どうながの映画読書ブログ

~自由気ままに好きなものを語る~

「ダイヤル・ヘルプ」…vs電話に憑いた悪霊!!奇天烈殺人シーンが楽しいイタリアンホラー

間違い電話をかけた女性が電話に取り憑いた悪霊にストーキングされてしまう…

「食人族」のルッジェロ・デオダート監督による88年のオカルトホラー。

昨年購入したルチオ・フルチ本でもタイトルがあがっていて気になっていたのを初鑑賞してみました。

恐怖度は低めですが、ヘンテコ殺人シーンが愉快。

主演は「ゴールデン・チャイルド」に出ていたシャーロット・ルイスで、エキゾチックな美貌がホラーに映えて魅力的。

クラウディオ・シモネッティの音楽も相まってご機嫌な1本でした。 

輸入版DVD(国内デッキ非対応)で鑑賞しましたが、英語ドイツ語の音声のみで、字幕はなし。

再生すると画面がやや横に伸びた変な感じになってしまいましたが、そこまで気にならず問題なく鑑賞することができました。

 

◇◇◇

ローマに住むモデルのジェニー。

出先から彼氏に電話をかけようとしたところ、誤って廃墟となった施設にかかってしまいます。

そこはかつて自殺を考える人たちが相談電話をかけていた〝命の電話コールセンター〟。

ジェニーからの電話で溜まっていた負のエネルギーとやらが電話機に取り憑き悪霊が誕生。

現場にいたお掃除のおばさんを殺害してしまいます。

黒電話のコードが伸びてきて首が締まるなど、チープなポルターガイスト現象が勃発。

悪霊はなぜかジェニーに執着し、彼女を追い求めるようになります。

 

しかしそんなことも露知らず、ジェニーは彼氏に電話をかけ続けていました。

一向に繋がらずヤキモキ、ないがしろにされているらしく、仕事仲間の友人からは「そんな男忘れなさいよ」と一蹴されてしまいます。

ある日出先のパーティークロークルームから呼び出され掛かってきた電話を取ると、甲高い電子音が鳴り響き、鏡がパリン!!怪奇現象に出くわすジェニー。

音楽がクラウディオ・シモネッティということもあってか、所々の演出が「サスペリア」や「フェノミナ」を彷彿とさせます。

 

不気味な電話は自宅にも掛かってきて、幾人もの声が入り混じったような奇妙な音声が受話器越しに流れます。

そしてまるで呪われているかのように、飼っていた水槽の魚がすべて死亡。

怖くなったジェニーはアパートの隣に住む男・リカルドに相談します。

「1人じゃ不安だから今晩泊まってくれない?」…美女の誘いに頬を緩ませたリカルドですが、奇妙な電話音声に耳を傾けると、洗脳されたかのように屋上から飛び降りる体勢に…

あわやというところをジェニーが救出。

以降リカルドはジェニーのオカルト話を信じ、彼女に協力してくれるようになります。

 

また次の日ジェニーの友人・モールが、アパートの電話回線を調べにやって来ました。

異常なしとのことでしたが、近くの地下鉄駅にある配電盤パネルを調査すると、異変が勃発。

「説明のつかない膨大なエネルギーが電話線に溢れている」…不穏な言葉をきいたジェニーは急いで駅に向かうことにします。

クラウディオ・シモネッティの曲が鳴り響きながら薄暗い地下鉄構内を疾走するハイライトシーン。 

ジェニーは配電盤ボックスで友人モールが感電死しているのを発見。…と同時にその直後、突然見知らぬ変質者が彼女に襲いかかります。

すると無人の電話ボックスからコインが手裏剣のように勢いよく飛び出し男の脳天を直撃!!

(アイタタタタ)

変質者は血みどろになり死亡。超常現象とは一切関係なく突然不審者が絡んでくるのにビックリ、そのあと全く意味不明な死に方をするのにさらにビックリ(笑)。

さすがイタリアンホラー、予想の遥か斜め上を行くオリジナリティを見せつけてくれます。

 

恐怖に駆られ電車に飛び乗って逃げるジェニーでしたが、なんと電車は無人運転で動いていた!!

