どうながの映画読書ブログ

~自由気ままに好きなものを語る~

「トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦」日本語吹替版/アクション・人情ドラマ・イケメンてんこ盛りで大満足の1本

1月17日に公開されてから近隣の映画館でずっと上映されていて、評判がいいのかいつも席がかなり埋まっていて、どんなものかと気になっていた作品。

今月から日本語吹替上映が開始して再びスクリーンに登場。周回遅れのタイミングだけどこれはチャンス…!!

普段は決して吹替派ではないのですが、こういうアクション映画って字幕を追わずに集中してみれる吹替は案外いいのかも…と思って、観に行ってきました。

 

キャストはサモハン(水島裕)以外誰も知らず、内容も全く把握しないまま突撃。

冒頭、香港の裏社会の三国志みたいな説明が延々と入ってきて、「漢字だらけの登場人物がめっちゃ多い映画かー、人物相関図とかみてくればよかったー」と一瞬後悔しましたが、いざ話が進みだすと分かりにくいところは一切なく、皆キャラが立ちまくっていて顔をすぐに覚えられる…全くの杞憂でした。

思った以上に現実離れした漫画みたいな映画だったことにはびっくり。途中からの敵の強さには唖然となってしまいました(笑)。

胃もたれするぐらいコテコテの人情ドラマは古めかしいけれど、懐かしの味に出会ったような感覚で義侠と男の友情世界に没入。
 
アクションはもっとアナログで泥臭いのを想像していましたが、スタイリッシュで華麗。次から次にアイデア勝負のバトルが展開するのでめちゃくちゃ楽しかったです。

リピーターが多いというのにも納得。劇場は女性客がかなり多かったですが、二次元みたいにカッコいい野郎共のオンパレードだったのでこれにも納得。

観終わったあと身も心も軽くなったような心地のする、極上のエンタメ映画でした。

 

◇◇◇

80代…香港に密入国した難民のチャンは身分証を手に入れようと裏闘技場で活躍していましたが、ある日大ボスに騙されて反逆。

麻薬の入った袋を持って九龍城砦に逃げ込みます。

城砦を取り仕切るボス・ロン兄貴に匿われ、仕事と生活の場を与えられたチャン。

かけがえのない仲間たちを得て人生で初めて自分の居場所を手にしたチャンでしたが、実は彼には本人も知らない出生の秘密が隠されていました。

 

ガラスが撒かれた床でグラディエーターする主人公…猛ダッシュで逃走してからのバスの中での攻防戦…痛さとスピード感を伴った冒頭からの怒涛のアクションに大興奮。

城砦に移ってからは、迷宮のような狭い空間を横断して縦横に繰り広げられるアクションのなんと楽しいこと。

九龍城砦の外観はもちろん、厳しさと活気に満ちた生活感溢れる空間が素晴らしく、衣食住すべてを欠いていた主人公が仲間たちの助けを借りて再生していく過程が丁寧でとてもよかったです。

 

常にタバコを咥えたキザな見た目の床屋のおじさんが実は城砦のボス。

「問題事を起こすなと言っただろ」からの「次からは俺も誘え」…台詞もいちいちキザだけどカッコいい。

かつては伝説的強さを誇っていた昼行灯、今は人知れず肺がんを患っていて時々咳き込む…どこぞの漫画の師匠キャラみたいな設定が山盛り(笑)。

叉焼飯を食べさせてもらうくだり、「こいつにスパゲティを食わしてやりたいんですが構いませんね!!」が頭をよぎりましたが、まさにブチャラティのようなカッコ優しい兄貴、ロンギュンフォンが実に渋いイケオジでした。

 

そんなロン兄貴の右腕で主人公チャンの世話を焼くことになるのがソンヤッ。

安藤政信が3代目 J Soul Brothersに入ったみたいな見た目のイケメンが登場。

意外に面倒見のいいイケメンと、純朴天然ナイスガイな主人公の組み合わせが美味しすぎる…

女性に暴力を振るった客を成敗しに行こうとしたら気の合う仲間が既に集結してたというハートフル展開にもにっこり。打ち解ける過程を短い時間で描いてて上手いなーと感心でした。

