ザ・90年代…!!ボンクラ大作がひしめき合う中、たまーにキラリと光る作品が。
「エグゼクティブ・デシジョン」はカート・ラッセル主演の”ハイジャックもの”。「スピード」などに比べると、華も完成度も俄然低いのですが、ドキドキ・ハラハラのシチュエーションづくりが上手く、大好きな作品です。
ゆるーくストーリーを振り返りながら、見所を語っていきたいと思います。
神経ガス・DZ‐5を積んだジャンボ旅客機がテロリストに乗っ取られた…!!要求は仲間の解放と金塊。「アメリカ領空に入る前に撃ち落とせ」。そんな指示が出る中、陸軍中佐グラント中佐(セガール)に、情報分析官グラント(カート)を加えた極秘チームが結成された。
まず、カート・ラッセルが事務職というのがいい…! 80年代の彼は、ワイルド・クールキャラが似合っていたかもしれないけど、40代後半のカートはご本人がもってそうな、優しい・穏やかな雰囲気のキャラが似合っているのでは!?なんて思います。
ちなみにパーティー中に急に呼び出されたカート・ラッセルの衣装はずっとタキシードのまま。
こういう気の利いた掛け合いがたくさんあるのも嬉しい。
そして本作序盤の最大の見所は、空中ドッキング…!! なんと特殊戦闘機で、ジャンボ機の下に近づき、ドッキングして部隊を潜入させ、航空機を奪還する…というとんでもない作戦が展開されます。
しかし…!!ここで超ハプニングが起こってしまい、なんとセガールが空に散る…!!カートとセガールの2大スターで暴れまくるのかと思いきや、意外な展開に引き込まれます。
そんなこんなで、潜入できたメンバーはたった6人。爆弾解除チームとテロリスト制圧準備チームに分かれて行動開始。
この「エグゼクティブ・デシジョン」、通してみると、テロリストとの戦いシーンはほんのわずか。作中のほとんどは「機内の隠密行動」で、このドキドキ・ハラハラが最高に面白く、頭脳派のカートが”決断力”で危機を乗り越えていくのがイイのです。
そして…!!爆弾解除シーンも素晴らしい。そもそも爆弾解除されるシチュエーションなんてハイジャックしてたら想定してないでしょーが!!と思うんだけど、とんでもなく凝りに凝った爆弾装置がでてくる(笑)。
しかもそうこうするうちに、遠隔操作で爆発させるリモコンを持っている人物が400人の乗客の中に紛れ込んでいることが発覚…! 「犯人はこの中にいる!」 客室乗務員・ハル・ベリーの助けを借りて、探索が開始されます。
果たして爆弾は解除できるのか…!ホワイトハウスは領空内に入ってもジャンボ機を撃ち落とさないでいてくれるのか…!もう時間がない…!
結末まで「おお!」という展開の連続で、大満足のラストで終わってくれます。
こないだスタローンの「クリフハンガー」をみたときも、機内でごく普通に発砲してたけど、この作品もけっこう大胆にバンバン撃ってました。神経ガス積んでんのに大丈夫なの?! なにより、どうやってテロリストが銃持ち込めたのかよく分からん。
面白いから、ま、いっか。
製作は「ダイハード」「リーサルウェポン」シリーズなどでおなじみジョエル・シルバー。監督はアクション映画の編集を数多く手がけているスチュアート・ベアード。
ちょっとアレンジしただけで「L.Aコンフィデンシャル」の曲になってしまいそうなジェリー・ゴールドスミスの曲も耳から離れません。
タイトルがちょっと言いにくいのが欠点かな。でも、21世紀の今観てもかなりオモロかったです…!!