何でもありの電話パワー(笑)、悪霊はジェニーを探し回り、他の男が近付くことを許さないようです。

さらにジェニーが友人宅に逃げ込むと、電話コードの絡まった絞殺死体が上から落下!!「サスペリア」を思わせるショッキングな死に様にドキッ。

周囲の人々が次々に怪死していきます。

 

そんな中、隣人リカルドは超常現象を調査している著名なアメリカ人教授がローマに来ていると、ジェニーを誘って空港へ向かうことにします。

「どこかに蓄積されていた負のエネルギーが決壊したんだ。それがどこから来たのか突き止めるんだ。」…離陸直前になにやらそれっぽいことをペラペラと喋って説明してくれる教授。

しかしここにも電話がかかってきて、教授は体内に入っていたペースメーカーがチェストバスターしてド派手に死んでしまいます。

 

大惨事にショックを受けつつ、しれっと帰宅するジェニーとリカルド。

悪霊エネルギーに誘惑されたジェニーは、突然バスルームでセクシーな下着を着て恍惚状態に陥ります。

入浴シーンが来ると思ったら、なぜか下着を着たままバスタブにイン!!

この恰好で浴槽内を転げ回るヒロイン(笑)。

女優さんとヌードの契約まではとれなかったんだなー…妙に現実に引き戻される気持ちになりつつ、またまたポルターガイスト現象が起こってアパートが火事騒動に…

「フリッパーはどこ!?」…突然犬を探し始める隣人リカルド。それまで一切映らんかったけどお前犬飼ってたんかい!!となって爆笑。

その後も電話線が足に絡みヒロインが下着姿で逆さ吊りにされるなど、常人には思いつかないヘンテコ怪奇現象が続きます。

 

「電話の悪霊は何かを求めているんだわ、私もあの日彼氏に電話しても繋がらなかった」…自らの孤独な胸中を悪霊に重ねて思い巡らすジェニー。

再び掛かってきた電話の奇妙な声に導かれ、ジェニーは全ての始まりである廃墟となったコールセンターへ足を運びます。

冒頭に殺されたお掃除おばちゃんの死体が蘇って襲いかかってくるところも「サスペリア」っぽい。

録音テープがジェニーの体に巻きつきナイフが迫ってくるシーンはフェティッシュ!!

…に思われますが、エロさよりもヘンテコ度合いが勝ってどうにも笑いが込み上げてしまいます。

 

リカルドに助け出されたジェニーはもう一度コールセンターに正しい番号で電話をかけることを決意。

「愛しているわ、もう自由になるのよ」…ジェニーが優しく言葉をかけると、悪霊が浄化。満足して何かが成仏した模様。

コールセンターに巣食っていた無数の鳩が窓から飛び立っていくジョン・ウーもニッコリなエンディングには、爽快な気分が残ります。

 

結局悪霊は何だったのか…ストーリーは破茶滅茶だし、ショボい怪奇現象の連続。

でも電話というホラーと相性のいいアイテムを半ば強引ながらも効果的に生かしていて、不穏なムードとユニークな殺人シーンはエキサイティング。

観光地が数多映るローマの景色や、ヒロインの住むアーティスティックなアパートのインテリアも雰囲気があってグッド。受話器のデカい電話やスケルトンデザインの電話など時代を感じさせるアイテムも楽しかったです。

また風呂場シーンでかかるロマンチックで古風な洋楽が印象的。全体的に音楽(&効果音)が映画にかなり貢献しているようでした。

 

ヒロイン女性が自分を大切にしてくれない彼氏にいつまでも執着していて、彼女自身負のエネルギーに引きずられていたのが、最後に吹っ切れるところがカタルシス…!!

さすがイタリアンホラー、チープなヘンテコホラーでも人生を感じさせてくれてオモロかったです。