ジャッキー・チェン、ユン・ピョウ、サモ・ハン・キンポーの3人が結集。
ジャッキー単身の魅力、アクション的な見所でいうとベスト映画にはきっと他の作品が選ばれるのでしょうが、3人揃っての魅力、掛け合いがとにかく楽しく元気しか出ません。
85年公開の本作はジャッキーが世界進出をかけた1作だったということで舞台はスペインのバルセロナ。
キッチンカーを営むジャッキーとユン・ピョウのいとこ同士はパン屋の2階に住んでいますが…
2階から日差しをトランポリン代わりに勢いよく出勤するシーンを見ているだけでワクワクしてきます。
そして景色が美しい広場にて、スケボーを乗りこなしつつ颯爽とオーダーをとっていくジャッキー、カッコいい!!
エンディングみるとメチャクチャ苦労してるみたいですが…
タイトルにもなっているスパルタン号は、三菱の車を改造したもので、謎のハイテク技術でボタンを押すとキッチンカーに大変身。
広場をたむろする不良軍団との戦いもベタベタながら気分爽快になります。
そして2人はある日謎めいた美女・シルビアに出会い一目惚れ。
清純な美貌に反し、夜は娼婦、しかし客を相手にスリを行なっていて…と峰不二子のような女泥棒がヒロイン。
「身体目当ての男なんて碌でもないから盗んでオッケー」の言い分が清々しいです(笑)。
ジャッキーもユン・ピョウも彼女にメロメロになりますが、どこか冷静なジャッキーに対し、騙されても一途なユン・ピョウが可愛いです。
しかしシルビアを付け狙う謎の怪しい男たちが…
探偵事務所に勤務する間抜けな助手、サモ・ハンが合流して真相が明かされていきますが、なんとシルビアはとある伯爵の隠し子で遺産相続を狙う伯父に狙われていた!!
サスペンス要素をはらみつつも、正直ストーリーはあっちこっちに話が飛んでめちゃくちゃ、緊張感もありませんが、アクションとコメディが途切れず進んでいくのがとにかく楽しいです。
サモ・ハンがデブ男を探しててなぜか周りの男も皆デブ、しかし皆から好かれていてお酒をひたすら振る舞われるシーンはコントのようで爆笑してしまいます。
精神病院とホームレスの居住地区に逃げ込むシーンは今の時代だとアウトになりそうな予感…精神病棟の患者の「不安定なこととバカなことは全く違う」という台詞は意外に深いような??掛け合いもいちいち面白いです。
クライマックスは敵陣にて3人がそれぞれ強敵とバトル!!
ジャッキーの相手は当時の格闘技世界チャンピオン、ベニー・ユキーデ。
背はジャッキーより低いけど筋肉の塊って感じの分厚いボデー。
スーツを一瞬で脱ぎ捨てるところ、サスペンダーをバチってやるところ、強敵感がこれでもかと漂っててカッコいい。
↑テーブルきききーっ からの回し蹴りで蝋燭全部消える!!のところはブルッとくる。
速い、みてるだけで伝わる重い蹴り…と2人のバトルにドキドキが止まりません。
銃は全く出てこず殺し合いのない平和な映画で、バトルだけを純粋に堪能させてくれます。
サモ・ハン・キンポーはフェンシングで敵と戦いますが、さすが動けるデブ、めちゃくちゃ機敏な動きにこちらにも見惚れてしまいます。
しかし伯爵役の俳優の代わりにユン・ピョウがスタントを務めたらしく、よくみると体型がいきなり変わってるし、顔も映ってる(笑)。
そんなところもまた可笑しいです。
サグラダ・ファミリアはポスターだとメインのロケ地みたいに見えるけど、実際はあんまり見せ場なし。
日本ではジャッキー1人推ししての宣伝だったのかな。
ジャッキー映画は日本語吹替の方がしっくりきますが、最も評価の高いフジテレビ版吹替は特別版Blu-rayにしか入ってないようで…広東語版はスペイン人も皆広東語を話しててこれはこれでオモロイかも。
朗らかで楽しく元気いっぱい、地上波でまたオンエアすればいいのにな、と思ってしまう1作です。