どうながの映画読書ブログ

~自由気ままに好きなものを語る~

「ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング」…長くて疲労、最終作2作はガッカリで残念

子供の頃からリアタイで追ってきたシリーズ。

それなりに思い入れがあったはずなのに、上映時間170分、前作デッドレコニングがイマイチだったこともあって中々重い腰が動かない。

夏休み中も余裕でやってるでしょ…とタカを括っていたら結構上映館が小さくなってきていて、最近の洋画のパワー不足、サイクルの速さを実感。

個人的には「ローグネイション」の出来が1番良くてここで完結してればなあ…もしくは「フォールアウト」で元嫁と今カノが揃って皆ニッコリしてるところで終わってくれていても綺麗だったなあ…という感想。

今月は他にも気になる作品があって迷ったのですが、半ば義務感に駆られながら観に行ってきました。

後半に目玉アクションが控えているのは分かっていても、前半部分がどうしたって長い。

アバンタイトルも昔はビシッと決まって始まっていたと思うのですが、ここに来るまでのダイジェスト説明みたいなのが長すぎて引き締まってない印象。

自死したと見せかけてブラフ→「君を置いて死ぬと思ったのか?」のグレースとのやり取りは楽しかったので、拷問シーンから始めた方が勢いがあってよかったんじゃないでしょうか。

ミッションシリーズのお楽しみの1つ、〝騙し討ち〟が今回なかったのが残念でした。

 

そしてやっぱり〝実体のない敵〟というのがイマイチ盛り上がらない。

潜水艦の中で襲いかかってきたエンティティ信者をイーサンが押さえる場面…「ネットのみすぎだ!」の台詞には思わず笑ってしまいました。

何が本物で何が偽物か分からない、ネットやAIが蔓延るこの世の中、俺たちはまだまだ生身で頑張るぜ!!…みたいな意地を感じましたが、肝心の映画の内容がネットのダイジェスト動画みたいになってしまっていてとても残念。

核の脅威だけが度々描かれるも、実社会の人々の混乱の様子が全く伝わって来ず、話に乗りにくかったです。

 

イーサン率いるチームの力とやらが度々強調されていましたが、イルサやジェレミー・レナーが不在で、寄せ集め感が漂ってしまっているのにもモヤモヤ。

ちょっと前に会ったばかりのメンバー多すぎない!?

スリのグレースは前回に比べイライラ感が減って頼れる仲間に…一般人目線キャラという立ち位置は面白く、「ナイト&デイ」のキャメロン・ディアスみたいにもっと軽いコメディキャラに振り切ってもよかったのかなーと思いました。

暗殺者のパリスは全体からは浮いていたけど、この女優さん自身は魅力的で、単体でのアクションシーンがもっと見たかったです。この人とベンジーのコンビシーンが今回1番よかったかも。

 

そして死亡フラグ立ちまくりの中ついに命を落とすルーサー。

「フォールアウト」のアレック・ボールドウィンといい、前作のイルサといい、予定調和的に死んでいく感じでここまで来たらずっと生き残ってほしかったなあ…

エンティティを潰す〝毒薬〟を作成、万能キャラすぎるルーサー。

こんな便利な仲間を失ってどうする!?と思っていたら1作目に出てきたCIAのおじさんダンローが再登場。

左遷される原因をつくったイーサンを恨んでいるかと思いきや、現地で出会った女性と結婚、思わぬ幸せを掴んでいる姿にはほっこり。

めちゃくちゃ物分かりのいい使えるおじさんでこの人が実質ルーサーの穴を埋めるかたちに…

 

この他にも前作と共通点のあるキャラがチラホラと登場。

イーサンを追っていたCIAコンビの1人・ジャスパーはジム・フェルプス(1のジョン・ボイト)の息子だと判明。

「あのとき君は7歳だった」…ってトムより老けた見た目してていくつなん!?とびっくり(笑)。

急に宿敵の息子との和解みたいなドラマが挟まれてくるのも雑で困惑。

2人組のもう1人の黒人男性・ドガの方が仲間に加わっていて、1人のキャラにまとめた方がよかったのでは…と思いました。

3でイーサンが盗んだものがエンティティに関連していたことが発覚したり、シリーズの大団円をやりたい意気込みは伝わってくるもののそこじゃないんだよなーとガックリ。

話を無理やり繋げているのが粗っぽく感じられてしまいました。

 

しかし…!!それでも後半にはしっかり目玉アクションが用意されていて、1つは潜水艦に侵入するシーン。

キャメロンやノーランっぽい迫力ある映像で、重厚感と閉塞感に溢れる密室、ゴロゴロ回転する艦内を進むのにはドキドキ。

時々水のない空間に出るのも面白かったけど、「ローグネイション」の水中金庫の方が息がつけずあちらの方がヒロインが助けに来る展開も盛り上がったなあ…

結局減圧スーツを脱いでパンツ一丁になるトム(笑)、「クリフハンガー」のスタローンもびっくりの超人っぷりには恐れ慄くばかりでした。

 

そしてもう1つの見せ場はアナログ飛行機での空中チェイスで、「カプリコン・1」を思わせる一大アクション。

カプリコン・1」は合成やアップを組み合わせていたと思うけど、こっちはガチンコ勝負。

トムどうやって撮ったの!?完全に狂ってるやろ、とトンデモ映像にヒヤヒヤ。

前作で悪役のおっちゃんとの因果関係が示唆されていましたが、そこは深掘りされることがないまま放置。

「パラシュートは1個だ!」と悪役が言い放っていたのにもう1個あって、それが焼け落ちたのにさらにもう1個出てきて助かるトム…自分が何かを見逃してしまったのかここの部分が全く分かりませんでした(笑)。

 

凄いアクションシーンではあったけど、個人的には「フォールアウト」のヘリ空中戦の方が好きだったかも…ガチンコ映像は確かにすごくて「トップガン マーヴェリック」はテーマ性とリアル映像が奇跡的なフュージョンをみせていたけど、やっぱり話やキャラクターがあってこそ…今回は独り善がりな感じがしてしまいました。

 

ミッションシリーズ、個人的には「フォールアウト」から粗っぽくなってた気がしますが、謎の強すぎるモブキャラとトイレで戦ったり、悪役のバカっぽさが古臭かったり…今思えば90年代アクション大作っぽくてオモロかったかも…なぜか「フォールアウト」の株が今回自分の中で大きく上がりました(笑)。

レコニング2作はバカっぽさもなく、全体的に暗くて湿っぽいトーンだったのがいただけなかった気がします。

 

シリーズを順位付けすると
5≧1>>4>6>3>>2>7&8 かな…

 

TOHOシネマズの予告てんこ盛りも併せてどっしり疲れてしまった3時間でしたが、配信だと途中リタイアしていそうで映画館でみれてよかったと思いました。

酷評になってしまって申し訳ないけど、トム・クルーズは凄かったし、30年間楽しませてくれて本当にお疲れ様でした。

次のトムの新作がよりよいものであることを願うばかりです。