どうながの映画読書ブログ

~自由気ままに好きなものを語る~

楳図かずおの「洗礼」…最恐サイコロジカル・ホラー、母と娘のヘレディタリー

高校生の頃だったか、「ロング・ラブレター」という「漂流教室」の実写ドラマが話題になっていて、図書館から原作本を借りていたクラスメイトに又借りし、それをきっかけに楳図かずお作品を読み始めました。

容赦ないグロテスクな描写、けれども全くチープではない綺麗な絵・・・

楳図作品はかつて少女漫画雑誌に掲載されていたそうですが、自分の周りでは、女性は怖いといいつつ案外読む(笑)、男性は「絵が怖くて受け付けない」という人が多かった気がします。

洗礼(1) (ビッグコミックススペシャル)
 

この「洗礼」は文庫本で全4巻、1974年から1976年にかけて週刊少女コミックで掲載されていたという作品です。

 

映画で例えるなら「ヘレディタリー」と「エスター」、「ゲットアウト」を足して割ったような感じ!?

途中のどんでん返しの構成も見事で、楳図作品の傑作の1つではないかと思います。

母娘の濃厚なドラマでもあるので、男女で受け取り方にギャップのある作品かもしれません。

 


あらすじを簡単に追うと…

国民的大女優・若草いずみは、日ごとに老い、顔に謎のあざが広がっていくことに恐怖し、芸能界を引退して行方をくらましました。

しかし彼女はとある医者と結託し、女児を出産して、成長したら、自分の脳と娘の脳を入れ替える。若い身体に乗り移るという計画を立てていました。

手術は成功し、9歳の少女・さくらの身体に宿った母親は、若い自分をやり直そうとしますが…。

 

f:id:dounagadachs:20200313210443j:plain

昔の自分は美しかった…と写真を取り出す母。(「洗礼」1巻より転載)

序盤だけでもうカンベンしてくれ!!ってくらい怖かったです。

そしてここからはネタバレになりますが…

 

やがて入れ替わった”娘”が、自分の幸せを掴もうと、意中の担任教師を誘惑したり、邪魔なクラスメイトを排除したりの行動に出ます。

「娘を平気で殺すような母親が中身なのだから、こんな残酷なことができるのだ。」と思っていた矢先、さらに恐ろしい展開が待っていました。

 

なんと手術は行われておらず、医者は母親の幻影でした。娘は土壇場で母親に打ち勝って気絶させていて、残った娘1人がただただ日常を送っていただけということが判明します。

母親の脳が自分と入れ替わったと信じ込んだ娘が母を演じていた……と、トンデモSFホラーだった序盤を一気に覆し、「人間の脳は過大なストレスがかかるとこんなことになってしまうのか」というサイコロジカル・ホラーへと一変します。

 

”無意識下ですごいプレッシャーを感じた子供が、親の願望を叶えようと必死で庇っていた。”

悲しいドラマなのですが、これがどこかありふれたことのようにも思えてくるのです。

自分がこれだと思って選択したことは、果たして本当に自分の望みなのか…無意識に親を幸せにしようとしてとった行動ではないのか…娘のさくらの取った行動を追うと、どこまでが自我なのか?…ヒヤッとするものがあります。


容貌の変化に恐怖する女性というのは、楳図作品で度々出てくる女性像の1つですが、本作では、”母親が娘の人生で自分の人生をやり直そうとしている”…ここに恐怖とリアリティがあるように思います。

f:id:dounagadachs:20200313210450j:plain

女優の人生は嫌だった。次は普通の女の幸せを掴みたいと語る母親のいずみ。

f:id:dounagadachs:20200313210458j:plain

その願いを完全に受け継いだ娘。


例えば子供に必死に勉強をさせる教育ママ(あるいは教育パパ)がいたとして…

「自分は勉強する環境がなくて学校に行けず苦労したから子供にはその苦労を味合わせせたくない」という思いであれば愛のような気もするし、「自分のコンプレックスを子供を利用して満たそうとしている」なら歪んだエゴのような気もします。

でもこの境目だってあやふやなこともあるんじゃないだろうか…子供により良い人生をと願う中、それは大抵自分の人生との比較になってしまい、無意識に重ねる中で支配的になってしまうこともあるのではないか…


母親の場合、妊娠から出産、子育てまで綿密な時間を子供と過ごすことになり、同性の娘が対象だと、自分の人生と切り分けられない落とし穴に嵌まってしまうこともあるのかもしれません。

「洗礼」はそういう別離できない母娘の心理を上手くホラーに組み込み、リアルなドラマを展開している作品のように思います。

f:id:dounagadachs:20200313220545j:plain

怖すぎる台詞。(「洗礼」1巻より転載)

