こんなセクシーな美女が〝キス〟も知らないなんて!?
アホかー!!とツッコミたくなる80年代おバカSFコメディ。
科学者のスティーブは、地球外生命体の存在を証明しようと実験を行うが、アクシデントが起きて、92光年離れたある惑星が滅亡の危機に晒されてしまう。
そこで惑星の長老たちは、美人エージェント・セレスタを派遣し、スティーブに再度実験を行わせようとするが…。
UFOといえば円盤といういかにもなデザインの宇宙船が出現。
しかし襲来したエイリアンが金髪美女のキム・ベイシンガーだったので、皆ハッピー!!
流行が分からずボディコン・ファッションでキメてくる、謎の運動神経でくるくるバク転するシーンのアホらしさに笑ってしまいます。
キム・ベイシンガー演じるセレスタたち宇宙人は、人類の遥か先を行く文明を持っているらしいのですが、合理性を突き詰めた結果、性行為もしなければ食事らしい食事もせず、感情というものをとことん排除したのだといいます。
でも身体のつくりとかはほぼ人間と同じという謎…。
スティーブに取り入るため急接近するも、キスが分からない!というので、参考映像を横目に見ながら、やたら長いキスシーンを演じる場面が、滑稽すぎる。
セックスの前には相棒の〝謎のカバン〟が学習のためとアダルトビデオをポンポンと口から吐き出す…ナイスですね!
相手役のダン・エイクロイドもさえない科学オタク感が漂っていてハマり役。
奥さんを亡くして、13歳の娘&ワンちゃんと3人暮らしの子持ちパパという設定も、ガツガツした恋愛ドラマに寄せてなくていいけれど、出会って1日で結婚を決意してしまうのはどーなんだろう。
でも本作の邦題は「My Stepmother is an Alien」。
キム姉さんと娘ちゃんの交流もちょっとあって、ほっこり。
娘役のアリソン・ハニガン(バッフィーのウィロー)がまた素朴で可愛くていい子!!
キム・ベイシンガーにとってはセクシー路線を求められてばかりのキャリア期だったのかもしれませんが、いやらしくない、不思議と母性を感じるエロス??です。
元々ウィノナ・ライダーがやるはずだったという「バットマン」のヒロイン役も、あの根暗バットマンを受けとめる姉御肌っぽさがよし、原作のキャラ設定よりずっと年上だけど起用された「LAコンフィデンシャル」のリン役もトラウマ抱えた刑事たちを包み込む母性的な美しさが光っていました。
本作では衣装をみるのも楽しく、何着てもサマになってて綺麗!!
スティーブと恋に落ちたセレスタは無事再実験を成功させるも、ボスの長老たちが地球を危険視し滅ぼそうかと検討しはじめますが…地球の素晴らしさを伝えようとダン・エイクロイドの「サタデー・ナイト・ライブ」な物真似が炸裂!!危機感ゼロのどこまでもゆるい雰囲気にほっこり。
宇宙人たちの文明は調和のとれた争いがない世界というけれど、それはそれで色んな楽しみを破棄したものなんですね…なんか深いような…。
馬鹿げた面倒なことやぶつかったりもあるからこそ人生は楽しいんだ!!と不思議とすべて肯定されたような気持ちになる、能天気だけど心癒される作品です。