生き残るのは死んでも無理!!「ファイナル・デスティネーション」シリーズの6作目にして最新作。
期間限定で劇場公開もされているらしく、大盛況とのこと。
ポップコーン片手に大勢でみるには最高の映画だろうなーと思いつつ、今月はどうにも時間がとれずひとまず配信にて鑑賞させてもらうことに。
「オーメン」、フルチの「ビヨンド」と並んで、ひたすら理不尽な死が襲いかかりまくるホラー。
1作目「ファイナル・デスティネーション」をみたのはテレビ放映で確か高校生の頃だったと思いますが、斬新なアイデアに驚嘆、疾走感あるラストまで夢中でみた憶えがあります。
ビビりが共感するホラーというか、小さい頃から臆病でネガティブなことばかり考える人間には非常に刺さるものがあるホラー(笑)。
飛行機は不安だし、車の運転にも高速道路にも恐怖を感じる。高いビルのエレベーターに乗る時には止まったらどうしようとかついついそんなことを考えてしまうタイプ。
見渡せば身の回りは危険なもので溢れている!!ちょっとした怪我や事故で人生が一変してしまうことってあって、馬鹿にできることじゃないんだと思いながら、登場人物たちの死をついつい高みの見物で眺めてしまいます。
死が避けられないものだというのはこの世の絶対真理。
〝メメントモリ〟の精神に浸りつつ、そしてそれに抗う主人公たちに一瞬の煌めきを感じてしまう…プロットが秀逸なアイデアホラーだと改めてしみじみ感じました。
今回は14年ぶりの新作だそうで、5作目「ファイナル・デッドブリッジ」のみ未鑑賞。
過去作の記憶が極めて断片的な状態で鑑賞に臨みましたが、これ1作でみても楽しめる内容になっていました。
ド派手なオープニングから心鷲掴み、とあるキャラクターが最高でほとんど持っていかれる(笑)。
ファミリームービー的要素も追加されて、実に楽しいホラーになっていました。
(※以下ネタバレあり)
1968年。若いカップル2人が〝スカイビューレストラン〟と呼ばれる超高層ビル施設のオープン初日にデートでお出かけ。
ガラス張りの床に展望エレベーター。
近未来的デザインに60年代にこんな施設があったの!?と驚きましたが、「タワーリング・インフェルノ」的ムードにドキドキ。
定員8名のエレベーターに15人ほど乗り込むわ、ボーイが「予定より5ヶ月早く完成した」としたり顔で語るわ、もう不安要素しかない(笑)。
カップルの女性・アイリスは高所恐怖症なのか気分が悪そう…と思ったらなんと妊娠中。
男性・ポールのプロポーズに「3人一緒でもいい?」と懐妊を告白。
ポールは大喜びしてくれてめでたしめでたし…とは行かずここから地獄絵図が展開。
悪ガキの飛ばしたコインが換気口に入ってピタゴラスイッチ的に全てが崩壊。

フィアンセが真っ先にガラス床から落下していくのが情け容赦ない。
爆発で建物が大崩壊、我先にと駆けていった悪ガキもピアノの落下で無惨に死ぬのに笑ってしまいました。
アイリスと黒人少年が最後まで粘るもあえなく死亡してしまいます。

ここまでが怒涛のオープニングで、話は現代にジャンプ。
今回は主人公の予知ビジョンではなく、祖母・アイリスが過去にみた幻視を孫が夢でみている…というかなり凝った構成。
夜毎に壮絶な悪夢にうなされる孫・ステファニーは祖母の秘密を探るため久々に実家に帰省することに。
祖母アイリスは大惨事を予知して皆を救ったらしいものの、以降異常に安全に拘るようになり、束縛を受けて育った伯父や母は祖母を邪険にして遠ざけていました。
意を決してステファニーが祖母に会いにいくと、予知によってスカイビューの惨劇を回避できた人たちもその後立て続けに亡くなり、迫り来る死の運命をアイリスだけが遠ざけて来たのだといいます。
パラノイアとしか思えない言葉を延々と語るおばあちゃんにドン引きするステファニー。
しかし「じゃあ見てなさい!!」とアイリスがステファニーを追って家から飛び出した瞬間、頭上の風見鶏が頭を突き破って盛大に死亡。
「本来存在するはずのなかった子孫の命も刈り取りにくる」…おばあちゃんのノートをみたステファニーは家族に危機を知らせ、決死のサバイバルが幕を開けます。
家族要素を絡めたドラマがお楽しみポイントとなっていますが、血の繋がっていないお父さんと伯母さんは途中から完全に空気に(笑)。
冠婚葬祭とかの集まりで血縁者とそうでない人とで見えない壁を感じたりすることってあるある。
血統は避けられない運命!!という新設定に王道ホラーらしい陰鬱さも感じて、ユニークなプロットだと思いました。
そしてなんと言ってもダントツで見せ場を攫っていくのは刺青&鼻ピアスの従兄弟・エリック。

