どうながの映画読書ブログ

~自由気ままに好きなものを語る~

「フリーウェイ」/連鎖犯罪 逃げられない女…超凶暴ギャルvs変態強姦魔、ファイッ!!

オリヴァー・ストーン製作総指揮、マシュー・ブライト監督作。

キーファー・サザーランド&リース・ウィザースプーン主演の1996年製作のクライムアクション。

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子供の頃にみたボンヤリした記憶があるけどタイトルが分からなかった映画を、AIに聞いてみたらどうやらこの作品らしいことが判明(笑)。

赤ずきんちゃんを模した絵が現れるオープニングが妙に印象に残っていたのですが、〝ヤンキーギャルvs連続強姦魔〟を童話「赤ずきん」に見立てているというハードなストーリー。

誰が出演しているのか全く憶えていませんでしたが、豪華キャストだったことに驚き。

とにかくギャルの女の子が強烈で、強姦殺人犯より凶暴になっていく展開が衝撃的だったのを憶えています。

全体的にはB級映画風味だけど、リース・ウィザースプーンが光っていて、今みても中々新鮮で面白い1本でした。

 

 

◇◇◇

ダニー・エルフマンの音楽が流れるなか、童話テイストな可愛らしいイラストとともに幕を開けるオープニングクレジット。

よくみると赤ずきんに扮した女の子が身体の露出した服を着ていて、そのチグハグさが何とも言えないイヤらしさを醸し出しています。

 

学校で授業を受けている少女・バネッサは、〝CAT〟の文字すら分からず読み書きがままならない様子。

底辺学校の落ちこぼれと言われそうですが、教育格差も激しそうなアメリカ。単なる勉強が苦手な子では片付けられなさそう。

お母さんは家の外で立ちんぼ、継父はヤク漬けでバネッサの身体を目当てに迫って来るなど、家庭環境が悲惨すぎて絶句。

ある日警察が来て両親をしょっぴいて行きますが、残された子供のケアにはノータッチ。

福祉局のおばさんが里子に出そうと手続きにやって来ますが、過去に嫌な経験をしたことがあるバネッサはこれを拒否。

一度も会ったことがないおばあちゃんの家に行ってみようと1人で車を走らせ街を出ることに。

 

出発前にバネッサは相思相愛の黒人のボーイフレンドからお守りの銃を授かります。

その直後このボーイフレンドが街のギャングに撃たれていきなり死亡するのにはどんな治安やねんとなって絶句…!!

おっかない街の日常、抜けられない貧困の連鎖など感じさせて冒頭から圧倒されてしまいます。

 

意気揚々と出かけたバネッサでしたが、ハイウェイを行く途中に車が故障して立ち往生。

声をかけてきた紳士・ボブがおばあちゃんの家の近くまで送ると言ってくれて車に同乗することに。

少年専門のカウンセラーだというボブ。優しく声をかけられ、バネッサは初めて大人に心を開き自分の身の上を打ち明けはじめます。

「自分まで低くみられるから普段は親の話ができない」…少女から吐露される哀しい本心。

里子に出された家で老人介護をさせられセクハラに遭ったこと、11歳のときに継父から性的虐待を受けたことなど壮絶な過去が語られていきます。

泣きじゃくるバネッサを優しく労わっているかに見えたボブですが、酷い質問ばかりをして次第にバネッサを追い込みます。

(傷ついた表情に興奮しているようでヤバいド変態)

 

継父にフェラチオをさせられたというエピソードを聞いて、「自分が人間便器になった気がしたって言ってみて」とネチネチ責めたてるボブ。

紳士だと思った男はとんでもない狼だった…!!気付いたバネッサは車を降りようとしますが、カミソリを突きつけられ顔を強打されてしまいます。

バネッサは売春をしていた女の子たちが襲われる連続殺人事件がハイウェイ近くで起きていたことを思い出し、このボブが犯人だと確信します。

 

次第にボブはバネッサを「クズ、低脳」と罵りはじめます。

まともな教育を受けられていない弱い女性をいじめる鬼畜野郎。

性を売る若い女性に異様な憎しみを抱いているようで、もしかしたらボブのお母さんがそういう人だったのかも…カウンセラーのボブと同じく上から目線でエセ分析をしたくなってしまいます(笑)。

 

そんなボブに怯むことなく言い返すバネッサ。

「私は賢くないけど偽善者よりはマシ」
「あんたは結局スケベしたいだけ」

キレッキレのリース・ウィザースプーンがカッチョいい。

彼氏からお守りにもらった銃を突きつけて反撃に出ることに成功、路地裏に車を止めさせると容赦なくボブに銃弾を浴びせます。

警察呼ぶとかじゃなくて自ら始末、そのあまりの躊躇いないのなさにびっくり(笑)。

ハイウェイでの2人の対決が延々と続くのかと思いきや、ここから話の流れが一気に変わるのが意外で面白い。

奇跡的に一命をとりとめたボブは障がいのある身体に…バネッサは警察に拘束されてしまいます。

(自業自得とはいえとんでもない目に遭うキーファー)

 