またいずみが恐ろしいのは、「産む前から子供を利用すると決めていた」というところですが、大人になって自分から離れないのは娘だから女の子が欲しい…自分の子が産んだ孫が欲しい…こういう願望を抱いて子供を望む親もいる気がして、ここも一笑できないところかもしれません。

 

見た目だけで判断され続ける芸能界での人生にストレスを感じていたこと…仕事か家庭に入るかの2択でしか人生を考えられなかったこと…これらは悲劇的で、なんとなく多くの女性が潜在的に負担に思っていることを表したようなキャラクターにもみえて、悪母とは片づけられない深みも感じます。

 


個人的には読むたびに、「さくらと先生の奥さんのバトルは陰惨すぎるのでもうちょっとアッサリでもいいよ!!」と思うのですが、ホラーシーンとしては大サービスなのかな。やりすぎてギャグにもみえてしまいました。

「子供は大人が思っている以上に大人」だと気づく女性と、「子供を子供のまま受け止めようとする」男性と……一応この担任の先生は、子供を観察して助けようとしてた味方だった…ということだけど、どうにもニブイ感じがして終始不安しか感じませんでした(笑)。

 
「洗礼」は1996年に実写映画化もされていて、うろ覚えですが、さくらはもう少し年上の女の子で、先生との際どいやり取りも大幅にカットされていたと思います。

漂流教室」もそうだけど、実写では無理なことが表現されている作品だと思うので、ここの改変は仕方ないと思う…のだけれど、脳入れ替えのグロテスクな描写だけはなぜか気合が入っていて、結構頑張って再現してたと思います(笑)。

 

あの描写が、ある意味騙す最大のギミックとなっていることが、この作品の凄いところで、読み返すたびにその構成には驚嘆するばかりです。


とても45年前の作品とは思えない、色褪せない怖さ。

家族ホラーの先端を行った作品で、今読んでも震え上がれるサイコ・ホラーではないかと思います。

 

「ミクロキッズ」…身長6ミリになった子供たちのアドベンチャー

コーンフレークの海にダイブしてるシーンがインパクト大。子供の頃、よくテレビ放送されてた気もする、大好きだった作品です。

ミクロキッズ [DVD]

ミクロキッズ [DVD]

  • 発売日: 2006/02/22
  • メディア: DVD
 

ジュマンジ」「遠い空の向こうに」などSFアドベンチャードラマを得意とするジョー・ジョンストンの1989年の監督デビュー作…

…であるとともに、原案がスチュアート・ゴードンブライアン・ユズナ「死霊のしたたり」チーム、脚本には「ドールズ」エド・ナーハが参加…と、なにげにホラー畑の人たちが集結しているんですね。

大人になって改めてみると、ちょっとそのカラーを感じる作品かもと思いました。

 

ストーリーは…

物体縮小装置の開発実験を行い、失敗を重ねていた科学者のサリンスキー(リック・モラニス)。

しかし子供たちの留守番時、とあるアクシデントから装置が正しく作動してしまい、なんと4人の子供たちが身長6ミリに…。

事情を知らない親たちは果たして子供たちの存在に気付けるのか!?

 

まず4人の子供たちが、そもそも別に仲良しこよしじゃないというのが中々面白いです。

サリンスキー一家とお隣さんのトンプソン一家は、親同士があまり仲良くなくて、ご近所さんなのに交流がないという状態。

兄弟姉妹もみんなすき好みが違うけど、「元に戻る」という共通の目的のために一致団結してく姿が、大人っぽくて、逞しいです。

 

途中、お父さんが子供たちに気付けず、ホウキでお掃除して、ゴミ袋に入れちゃって、庭まで出してしまいます。

f:id:dounagadachs:20200310131008j:plain

「僕らの身長は約6ミリ。家まで20メートル。計算すると5キロに等しい。」

早未知のジャングルといっていいお庭、冒険感がたっぷり…!

虫の死骸が巨大にみえたり、ハチに襲われたり、6ミリの身体には脅威でしかない恐ろしい出来事が次々襲いかかってくるのですが、昆虫のアップなんか、いい具合に子供にはちょっとホラーな気もしますね。

 

そして、最大の見せ場はアリvsサソリ…!!

