どうながの映画読書ブログ

~自由気ままに好きなものを語る~

追悼ウィリアム・フリードキン「恐怖の報酬」再上映に行ってきました

先月亡くなられたフリードキン監督の訃報を受け、シネマート新宿さんが6日間限定で「恐怖の報酬」を再上映。

とても有難い企画で観に行ってきました。

愛情たっぷりのディスプレイ。

密林を再現してニトロまで設置…!!

まるで一緒に酒場にいるような…

恐怖の報酒(笑)、コラボドリンクも洒落ています。

 

今回の上映はブーストサウンドシステム。

2018年の上映のときにはなかった音響機器が設置されたらしく超ド迫力の音。

爆破音も雨の音も縄が軋む音も身体を突き抜けてくるようで臨場感増し増し。

吊り橋のシーンは改めて観ても息が詰まるような迫力で、流木が流れてきて不気味な音が鳴り響くところでまたまたギャーッとなりました(笑)。

よくこんな映像を撮ったなという全編貫く異常な熱量と不可能に挑む男たちの執念がシンクロして、ただたただ圧倒されます。

どん底に落ちてどうにか這いあがろうとしても次々に襲ってくる常軌を逸した困難…

大仕事をやり終えても逃れられない死がやって来て、手紙すら届かない…

人間の力ではどうしようもない無情な運命が描かれつつも、「努力は報われない」という徒労感に誠実さとともにどこか安堵感も覚えてしまいます。

途方もない恐怖の前では善悪なんて些末なものなのかも…悪党共が垣間見せる人間性に心奪われ、どえらい目にあっても道を進む人間の姿にすごい生命力を感じて、なぜか観終わった後は元気の出る!?作品です。

精魂尽き果てたようなラストのロイ・シャイダーの表情が最高でした。

 

先日は午前10時の映画祭で「エクソシクト」を鑑賞することが出来ましたが、時の流れを超えて劇場体験をすることが出来て感謝…!!

思春期に出会ったのもあって自分的ベストは「エクソシスト」ですが、映像的な凄さは「恐怖の報酬」が凌駕していて自他共に認める最高傑作ではないでしょうか。

大画面&大音量の劇場で観ることが出来て感激です。