生まれ順で自分が先に死ぬはずがなぜか妹が死亡。
なんと長男は不倫相手との子だった!!
お父さんっ子で父親が死んだ後にはニルソンの「ウィズアウト・ユー」をかけながら追悼、ダッドと新タトゥーまで彫ったというのに血縁じゃなかったなんて…
鼻ピアスがチェーンに引っかかってファンに吊り上げられるあの一連のシーンはなんだったんだ!?となりましたが、危険物だらけのタトゥー工場にまんまと騙されました(笑)。
その後は次の順番にあたる弟を助けようと奔走するナイスガイっぷり披露。だけど自販機を手荒に扱ったり素行は悪い模様。
弟のアレルギーを利用して死を欺こうと目論みますが、全てが裏目に出て盛大に死亡。
強力すぎるMRIの磁力に笑いましたが、あの説明文にも恐怖を感じるビビり人間としては非常に唆る舞台装置。
ピアス、そこにも付けてたのかよ!!
「自分は血縁者じゃないからセーフ」と調子こいてた奴が粛清されるという展開も死神の非情さを感じてとても良かったです。
そのほか、ゴミ収集車に呑み込まれた妹ジュリアの死に様もなかなか壮絶で、潰れる頭部ともげる腕が痛々しくてギョッ。
ピタゴラスイッチ作動で芝刈り機で脳天破壊される伯父さんも気前のいい死にっぷりで、バーベキューという陽キャイベントで粛清されるのを納得の気持ちで見守ってしまいました。
自動回転扉など日常で不安を感じるものを映し出すのが相変わらず上手いなーと改めて感心するばかりでした。
結局いとこ組一家は全員死亡し、疎遠だったお母さん&ステファニー姉弟が新たなる標的に…
自分が生贄的に安全な場所にずっと引きこもっていれば子供たちは普通に暮らすことができる…要塞だった祖母の家に戻ろうとする3人でしたが、一瞬ですべてがバーニング。
危険なものだらけのおばあちゃんの家、そこはミニマリストになっとけよ!!と盛大に笑いました。
でも室内に植物がやたらと置いてあったりしたのは、買い物に行かなくていいように自給自足してたのかな…
皆から厄介者として疎遠にされていたおばあちゃん。実は皆を守っていたのに孫とも会えず切ない人生が垣間見えたようでもありました。
外の世界は危険がいっぱい、傷つくかもしれないけど、他者と関わらない人生が果たして幸福だといえるのか…
リスクと自由は等価交換。ビビッてなにもしないままじゃなにも楽しめない。人生哲学のようなものまで節々で感じさせてくれました。
弟が救命士の講座を受けていたという伏線が雑でしたが、姉ステファニーが心肺停止で死神を欺くことに成功したと思ったらそれは勘違いだった!!
列車事故という大掛かりなロケーションをクライマックスに用意しているのもグッド。
毎回こんな死に切るところまで映してたんだっけ??と思いつつ、完膚なきまでの敗北エンドをなぜかスカッとした気持ちで見送ってしまいました。
コインの走るエンドロールまで今風でおしゃれ!!
癌の判明したおばあちゃんがどれほど生きられたかにもよりそうだけど、ステファニーが帰省しなければ皆もう少しだけ長いこと生きられたのかな…結果奔走したことで寿命が縮まってしまったのだと思うとちょっぴり複雑。
5作目をみていなかったので〝誰かを殺せば寿命追加〟の設定には驚き、新生児室の前で躊躇うシーンはもう1本別のホラーができそうだと戦慄(笑)。小ネタ的アイデアもセンスがあって面白かったです。
そしてシリーズ通して度々出演していたトニー・トッドが今作にも登場。
本作が遺作となったそうですが、作品のテーマともいうべき大切なメッセージを遺してくれていました。
「死は予測不可能だ、一瞬一瞬を楽しんで過ごせ」…より重みを持って言葉が胸に迫ってきてこんなグロホラーなのにしんみりと感動してしまいました。
楽曲のチョイスも秀逸で、「天使にラブソングを…」のエンドロールでかかっていた”Shout”の曲にヒヤヒヤ(笑)。
過去作の記憶が曖昧な状態で言うのもなんですが、キャラクターも死に様も見事でシリーズ屈指の出来なのではないでしょうか。
楳図かずお先生が「恐怖を突き詰めると笑いになる」みたいな発言をされていた記憶があるのですが、誰にとっても恐ろしい死を盛大に茶化して笑ってみせるところに、深い魅力を感じるホラーでした。
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