どうながの映画読書ブログ

~自由気ままに好きなものを語る~

「天使にラブ・ソングを…1&2」…クリスマスシーズンに観たくなる最高のコメディー

ザ・鉄板…!…ですが、個人的にクリスマスシーズンになると観たくなる映画。笑いが古くなることなく、ストーリーが完璧で、一緒に歌いたくなっちゃう。

3作目の噂が流れる中、1が最高だったけど、2も悪くなかったなーと、2作まとめて振り返ってみたいと思います。

 

●1作目

天使にラブ・ソングを… [Blu-ray]

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ラスベガスのクラブ歌手・デロリスは殺人現場を目撃、修道院に匿われ、尼僧として生活することに。このストーリーだけでもうワクワク。

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冒頭のクラブシーンでの歌がMy Guy→My Godに、I will follow him の”him”が主イエス・キリストに…と粋なアレンジが掛かって再登場するのがあっぱれ!

 

歌が上手くてびっくりのウーピーはこのとき37歳だった模様。

修道院生活に全く馴染まないデロリスに爆笑ですが、シスターってこんな生活を送っているの!?みたいなカルチャーギャップが面白いですね。

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食事の祈りの場面、…うろ覚えですがテレビの日本語吹替は〝おまんま食べなきゃみんな飢え死に〟とかかなり大胆だった気が。

 

そんなデロリスに任務が与えられ、聖歌隊の指揮者をやることに。とにかく可愛いおばあちゃんがいっぱいの聖歌隊

でもメインで絡んでくるのは、ノリノリで陽気なシスター・メアリー・パトリックと、大人しい雰囲気のシスター・メアリー・ロバートの2人。

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メアリー・ロバートの甲高くないけれど突き抜けてくるような歌声が聴いていて本当に気持ちイイ。1人だけちょっと違う修道院服も可愛い~。

 

昔は歌われている曲も含めて映画が全部つくった…みたいに思っていたけれど、

●My Guy・・・スモーキー・ロビンソン作曲。1964年にメアリー・ウェルズが歌いヒットした曲。

●I will follow him・・・1963年にペギー・マーチがカヴァーしてヒットしたポップス曲。

…と、過去の有名ヒットソングの利用だったのですね…!

 

また冒頭デロリスが3人組で歌う姿は、シュープリームスそのもので、開始1番に歌う「Heat Wave」も、モータウンからリリースされたR&B。子供の頃はなにも考えず観ていたけど、人種差別を乗り超えて音楽界をリードした過去の先駆者たちへのリスペクトみたいなのがあるのかなあと思います。


曲のアレンジに不愉快そうなのは、マギー・スミス演じる院長。

デロリスを匿ったこの教会はカトリックで、ゴスペルはルーツがプロテスタントで…宗教的なこともあまり分かりませんが、〝自分と異なるものを受け入れる〟みたいな物語性も感じます。

伝統を大事にしたい&世俗から離れてこそ聖職者という思いと、信仰は自由でいい&外の世界と関わってこそ人助けができるという思い。

この2人がお互いを認め合って和解するというストーリーがあったかいです。

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毒舌マギー・スミスとウーピーの掛け合い、ホント面白い。

最後はマフィアのボス、ハーヴェイ・カイテルを無事逮捕、ローマ法王も大満足のハッピーエンド。エンドロールは、アイズレー・ブラザーズの大ヒット曲「Shout」のカヴァーが流れておしまい。

 

そして1作目の空前の大ヒットを受けてつくられた2作目…!
昔は2は1よりつまらん!!と思ってましたが、観返してみるとこちらもなかなかイイです。

 

●2作目

天使にラブ・ソングを2 [Blu-ray]

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ベガスの人気者になったデロリスは、かつてのシスター仲間に呼ばれ、母校を救うというミッションを受けます。

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音楽の先生となり教室を訪れると、教室は8マイル状態…!

でも見た目で判断するなかれ…みんなとってもいい子たち!! 確かに服装はチャラめで授業への意欲は低めですが、人種関係なく仲良く打ち解けあってて、はぐれ者のいないクラスって超平和なのでは…?

アメリカの荒れてる学校といえば、もう差別といじめと、銃と麻薬と…って勝手にそんなイメージがありますが、この学校の子たちそんなに手を焼く!?なんて思っちゃう。

しかしストーリーはザ・テッパンで、新しい先生の下クラスが団結、しかし学校閉鎖の危機が…という日本のテレビドラマみたいな感じ(笑)。

後半はゴスペル大会に出ることになって、生徒たちの才能が開花…!っていうか皆んな歌うますぎ!!

 

印象的なのは、やっぱり「Oh Happy Day」のソロをハイトーンボイスで歌うライアン・トビー。

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「黒人のマネするな、ジャズ、ロック、ラップ、次は何を盗む?」という名言が炸裂。

そして18才のあどけない感じのローリン・ヒルがキュート!!

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ママに反対されてて歌を歌えない…という王道ストーリー。

ローリンと一緒に歌ってたショートカットの女の子もめちゃくちゃ歌上手くてカッコよかったし、デ・ニーロとレイ・リオッタ足した感じのラップ担当の男の子も面白かった。クラスメイトが皆キャラ立ってていい感じ。


「人間には好みというものがあるわ。」(私は)「音楽ならなんでもありってことよ。」というデロリスの台詞にあるように、色んなジャンルの音楽を混ぜつつ自分のスタイルを確立する…差別のない多様性みたいな超ストレートなテーマを感じますが、全く飾った感じがなく、ポジティブに受けとめられるところがこの映画のすごいところ。

ラストは、「歓びの歌」(Joyful, joyful)を大胆アレンジ、皆んな自由な服装で、思い思いにシング!!

なんか日本だと第九=年末のイメージがありますが、これって日本特有みたいですね。個人的には、ダイハードのイメージでクリスマスソングかも(笑)。

 


今回は冒頭のデロリスの歌唱シーンもR&B・ソウルのオンパレードで、シスターたちの歌う曲も含めてブラック・ミュージックの色合いがより濃いという印象を受けます。

●シスターたちが地域交流で歌った”攻めてるミュージカルっぽい曲”はBall of Confusionというテンプテーションズの1970年のヒット曲。(オリジナルをyoutubeで聴いてみたらめっちゃカッコよかった)

●寄付金集めでデロリスが熱唱したのは、マーサ&ザ・ヴァンデラスの1964年の大ヒット曲、Dancing in the street。作曲はマーヴィン・ゲイ

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洋楽に詳しくなくて分からないのですが、熱唱してうずくまるのは誰のマネなんでしょうか。公民権運動の中歌われた歌みたいですね。

皆でAin't No Mountain High Enoughを熱唱するエンディングもおしゃれで観ているだけで元気が出ます。

 

お話的に”2は1より退屈”…という印象が強かったのは、「デロリスの正体がバレたらやばい!」というドキドキ感がゼロになってしまっているところと、マギー・スミス成分の不足かも…。

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まさにウソも方便で綺麗に事を収める院長。

でも改めてみると、2作目は2作目で、音楽盛りだくさんの王道青春もの…!いい作品だなーと思いました。

 

自分は「宗教が原因で人間争いまくっとるがな!」とか思っちゃったりするひねくれ者だけど、優しいシスターたちが集まって、音楽の力で地域が団結していく…というこの作品は、なんにも考えず明るい気持ちになれるなーと思います。

 

ウーピーも90年代ムービーの大スター。「天使にラブ・ソングを…」はファンがいっぱいいるし、今も視聴率とれそうだよ!!なーんて。またテレビ放映してくれるといいのにな~。