どうながの映画読書ブログ

~自由気ままに好きなものを語る~

「ターミネーター2」を午前十時の映画祭でみてきました

今年度はリクエスト企画らしく王道作品が目白押しな午前十時の映画祭。

GW最終日に「ターミネーター2」を観に行ってきました。

シュワちゃん映画をテレビで見ながら育った世代だけど、本作を劇場でみるのは初。

1はSFホラーアクション+ラブストーリー、2は大作アクション+擬似家族ドラマ。

自分は圧倒的に1の方が好きなのですが、2も傑作なのは間違いなく、劇場でみるとやっぱり大迫力…!!

この年代ならではの豪快なアクションを劇場で堪能させてもらいました。

 

なんといっても子供の頃に強烈に記憶に刻み込まれたのは、液体金属の描写。

T-1000がサラ・コナーのいる病院まで迫ってきて体を変形させながら鉄格子をヌルッとすり抜けてくるシーンが衝撃的。

「こんな奴どーやって倒すの!?」という絶望感が半端なく、同時に「こんなトンデモ映像をつくれるハリウッド映画は本当に凄いんだ!!」と子供心に感嘆した憶えがあります。

このシーンは改めて見ても綺麗に仕上がっていて、今でも通用するハイクオリティ。

その後のエレベーターをこじ開けようと手が変形するところ、上から伸びた刃が襲ってくるところにもめっちゃドキドキ。

今のCGと比較するとリアルさに欠けた部分も多々ありますが、この年代のCGの方が不思議とSFらしさを感じます。

とにかく〝液体金属〟というアイデアとその表現力が画期的、今みても目を奪われる鮮やかさでした。

 

個人的には1作目のT -800の方がホラー的な怖さは格別だと思っていますが、ロバート・パトリックも素晴らしいターミネーター

警官に化けたという初手が上手すぎて、独特の冷たさがピッタリとハマっています。

仕留め損ねたサラに”チッチッチッ”と人差し指を横に振るところなど、非人間的な奴が時折人間的な動作をみせるのがユーモラス且つ不気味。

ロバート・ロドリゲスの「パラサイト」でロバート・パトリックセルフパロディ的な役を演じていたときは嬉しかったです。

 

スクリーンでみるとカーチェイスシーンの数々が一層大迫力でしたが、その中でもやはり序盤の用水路でのカーアクションがピカイチ。

ジョンのバイクに今にも追いつきそうな脅威のチーター走り……トンネルをものともせず突っ込んでくるトラックの異常さ…ショットガンを片手リロードしながら高い位置から見事なアシストをみせるT -800の格好良さなど、超エキサイティング…!!

 

この作品に関してはテレビ放映でみたときの吹替の印象が強く「死にたくなければ付いて来い」など台詞の違いを実感。そして「ジョン・コナーこんなに高くて可愛い声だったんだ!?」と今更びっくり。

みている間、浪川コナーの声がずっと脳内をこだましていました(笑)。

少年と殺戮マシーンロボットの友情ドラマはベタではあるけれど、やっぱりあのラストシーンはグッときます。

母性の「エイリアン2」、父性の「ターミネーター2」…擬似親子的ドラマを盛り込んで続編を大成功させたジェームズ・キャメロンは凄いなあと改めて感心するばかりでした。

 

そしてみる度いつも残念に思ってしまうのは、サイバーダイン社の開発担当だったダイソンさんの死。

家族想いのお父さんで善い人だったのに「未来滅亡はお前のせいだ!!」と急に捲し立てられた挙句自己犠牲を強いられて死ぬのが気の毒すぎて、もう少し救いが欲しかった気がします。

開発者だと自分の作ったものに未練を感じたりしないのかなあ…あまりの聞き分けのよさにびっくり、この辺りのドラマが自分的には物足りなく思えてしまうところ。

エイリアン2」のバークみたいなガメつい奴だったらもっとスッキリみれたかもしれません(笑)。

でもカイルを失ったサラが〝自分たちが本来こうなるはずであった姿〟ともいえるダイソン一家の3人を目の当たりにして引き金を引くのを躊躇うところなど、改めてみると随所で人間ドラマが感じられてよかったです。

 

2のリンダ・ハミルトンってこんなにマッチョな母ちゃんだったんだなーと改めて惚れ惚れ。

来たるべき日に備えて筋トレ、隠し場所を用意してありったけの武器を用意、シュワちゃんには及ばずともかなりの戦力になって、さすが伝説の女、T−800を一度は倒したヒロイン。

審判の日に核爆発で人々が燃えて灰になる場面も子供の頃みて怖かったなあ…と思い出しましたが、前主人公の空白の10年を、過酷な部分も含め説得力を持ってスマートに描き切っているところもよかったです。

欲を言えばもう少し母&息子の絡みが見たかった気がしますが…
 

2もめっちゃ面白いけど、個人的にやっぱり好きなのは1の方。

完全にスラッシャーホラーな序盤の空気感、シュワちゃんが敵という絶望感も相まって怖さが格別なところ…何よりラストの「嵐が来る」が破格にカッコよくて何度見てもシビれます。

1の方がチープなようでいて、硬派な〝本格SF〟の空気感が漂っていて美しい。

ターミネーター1」と「タイタニック」はなんか似てるなーと思うのですが、どちらも危険な状況で突然出会ったイケメンと恋に落ちるラブストーリー。

冴えないヒロインが〝人類の救世主の母だ〟と急に崇めたてられて無双する〝女性版なろう〟みたいな面があってそこが刺さるというのもあるかもしれません(笑)。

でも続編と併せることでより真価を発揮する面白さみたいなものがあるような気がして、2が蛇足になっていないのが素晴らしいところ。

2からみるとサラにイライラしてしまうけど、あとから1をみると行動やリアクションに逐一納得させられるのが面白かった(笑)。

1のラストのテープレコーダーの言葉が父親のことを全く知らないジョンにいずれ届くんだなーと思うと感慨深いものが込み上げてきたり…サラが最後に因果を乗り越えてT- 800に握手しようと手を差し出すところに感動したり…

1で美しく完成されつつも2作合わせて楽しめるドラマがしっかりとあって、改めて「ターミネーター1&2」両方素晴らしいなーと感動ひとしきりでした。


今月は「八甲田山」とペア!?「天は我々を見放すのか」特集らしい…

午前十時の映画祭、次に絶対にみたいと思っているのは9月に来る「エイリアン」。

1&2セットにしてくれないのは残念ですが、好きな名作を劇場でみれる機会はやっぱりとても嬉しいです♫