どうながの映画読書ブログ

~自由気ままに好きなものを語る~

「ハッピー・デス・デイ」1&2 …どっちも面白かった!!

話題になってるだけあって面白かった!!

マスクを被った謎の人物に殺される1日を何度も繰り返すタイムリープ・ホラー。

延々と同じ日を繰り返す閉塞感に精神を蝕まれていく恐怖。それでもひとつの目的を何としてでも達成しようとするひたむきさ。

ループものは結構好きなジャンルだけど、この「ハッピー・デス・デイ」はとにかく軽かった。

主人公がかなり強いタイプな上、「死の痛みの描写」が皆無なので、死ぬ恐怖というものがまるで伝わってこないのですが、疾走感を重視したこのつくりもありかーと、ホラーというよりライトSFコメディのノリで楽しんで観れました。

 

主人公ツリーは、妻子ある男性と堂々不倫もするわがまま女子大生で、「死んでもあまり可哀想と思えない」キャラクターだったのは、ホラー映画の法則を逆手に取ったような設定でよかったです。

痛い目をみて改心し!?果敢に敵に立ち向かう姿にちょっとずつ惹かれていきました。

続編は蛇足かなと思ったら、意外に健闘していて両方ともよかった!!

 

↓ ↓ 以下盛大なネタバレで語っています。


【1作目】

「犯人は誰だ!?」…当てずっぽうに考えを巡らせながら鑑賞するのがこういう作品の醍醐味。

まず疑ってみていたのはカーター。

普通なら一蹴するであろう主人公の話をきいてくれて、いい奴すぎて怪しい…と思っていたらツリーを庇って殺人鬼に首ボキッとやられて、ええっー。

「カーターのいない世界線には戻らないわ!!」ツリーの死にっぷりがカッコよかったです。

ビッチ女&童貞オタク青年はなぜか萌える組み合わせ。

部屋に「ゼイリブ」「レポマン」のポスターを堂々貼り、「恋はデジャブさ。」と事件を総括するただの好青年でした。

 

カーターのほかに疑っちゃったのはお父さん。家族が犯人という鬱展開をついつい期待。

でも実物がようやく出てきたら、どう見てもいい人でこれはないかなーと。

 

そんなこんなでツリーが眠るように死んだとこから「あっ!ケーキか!」と真犯人ロリにやっとこさピーン。

ポスタービジュアルがあのカップケーキだったので、この人が犯人ならなんか露骨だなあと思って逆に疑わなかったのですが…。

ツリー、相当のクズだったし、ルームシェアなんかしてたら殺意わくかも(笑)。犯人の言い分をちょっと聞いてあげたい気持ちになりましたが…

 

「彼に手を出すからよ。」

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えっ、あなたもコイツと付き合ってたの??

教授が1番のクズやん!!

途中のリープ過程でツリーが別れを切り出したら「お前に単位はやらん」って、ゲス極まってたなー。

 

病院に収監された連続殺人鬼が犯人だという展開は、どう考えてもミスリードだろうなあ、あんな凝ったオルゴールまで用意してどう考えても怨恨だよ、と思いつつも、お話がよく練られていました。 

 

ループするたびツリーが衰弱するっていう設定が、もう強すぎて全く危機感がなかったのと、日付またいだらその身体は治るってことでOK?…と細かいところは気になってしまいましたが…

死の恐怖は薄くても、繰り返すループの閉塞感はよく伝わってきて、裸で校庭歩いちゃうとことか自暴自棄な感じが出てて良かったです。

 

続く2作目、なんならあのクズ教授がハッピー・デスしてほしいわ、と思いながら鑑賞。

 


【2作目】

ハッピー・デス・デイ 2U (字幕版)

ハッピー・デス・デイ 2U (字幕版)

  • 発売日: 2019/09/20
  • メディア: Prime Video
 

それにしても2Uってタイトル、なんてシャレがきいてるんだ!!

 

視点を変えつつ前作のすぐ後だと分かる話のスタートに上手いなあと感心。

そして前作の停電の描写を〝前から考えてましたけど〟といかにも伏線のように活かす豪胆さにも感心。

物理学部がなんかすごい装置作ってた!!

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この大学、生徒の学力に差がありすぎないか??

 

なぜツリーがループ世界の〝観測者〟になっちゃうのかよく分からないけど、なんやかんやで主人公に戻ってくる。しかしそこは別の世界線

「死んだお母さんが生きているこの世界線に残りたい」と悪戦苦闘しますが、結局自分の生きてきた過去は否定できないということで、元の世界線に戻ることに。

このあたりのドラマは感情移入できるように出来てましたが、途中わざと死を繰り返すツリーがコメディすぎて、なんでそんなにわざわざ痛い死に方するのよ(笑)。

そして相変わらず強すぎて全然弱ってるようにみえない…!

 

元の世界に戻る前に、こっちの世界線の殺人鬼始末しといたるわ!!と思い立って挑みにいったところ…

この世界線の犯人はお前かー!!

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まさに次元を超えるクズ。奥さんもサイコパスやな。


しかし…最後ツリーが戻った世界線では、やっぱりロリは殺人犯で、2人は殺し合った仲なんですよね。

こっちの世界線では、少しだけこころを通わせる…。

 

多次元宇宙論の世界観はやっぱり面白くて、天国とか地獄は信じられないけど、パラレルワールドの設定はロマンがあるなあと心惹かれてしまいます。

並行世界がいくつもある中、人の生死や行動の善悪がその中で違っていたりする。

人はちょっとしたことで悪い方向にも良い方向にも行き得る…。

それでも自分は自分の世界を一生懸命生きて、その中にある人との関わりを大事にしなくちゃいけない…。


この作品は相当軽くコメディよりだったけど、ループものの面白さ、ドラマ性は上手く活かしてるなー、と引きこまれました。

2作目は最早ホラーとはいえないし、犯人探しの面白さと疾走感は大幅ダウンしたものの、前作のキャラクターへの強い愛を感じさせつつ全く同じことはしないという気概もあり、1・2併せてとても楽しく観れました。

 

主演の女優さん体当たり演技ですごく良かったですが、「ララランド」でエマ・ストーンと一緒に踊ってた4人組の人なんですね。


エンドロールのあとにも一悶着あって、もう1作作る気満々な感じ。

隣の世界線では「奇跡の人」やって協力してくれたし、ダニエルそこまで悪い子じゃないと思うんだけどな(笑)。

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ひと時とはいえ彼氏とられた腹いせかな。

3も出来たら観たいですね。