「キルビル」でGOGO夕張(栗山千明様)がブンブンまわしていた武器、空飛ぶギロチンなるものはこちらが元ネタらしいというのを知って鑑賞。
監督脚本主演はジミー・ウォング。
本格的なカンフーアクションがみれるわけでは決してなく、もっとファンタジーしてて突き抜けたB級感が最高です。
本作はシリーズ2作目で第1作に「片腕ドラゴン」というタイトルがありますが、こっちから観ても全然問題なく楽しめました。
昔むかし、中国のどこかの山奥にて…
清王朝がかつて抱えていた最高の暗殺者・封神は、愛弟子が片腕カンフーの使い手・チェンロンに殺されたことを知ります。
復讐を胸に誓う師匠、めちゃくちゃ強敵感漂ってます。
目が不自由だけど武器は飛び道具、鬼滅の悲鳴嶼さんみたいな方向性です。
しかし空飛ぶギロチンの武器がタランティーノがオマージュしたとだけあってめちゃくちゃカッコいい。
一見キョンシーが被りそうな可愛い帽子、しかし中には刃が仕込まれていてポーンと投げて相手の頭部にひっかけると…
容赦なく首チョンパ…!!血が一滴も出ない謎技術(笑)。
必殺武器を携えて早速街まで繰り出した師匠、食堂で片腕の男を見つけるやいなや刑を執行!!しかしうっかり人違い、相手はあの片腕ドラゴンではありませんでした。
「失敗した。」「まあいい、片腕は皆殺しだ。」
切り替え早っ!!さすがプロのメンタルは違います。
一方片腕カンフーのチェンロンは自ら営む道場にて門下生たちに慕われながら鍛錬を続けていました。
ある日鷹爪拳の師範から武術大会を開催するので参加してほしいと誘いを受けます。
「自分は名誉に興味がない」と片腕カンフーは辞退を決めるも観戦するために出席。
いろんな武流の人たちが集う少年漫画のような心ときめく一大イベントですが舞台はただの更地とやたら低コスパ。荒涼感があって素晴らしいです。
参加者たちは外国人も招いたため国際色豊か。
「田中、タイキックー」が脳内再生されるムエタイボクサー、ダルシムのように腕が伸びるインド人、山岸由花子みたいに髪の毛で攻撃してくる人、闘う女戦士と漫画みたいなバトルが立て続けに9試合も続くという圧倒的気前のよさ。
無刀流とかいう謎すぎる日本の侍も登場、相手を騙して隠し刃で攻撃するかなりの卑怯者。
しかしその試合模様をみていた片腕カンフー、「やるな、参考にしよう」…主人公なのにそんなこと言っていいんか?と思ってると後半とんでもないことに…
順調に進んでいた大会ですが途中でギロチン師匠が乱入、外国人勢はギロチンに味方し片腕カンフーに宣戦布告します。
迫り来る強敵を前に修行シーンが展開されるでもなく、静かに策を練る主人公。
棺桶屋の家屋をレンタルし隠し武器を用意…今から「ホームアローン」でも始まんのかという入念な準備。
敵の1人ムエタイボクサーを郊外の家屋に誘い込むやいなや、家の周りに火をつけると…
鉄の床面に熱伝導して裸足の相手はアチチ!!
とても武術家とは思えないやり口の主人公に呆然です。
さらにギロチン師匠との戦いは狭い家屋に引き摺り込んで鳥を放ち聴覚が混乱したところを狙い撃ちする…というとんでもない作戦が展開。
狭い空間での大バトル、師匠意外に接近戦も強くてカッコいいです。
↑事前に竹林を用意して刃を摩耗させるとかとんでもなく地味な作戦もやってますがこれが意外に効くっていう…
ギロチンの方が圧倒的にハンデが大きく終盤はどっちが悪役なのか複雑な気持ちになりますが、仲間の助力があって勝てた&冷静さを失わず頭使うのが大事!…ってことなんですかね。
片腕カンフーのアクションは一方の腕を隠すため圧迫して固定。腕の感覚がなくなったりして大変だったようです。
腕の伸びるキャラやありえなさすぎる跳躍力などCGのない時代によく撮ろうと思ったなー、とレジェンドになるのも納得。
腕折れてんじゃない!?と思うくらいやたら大きな効果音にも最初はびっくりですが、「すごい戦闘してる感」が醸されててクセになりました。
あまりの自由さにスカっとします。