ここからドクター変態仮面菅田将暉加藤諒な若頭も加わって、4人で麻雀。

アツい友情の日々を送るチャンでしたが、ある日驚愕の事実が明らかに…

 

なんとチャンはかつて九龍城砦の大抗争で暗躍した暗殺者・チャンジムの実の息子。

かつてチャンジムに妻子を殺された城砦のオーナー・チャウ兄貴はその息子であるチャンを殺そうと躍起になって襲いかかってきます。

「親の罪を子に背負わせるな」…ロンギュンフォンと仲間たちは筋を通してチャンを庇おうとしますが、復讐心の虜になったチャウ兄貴はサモハン演じる大ボスに利用され、城砦は悪なるものの手に渡ってしまうことに…

流れ者設定だけでもう充分面白かったのでこんなコテコテの話までやらなくても…と思ってしまいましたが、義理と人情の板挟みになる男の友情ドラマもなんだかんだ悪くない。

サモハンが卑劣な大ボス役で登場、格別の存在感。70歳過ぎても見事なアクションをみせてくれてカッコよかったです。

最後まで活躍して欲しかったけど、世代交代するお話になってたからそこは仕方ない…出てくるジジイが漏れなく全員強いのが最高でした。

 

サモハンを裏切ってラスボスに昇格するのは、ロン毛にグラサンのチャラ男っぽい見た目のウォンガウ。 

いかにも咬ませ犬っぽいキャラがラスボスだったのが斬新(笑)。

気功術で全身を硬直化させ、ナイフも銃弾も弾き飛ばす脅威のボディにびっくり。

なにもここまで現実離れしたキャラにしなくてもよかったんじゃ…と最初は思いましたが、4人がかりで対戦するクライマックス戦には大興奮。

眼球が弱点で目玉潰しにかかるかな…と思っていたら紐で縛り上げての攻撃へ…

2000人の狂人」みたいに四肢を引き裂くのかな…と思ったらそれも違ったけど、宙に浮かせて床に打ちつけまくるところとかめちゃくちゃ面白かった。

最終的には体内から破壊、ジョーズかよ!?となる最早モンスターな強敵に笑みが止まりませんでした。

 

指チョンパなど痛みのある描写もとても良かったけれど、主人公の回復速度が完全に不死身の杉元(笑)。

血を吐きながらも結構長持ちするロン兄貴には「挽歌2」のルンさんを思い出したりもして、香港映画ならではのトンデモ負傷バトルがとても楽しかったです。

過去が蘇る髭剃りシーンの演出や絶対ラストに出てくるだろうなーとなった凧のシーンなど、ベッタベタだったけれど、それを全力でやってくれるのが心地よく、少年漫画的浪漫の世界に没入させてくれました。

エンドロールが意外にしっとりしているのにもまた心掴まれて、最後までよかったです。

 

日本語吹替版での初鑑賞となりましたが皆キャラと声が合っているように感じられて、ガヤの音声なども臨場感たっぷり。

エンドロール後には「未公開シーン集」なるものが始まって、リピーター獲得のためなのか最近の上映はこんな特典が付いているのかと驚きましたが、こちらは吹替でなく原語音声。

やはり吹替とは印象がかなり異なりそうで、今度は字幕版を鑑賞したいと思いました。 

 

劇場でパンフは購入できたもののグッズは置いていなくて残念…と思っていたらオンラインで色々販売しているらしく、硬直Tシャツちょっと欲しくなってるから困る(笑)。

news.denfaminicogamer.jp


3部作になるらしくこれは前日譚&続編も楽しみ♫

頭を空っぽにさせてくれて、観終わったあと元気が漲ってくるような大満足の1本でした。