空を見ろ!スーパーマンか!?アイアンマンか!?いや、ロケッティアだ!!
1991年のジョー・ジョンストン監督によるSFXアドベンチャー。
アメコミが原作ということでそれっぽい雰囲気なのですが、1938年の飛行場を舞台にしていて、いい具合にワクワク感の詰まった作品です。
スタントパイロットのクリフ(ビル・キャンベル)は、ある日謎の背負い式ロケットを格納庫から発見。
なんとそれはハワード・ヒューズのつくった、背負うだけで空を飛べるというシラスX-3の試作品。政府が兵器利用しようとしていた産物でした。
やがてクリフは、ロケットを取り返そうとするFBIと、謎のマフィアに後を追われ、三つ巴の戦いに…!?
クリフ役は爽やかな感じのイケメンですが、特殊能力を持つわけでもなく、一般人のパイロット。
頭部ヘルメットは親友のメカニック(アラン・アーキン)が改造。
パイロットの服装+鉄仮面という不思議な組み合わせが意外に格好よく、フィギュアにもなっているので、今もささやかに人気があるみたい!?
アクシデントに遭ったプロペラ飛行機を救うため、空を飛ぶロケッティアのシーンは開放感たっぷりで、個人的には「アイアンマン」(1作目)の社長の飛行シーンに負けてないと思います。
またクリフの恋人で、女優を目指すジェニー役にはジェニファー・コネリーという豪華配役。めちゃくちゃ美人ですが、2人の恋愛ドラマはフツーな感じ。
美男美女な主役カップルより意外に印象的なのは、4代目007だったティモシー・ダルトンが演じるシンクレア。
ハリウッドの売れっ子俳優という役どころですが、なんと正体はナチスのスパイでロケットを引き渡そうとしていたという悪党。
ちょび髭で悪役をさりげなく主張しているのかと思いきや、実際にナチスとのつながりが噂されたエロール・フリンがモデルなんですね。
ホントに怪しかったのかなー、それとも素行が悪かったらしいから、そんな噂が立っちゃったのかなー。
ハリウッド・スターが悪役で、最後ハリウッド・サインに突っ込むとこなんて、なかなかアクが強いけど、ここも面白かったです。
そして、映画界&飛行業界といえば…なハワード・ヒューズその人も登場。「アビエイター」でのイメージとは程遠く、本作ではただの気の良いおじさんにしか見えません(笑)。
ラスト主人公に「ビーマンのガム」なるものをプレゼントするところも、改めて観返すと気になりますが、これも実在したもののよう。
ガムを噛むと耳鳴り防止になるとか、胃酸が増えて飛行船酔いにきくとか、色々迷信もあってパイロットに重宝されてたみたいで、このガムが敵を倒す一手になるところが粋ですね。
おっきな飛行船、プロペラ機とヘリコプターが合体したような見た目のオートジャイロの登場など、とにかく舞台装置がカッコよく、ドキドキさせられた作品です。
昨今のヒーローものと比べれば、断然弱いし、物語もゆるっとしてる…!!…けど夢のような力が手に入る=空を飛ぶ…というワクワクがシンプルに伝わってくる、このジャンルの良作だと思います。