ドラゴンvs人間…!!
2002年の作品ですが、クリスチャン・ベールとマシュー・マコノヒーという今ではオスカー俳優となった2人が豪華共演、おまけにこういうバトルがとことん似合いそうなジェラルド・バトラーも参戦というキャストが魅力的な1作。
2010年のロンドン。ある日突然1匹の竜が地下から現れ、爆発的に増殖し、火を吐きながら街を焼き払った。
なんと6500万年前に恐竜を絶滅させた竜が長い間眠っていたのだという。
核兵器も通じない強靭な鱗、獲物を敏感に察する探知能力…10年後、荒廃した世界で生き延びた人間たちは静かに滅亡を待つばかりであった…。
どうやってドラゴンが世界を制圧したのか??その部分をニュースや新聞のイメージ映像でやり過ごすというとんでもない手抜きに圧倒されます。
もうこれなら舞台を中世とかにしとけばよかったんじゃないの、と思ってしまいますが、砦で細々と生活する荒廃した未来の雰囲気は悪くなかったりして。
そしてなぜか子供がやたら多いこの砦、夜には子供たちに劇を演じて見せるのですが…
テレビもないから「スターウォーズ」を後世に残そうと必死…!!クリスチャン・ベールのダースベイダーの物真似、なんて貴重なんでしょう。
どこかB級映画臭を漂わせる中、アメリカ軍の生き残りヴァン・ザン(マコノヒー)一味がどこからともなく現れ、サラマンダーを倒すため共闘することに。
しかしこの肝心のサラマンダーが魅力に乏しい残念モンスター。
どういう習性なのか肝心な部分が明らかにされないままご都合主義的に設定が披露されていくだけで、いつ襲ってくるか分からない恐怖とかが全然伝わってきません。
しかも核兵器でも倒せなかったというのに、爆薬つけたボウガンで内臓を傷つければ倒せる…ってモンスターハンターじゃないんだからさ…。
極めつけは「最初に現れた始祖の1匹を倒せばすべてのドラゴンが滅ぶ」…なんの魔法効果だよ、とツッコミが止まりません。
しかし、主演2人をはじめ人間サイドが仕掛けるバトルはカッコよく撮れていてポンコツ映画と切り捨てるには勿体ないところも。
マコノヒー部隊が空からパラシュート付けて落下し、金網広がる銃弾定めてドラゴンを捕縛しようとするところはすごいワクワクします。
戦車改造されたような車、ドラゴンの吐く炎にも耐える防火スーツ…細部でいいなーと思うところはちらほらあって、怪獣vs武器持った人間のガチンコバトル、この部分だけを煮詰めればもっと面白かったんじゃないかなー。
この作品、時期的には「リベリオン」と同年公開で、ビデオ屋さんに一緒に並んでて借りた気がするのですが、「サラマンダー」ももうちょっと頑張れば「リベリオン」クラスになれたかも!?とすごく惜しく思われる映画でした。
ちなみに「サラマンダー」ってタイトルは、本編のドラゴンのことを指すわけでもなく、日本の配給会社が勝手につけたみたいですね…。
そんなところもポンコツ大作感が漂う、でもなぜか憎めない1本です。