗む依頼を受けたものの、その後罪悪感から取り返そうとする。が、失敗。そのことが心残りになっている。

●ハリソン(チャールズ・グローディン)
歌手志望だが、いつも緊張で人前で歌うことができない。色々気にする繊細な性格。トーマスから
「1番の恥は挑戦しないことだ」の叱咤を受け、B.Bキングの前座にチャレンジ!!

●ペニー(アルフレ・ウッダード
真面目な3児の母。自分が亡くなった後、子供たちはどうなってしまったのか??行方を追うが、案外近くにいたりして…な展開がよく出来ていて、ニンマリ。トーマスのことをお母さんのように見守っているのが微笑ましい。

●ジュリア(キーラ・セジウィック
交際していた恋人から何度プロポーズされても、「今じゃなくてもいい。そのうちね。」と袖にしてばかりだった。煮え切らない態度にとうとう愛想をつかしたようにみえた彼。思い直して彼を追いかけようと乗ったバスが事故に…彼に「自分も愛していた」と想いを伝えられたらどんなにいいだろうか…。

 

4人それぞれドラマがあるけど、かつての恋人の行方を追う、最後のジュリアとのお別れが悲しすぎて、驚きの展開だった。

”別の人と結婚して子供でもいるんじゃない?ちょっと切ないけど、彼が幸せならそれでいいよね。”

きっとそんな気持ちだったのに、残された彼が生涯孤独で、かなり荒れた生活を送っていたことをきかされる。

ジュリアは本当に愛されていた女性なのかもしれないが、この結末は悲しすぎる。

しかも、もし彼を追いかけずにバスに乗っていなければ別の人生があったかもしれないのに…と思うと余計に辛い。

けれど、ジュリアが直ぐに奮い立ち、トーマスに、「私のいる意味はあなたとアンのこと」と、想いを託す。

ジュリアいい女すぎる。(演じるキーラ・セジウィックケヴィン・ベーコンの奥さんです)

正直、エリザベス・シュー演じるトーマスの恋人・アンはそんなに出番もなく印象が薄かったけど、トーマスとジュリア、2人のドラマが重なる展開に感動があった。

後悔のないように毎日を大切に生きる。
愛する人に伝えたい気持ちを伝える。

ベタベタなメッセージかもしれないけど、それが嫌味なくストレートに突き刺さるのは、ストーリーの巧さかな、と思う。

監督は「トレマーズ」「シティ・スリッカーズ」のロン・アンダーウッド。

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 幽霊って非日常的な怖い存在として描かれるのが定番だけど、カラッと明るく仕上がっているのが魅力。

 

そしてロバート・ダウニー・Jrの演技がやっぱりいい!!

会議室で次々に幽霊に身体を乗っ取られるシーンがあるが、何もかもバッチリトレースされていて、目を奪われる。

またハリソンに取り憑かれたトーマスがB.Bキングのライブの前座で国歌を独唱するシーン。

大きくなってからNHKで「アリー・マイ・ラブ」というドラマを観ていたとき、ダウニー・Jr演じるラリーが、ピアノで悲しいクリスマス・ソングを歌う場面にビビッときたんですが、そういえば「愛が微笑むとき」のあのシーンも、本人の熱唱だったのか〜と気付いて驚く。

「映画出ないのもったいないな〜」と思っていたら、見事にカムバック!!

 

アメリカンコメディーの謎のあるある!?突然みんなで歌って踊り出すシーンも楽しい♫


Walk Like a Man - Heart and Souls

みんな仲良すぎ〜。


ほのぼのした気持ちになれる、元気をもらえるような1本。