個人的2より3が好きな続編。
スチュアート・ゴードンが監督したのは1作目のみ、2からはプロデューサーだったブライアン・ユズナが監督を務めていますが、怪奇SFホラー要素が減りエログロだけが色濃く残った低俗な続編。
「フランケンシュタインの花嫁」をオマージュしながらも登場人物がやたら多くやや散漫な印象だった2に比べ、3は刑務所が舞台に変わって勢いと新鮮味がアップ。
2003年の作品とはとても思えない質感で特殊メイクもたっぷり。
2までコンビを組んでいたダンは退場していますが、ウェスト博士のマッドサイエンティストぶりは健在、実に愉快な作品になっていました。
◇◇◇
前作から13年後…
死者を蘇らせ大騒動を起こしたハーバート・ウェスト博士は逮捕され刑務所に収監されていました。
他の囚人のペットのネズミをくすねて独房で実験を行うなど相変わらずの鬼畜っぷり。
モラハラ男とかそんなレベルを遥か超えたサイコパス野郎ですが、失敗を恐れず何度も挑戦するメンタリティ、やりたいことに一心不乱に打ち込む様子は眩しくみえてしまったりもして…
(虫ケラをみるような目で蔑まれてみたい)
そんなある日刑務所内の診療所に新米の医師・ハワードが赴任してきます。
13年前、ウェスト博士が甦らせた死者によって最愛の姉を目の前で殺されたハワード。
そこは普通博士を恨むとこだろ…と思いますが、少年だったハワードはウェスト博士の研究内容に興味を抱き、わざわざ彼の収監される刑務所に配属を希望してやって来たのでした。
思わぬかたちで協力者を得たウェスト博士は、ハワードの助手として刑務所医療を手伝うふりをして診療室を実験室に改造。
心臓麻痺で死んだ囚人を検体に利用し、ネズミの脳を電気ショックで刺激して抽出した謎エネルギーとあの蛍光グリーンの薬を同時に注入。
しかしネズミというのが良くなかったのか囚人は凶暴化、実験は失敗に終わってしまいます。
そんな中記者のローラ(エルサ・パタキー)が取材のため刑務所にやって来ました。
若く美しいローラをギラギラした眼差しで見つめる刑務所の所長。
(美女を電気椅子に座らせるプレイ)
しかしローラは若いハワード医師の方に惹かれて2人は付き合いはじめます。
「女は余計だ!!」と言わんばかりにその様子を苦々しく見つめるウェスト博士。
マッドサイエンティスト&エロ親父&若いカップルという構図がまたもや展開されます。
ある日ハワードの秘密の研究が気になったローラは、記者魂を抑えられず再び刑務所を取材に訪れることに…
所長に色目を使いウェスト博士たちが蘇生させた囚人の独房に潜り込みますが、都合よく利用されたと知った所長は怒り心頭。
犬プレイなどを要求しながらローラを絞殺してしまいます。
恋人の死を知って絶望するハワード…ここぞとばかりに「蘇生させよう」と実験を提案するウェスト博士(笑)。
撲殺した所長の生命エネルギーをローラに注入しますが、凶暴化した人格が交互に現れるようになりローラは苦悶の表情を浮かべます。
一方所内では最初に蘇生した囚人が大暴れ、混乱に乗じて独房の全ての扉が開かれてしまいました。
「パーティー開始だ!!」…大暴れする囚人たちにゾンビも加わり大混乱。
シリーズおなじみの展開ですが、今回はどんちゃん騒ぎが延々と30分も続く出血大サービス。
蘇った所長が次々に囚人や部下を殺害、緑のお薬を注入してゾンビを量産。
「死刑であっけなく死ぬなんて生ぬるい」と首吊り状態で囚人を蘇生させ延々と死を味わわせる所長、ドSで悪趣味すぎる(笑)。
上物と勘違いして自ら蘇生薬を注入するヤク中の囚人…ペットのネズミを殺され復讐に燃える上半身だけになった囚人ゾンビ…アホみたいなシーンがてんこ盛り。
襲いかかったナースの乳首に齧り付く「ゾンビ3」のような場面も…
(マイコー!!)
2000年代の作品とは思えない特殊メイクの数々。
ロケ地がスペインでラテン系の顔立ちの人が多く妙にカラッとした雰囲気なのも楽しいです。
サディスティックな所長の性格を引き継いでしまったのか、女王様ルックでハワードに襲い掛かるローラ。
美脚で男の首を締め付けてお仕置き…!!
所長のチ○コを引きちぎる大暴れまで見せてくれますが、肉体の変容について行けず恋人の介錯を受けて死亡。
すっかり正気を失ってしまったハワードを残して、ちゃっかり逃亡するウェスト博士…エンドレスな感じの幕引きも個人的には2より好みでした。
エンドロールではネズミvsチ○コのおまけバトルが勃発…!!
まさに下品の極み、これがやりたくてしょうがなかったのね(笑)。
とにかく勢いだけは素晴らしい3作目。
刑務所という舞台設定が意外にマッチ、ブレない主人公にやりたい放題のクライマックス…時間の経った続編にしてはかなりの大健闘。
2003年の映画とはとても思えない80年代ホラーの搾りカスのような中身で、大変ゴキゲンな続編でした。