中学生の頃だったか、テストを終えて帰宅したらサンテレビ(※兵庫県のローカル局)で真っ昼間に放映してたのをなぜか鑑賞。
屋敷に悪霊取り憑いてる系ホラーかと思いきや、家の扉が異空間と繋がってる!?とファンタジー要素あり、登場人物もどこか間が抜けててあんまり怖くない…普通のホラーと異なる雰囲気に引き込まれました。
主人公ロジャー(「キャリー」のトミー役、ウィリアム・カット)は人気ホラー作家。
自殺した叔母の屋敷を相続しますが、そこは幼い息子が謎の失踪を遂げた因縁の場所でもありました。
部屋には絵描きだったという叔母さんが描いたキテレツな絵があったりして雰囲気バツグン。
ロジャーは屋敷でベトナム戦争での自身の体験を執筆しようとしますが、ある日叔母の亡霊が現れ、「この家は何もかも知ってる」と警告めいたものを残していく…。
そして夜中12時になるとクローゼットから化け物が…ギャァー!!
でもグロいってほど生々しくもなく、コミックに出てきそうなデザインの着ぐるみ感あるモンスターであんまり怖くない。
その上普通に物理攻撃に弱く、さすがアメリカ、物置から銃を取り出し撃ち殺す主人公、さらには完全武装してバトルを繰り広げる…!!
ここにお隣さんが絡んでくるのがまた面白いのですが、1人は太っちょのハロルド。
いきなりお宅侵入して夜食を差し入れという距離感のなさ。でも根はいい人なのか心配してくれてる様子。
もう1人は謎の美女、ターニャ。
「死んだ叔母さんが入っていいって言ってた。」とよそ宅のプールに勝手に入る、夜いきなり息子預かってくれと押しかけてどっか行く…とマジで訳わからん。
でも主人公になつく男の子が可愛くてほっこり。
呪われた屋敷系かと思いきやご近所さんの押しかけで時々ゆるーく笑わせにくるのが謎です(笑)。
夜中執筆しているロジャーは時々ベトナム戦争での体験を思い出します。
負傷した仲間ビッグ・ベンから「楽になりたいから殺してくれ」とせがまれるも、出来ないと救援を呼びに行った矢先、ベンはベトナム兵士たちの捕虜に…。
PTSDに苦しむロジャーの妄想系ホラーなのかも、と思わせる演出で、屋敷系ホラーと戦争場面が交錯するというのがとにかく斬新でした。
途中撃ち殺したモンスターが離婚した妻に変貌する場面にはドキッとさせられ、やっぱり男の潜在意識を描いたサイコ・ホラーだったのかと思いきや…
こういう伏線を一切回収せず、隣人と協力して怪物を追い払い、さらには行方不明だった息子を見つけ出して助けるというアドベンチャーな展開へ突き進んで行きます。
屋敷はモンスターのいる異空間とつながっていた&住んだ人間の心の闇を取り込んで怪物や幻覚をみせてた…みたいな設定なのかな…。
一切なにも説明されなくて、投げっぱなしですが、ミステリアスなのが逆に楽しいです。
キャビネットの中が真っ暗な異空間に繋がってたという場面には、ワクワクしますね。
最後にはかつての戦友ビッグ・ベンの亡霊と対決!!
ベンを倒すことがトラウマの克服&屋敷への勝利となったのかよく分からんけど、すっきりするエンディングもまたよし。
製作は「13日の金曜日」で知られるショーン・S・カニンガムですが、スプラッタはなく、ホラーとしては恐怖度薄めかも。
でも見せ方が面白く、一度観たら忘れられない、鮮烈にのこる作品でした。