ボブが連続強姦魔で殺されそうになったというバネッサの話を誰も信じず、〝親切心でヒッチハイク少女を載せた男性が被害に遭った事件〟と警察は判断。

見た目の雰囲気や育ちのせいで周りから一切信用されないって怖いわね…

それでも家庭環境を鑑みた捜査官(ダン・ヘダヤ)が状況を整理しようとバネッサに事情を聞き出します。

ところがバネッサは卑猥な言葉を繰り返し捜査官たちを挑発。黒人の刑事に「このニガー!!」と怒鳴りながら椅子を振り回してビンタ。

あまりにも凶暴すぎて絶句(笑)。

 

起こした行動がどんな結果を招くか予測できない短絡的思考。対話が一切できずすぐに暴力に訴えてしまう荒い気性。

こうなってしまったのは彼女が育った家庭環境によるところも大きくて、信頼できる大人が1人もいなかったゆえ彼女なりに防御行動を取っているだけと言えるのかもしれません。

社会とコミュニケーションを取るすべを持たない弱者が孤立する危うさ…そんな真面目なテーマを感じさせたのも束の間、あまりに品を欠いたヒロインの言動に唖然、段々と同情心が薄らいできます(笑)。

でもそこも含めて暗い部分に迫っているような気もしました。

 

その後バネッサは未成年者が集まる女子刑務所に送られることに。

精神的に不安定な子、バイセクシャルの子など様々な女子が集まった刑務所、ブレイク前のブリタニー・マーフィーもいて皆いい演技。

入所早々ボス猿女子に目をつけられたバネッサでしたが、タックルで相手を血まみれにして早速独房入り。

あまりにもタフで狂犬すぎる…!!

 

一方ボブは大きな障がいを負いながらも回復し、テレビメディアに被害者として出演するなど注目を集めていました。

(それを鼻で笑うバネッサのこの表情ww)

ボブの妻(ブルック・シールズ)は夫が悪いとは微塵も疑っていないようで、犯人のバネッサを厳罰に処すよう訴えます。

綺麗な奥さんがいるのにあんな裏の顔があるなんて…学のない女の子に暴力を振るうのはきっと自分に自信がないから…ボブの心の闇の原因は特に明かされませんが、なにか色々抱えていそう。

 

捜査官たちはバネッサの周辺状況を調査しますが、友人たちからの評判はよく情に厚い子だったとのこと。

ニガー呼びされた刑事は、亡くなったバネッサの恋人が黒人青年だったことを知り驚きの表情を浮かべます。

その後警察はボブの自宅にてティーンの裸体が載った大量のポルノ雑誌を発見。どうやら事件の犯人だった証拠も掴んだようです。


一方バネッサは以前血まみれにしたボス猿女子となぜか仲良くなっていて女子グループで逃亡を決意。

ヤンキー女子同士の細かいことは気にしない謎の友情好き(笑)。

見張り役の男性を平気で殺したり倫理観もへったくれもありませんが、「いつかまたムショで会おう」と別れていく女子2人にはなぜかアツいものが込み上げます。

 

シャバに出たバネッサは早速客引きを開始、買い手の男を脅して車を奪い今度こそおばあちゃんの家に向かうことに。

ところが警察に取り囲まれつつあることを知ったボブが、憎きバネッサに復讐しようとおばあちゃんの家を特定して先に待ち伏せ。

最後の対決はクズ男の方が既に身体にハンデを負っているので緊張感とカタルシスに欠けますが、強姦殺人犯を倒し、事情を知った警察が駆けつけるところでジ・エンド。

バネッサは無罪になるのかな…と思わせるハッピーエンドな結末を迎えます。

 

 

ラストがあっさりしすぎていて、変態キーファーとの心理的駆け引きがもう少し見たかったように思われて残念。(おばあちゃんのお耳はどうして…のところを上手く再現してほしかった)

後半の女囚パートもいい顔の女優さんが揃っていたので、もっと見てみたかったと勿体なく思われました。

一度誤解は解けたとしても主人公の今後はまた同じことの繰り返しになるのでは…色々全投げな感じですが、狩人(警察や大人)が助けてくれるわけでもなく、自分で殺るっきゃねえ!!暴れまくりのヒロインにスカッ。

”舐めてた奴が殺人マシンだった”系の作品に通じる痛快さ、こんな赤ずきんもいいかーと楽しく観終えてしまいました。


南部訛りのリース・ウィザースプーン、「ハイスクール白書」では優等生を演じていたけど不良娘役も上手い。

ゴテゴテ化粧してるときよりスッピン囚人服のときの方が美人。

英語版wikiによるとバネッサは14歳の設定らしく、あまりの境遇にビビります。

オリヴァー・ストーンは重たい作品よりちょっと力の抜けた感じの方が好みかも…社会の暗い部分はしっかり感じさせて面白かったです。

 

多分親が借りたレンタルビデオを一緒にみたのだと思いますが、ビデオリリース時のタイトルは「連鎖犯罪/逃げられない女」。(←覚えられない)

改めてちゃんとみても一風変わった作品でしたが、なぜだか残るもののある1本でした。