ヤンチャ坊主チャーリー・シーンとミステリアス美女ナスターシャ・キンスキーが怒涛のスカイアクションで魅せる…!!
画質ゴミのDVDしか出てませんがどうしてなかなか光る90年代アクション映画だったのではないかと思う1本です。
チャーリー・シーン演じる主人公、ディッチ・ブロディはスカイダイビングのインストラクター。
ビル街で勝手に空中スタントして訴えられるというかなりのお騒がせ者。
↓↓パリピな衣装で派手に登場。
めちゃくちゃ本人っぽいキャラですね。会ったことないけど。
ある日ディッチの職場に「初心者だけどスカイダイビングやってみたい」という美女クリス・モローがやって来ます。
ウハウハで付き添うチャーリー・シーンでしたが、上空6000メートル行った矢先、クリスの一声でふと外に目を離すと彼女はなぜか1人で落下!!
慌ててディッチも後を追いますが、なぜか安全ベルトも作動せず彼女は地面に叩きつけられて死亡してしまいます。
手の込んだ自殺だったのか何なのか…事件性を疑われディッチの下には警察や検事がやって来ます。前半はヒッチコック・サスペンスみたいで面白い。
事故当時周辺を映していたというビデオテープを確認するともう1体飛行機が近くを飛んでいたことを発見、その機体を追うと死んだはずのクリスが…!!
先の事件のトリックは「飛び降りたと見せかけ飛行機の尾翼に捕まり、別機が既に死んでいる遺体をフェイクで落とした」というものでした。
しかしなぜそんなことをしたのか語られないまま、「私が生きてるって警察に証明したかったら言うことを聞きなさい」とナタキン様が無茶を要求。
謎の基地に潜入して謎のシリンダーを回収してくるよう命令されます。
この辺の展開は実にザルですが、お姉様キャラのナタキンがアホの子チャーリー・シーンをいいようにこき使うという画がただただ楽しいです。
「GS美神」の美神さんと横島くんのような…「チェンソーマン」のマキマさんとデンジのような…
儚く妖艶な美しさのナタキンですが、本作はテキパキしたカッコいいミステリアス美女がハマっています。
無事目当ての物品を回収したかと思いきや、敵に囲まれ銃撃戦になり、気前よく大きな銃火器がたくさん登場。
「5つ数えるわよ。」「1、2…4!!」「3は?」「時間がないの!!」
アホみたいな掛け合い、今みるとめっちゃ「ナイト&デイ」やな。
そしてたまたま近くにあったロケットエンジン搭載のテスト機に乗り込みます。
時速560キロ、重力を食らいながらレールあるとこギリギリまで行って脱出!!
迫力のシーン。
2人の逃避行が始まり身の上話が披露されますが、ナタキンはロシアの元KGBだと判明。
「ロシアに行ってみたかった。本当はオリンピックで金メダルを取るはずだったんだ。」…実は元体操選手だったというディッチの過去も明かされます。
一方肝心のシリンダーの中身はロシアが秘密裏に着陸させたある飛行機の飛行記録を載せたものでした。
その飛行機には大量の金塊が載っていて、ナタキンの仲間の元KGBの面々が強奪しようとしているのだといいます。
「奴らが権力を握ったらまた冷戦に逆戻りよ!!」007然りソ連崩壊後の90年代映画って敵役いなくなって困ってるのかと思いきや色々考えるなあ。
しかし!!ここまでアホの子だったチャーリー・シーンなぜか急に賢さがアップ。
「今まで君を抱きたいと思って黙って聞いてたけど、その話ホントだって証拠あんの??」
疑うことは大事だけど言ってることクズやな。
そんなディッチを見捨てて世界平和のために1人敵に向かっていくナタキン。
残ったディッチでしたが、彼女が自分無罪の証拠を用意してくれていたことを知って、彼女の後を追いかけます。
ここからが超絶怒涛のクライマックス…!!
金塊とナタキンの乗った軍用機を小型飛行機で追っかけ、まさに体操選手な技で敵機に乗り込むチャーリー・シーン。
トランクに閉じ込められて車ごと飛行機から落とされてしまうナタキン。パラシュート着込んだチャーリー・シーンが自分も死にそうなのに必死で助ける…!!
落ちる彼女を助けられるか、冒頭を見事に再現し、念願のタンデムジャンプを達成!!
着地地点が断崖絶壁&風力発電の風車地帯というロケーションで、ハラハラドキドキ連続の贅沢なミルフィーユになってるのが素晴らしいです。
敵機は間抜けにエンジン損傷して落下しますが、最後にボス役ともう一悶着あるのがしつこい90年代映画っぽい。
ラストのこのスカイアクションシーンだけでもう大満足な映画です。
ラストはナタキンの故郷だというロシアへ行き、国家を救ったと2人とも叙勲されます。
「スターウォーズエピソード4」くらいファンタジーやな!!とツッコミたくなりますが、しかし金メダル欲しかった元体操選手が念願のメダルゲット…上手い、座布団3枚!!と称えたくなってしまいます。
監督はずっとジョン・バダムだと思ってけど違った。
脚本はデヴィッド・トゥーヒー…ってこの人「アライバル/侵略者」の人だ!!
脚本の段階からチャーリー・シーンを使うって決めてたのかな、と思う位彼のキャラを生かした映画でしたが、意外な主演の組み合わせが美味しい1本でした。