道中仲良くなったアリの子供が、皆を庇ってサソリにやられて死んでしまう場面、ここはうるっとなってしまいます。

死をしっかり描いているところ、それも普段であれば気にも留めないだろう小さなアリの死に心傷める。悲しい場面ですが、だからこそ子供に観てもらえるといい、そんなストーリーじゃないかと個人的には思います。

 

幾多の難関を乗り越え、最後には親に発見してもらい、機械を改造した発明家パパに元に戻してもらえるのですが…


改めてみると、発明家パパじゃない方のお父さん、トンプソン家の父親は結構イヤな奴じゃない!?こんなパパだっけ!?と驚きました。

息子が興味を持っていないのに、自分の趣味を共有するよう押し付けて、拒絶を許さない。若い頃の自分と同じになることを望んで、身長を伸ばすよう、ダンベルでの訓練を強要する。

 

悪気はないんだろうけど、自分とタイプの違う長男・ラスへの当たりが強いなあ、とちょっとヤキモキ。

f:id:dounagadachs:20200310131025j:plain

中央右側、1番お兄ちゃんがラス。

年長者のラス、なんだかんだで旅路の中で1番しっかりしてて、頼りになりました。

終盤トンプソン家のお父さんがいきなり超いいパパになってちょっと「!?」と思ってしまったけど、子供の不在で省みるところがあったのか、最後はみんな仲良くなれて、 ホッ。


作品が思いの外ヒットしたからか、数年後には「ジャイアント・ベビー」なんて続編もありました。

ジャイアントベビー / ミクロキッズ2 [DVD]

ジャイアントベビー / ミクロキッズ2 [DVD]

  • 発売日: 2006/02/22
  • メディア: DVD
 

こっちは子供が可愛かった以外、あんまり記憶にないんだけど、「赤ちゃんの世話はとても大変!手に負えなくて世界が壊れるようなもんよ!!」っていう表現だったりするのかな(笑)。

そうすると「ミクロキッズ」の方は、過小にみられて、大人に気付いてもらえないという子供の叫びをストーリーに組み込んでるって感じでしょうか。

何も考えず楽しめる映画だけど、どことなくちょっと繊細な感じがするテイスト、もしかするとこれがホラー畑の面々が残していったモノなのかなと勝手に思いました(笑)。
 

それにしても小さくなっても臭覚と聴覚?でみんなに気付いてくれる、犬のクオークが可愛いくて癒される…!!

童心にかえりながら楽しめる良作です。

 

「ゾンバイオ/死霊のしたたり」…ロクな男がいない!?メグの悲劇

1985年のスチュアート・ゴードン脚本&監督作品ですが、同年には「死霊のえじき」「バタリアン」も公開と、ゾンビもの大豊作な年だったんでしょうか。

ラヴクラフト原作らしいけと、ラヴクラフトを全く読んだことがなくて、これのせいで誤ったイメージになってるかも(笑)。

死霊のしたたり BD [Blu-ray]

死霊のしたたり BD [Blu-ray]

  • 発売日: 2013/04/12
  • メディア: Blu-ray
 

原題は「Re-Animator」(死体蘇生者)。でもゾンバイオという言葉のセンス、響きがいいですねえ。

初めてみたときには、「ヒロインがどえらい目にあってるー!!」と衝撃でした。

まずはヒロイン、メグ(バーバラ・クランプトン)を囲む存在として!?各男性キャラを追いかけてみたいと思います。

 


ロクな男がいない!?メグの悲劇

まず論外のサイテー男は、もちろんこの方、ヒル博士。

親子ほど歳の離れたメグにのぼせていて、ダン曰く「ヤツはメグのナプキンや髪の毛を集めてた。」(←通報しろよ)

首だけになっても元気いっぱいすぎて困ります。

おっぱい揉んでの感触、ちゃんと頭部に伝わるんですね、よかったですね。

他人の研究を堂々と盗作するなど、医学者としてもゲスの極み。

しかし自分の首をのせたトレイを持って動き回る姿はシュールで爆笑です。


次はメグの父、ホルジー学長。

娘想いの父にみえますが、過保護気味。いい歳した子供の交際相手に口出し。

奨学生のダンとの付き合いを応援せず、そのくせヒル博士には「うちに来ないか、メグと3人で食事でも。」となぜか大サービスな、人を見る目なしオトン。

自らもゾンビと化しますが、生首ヒルに迫られてのメグの絶叫に、ほんの一瞬反応する姿が哀れを誘います。

 

そして、そもそもお前が来なければこんなことにはならなかったんだよ、な、ハーバード・ウェスト博士。

一目みてサイコパスだと分かる、ジェフリー・コムズの素なのか分からないような名演技。

f:id:dounagadachs:20200306212825j:plain

鉛筆ポキッ!そんな怖い顔でみないでよ~。

目上の教授に対しても全力で煽る傲慢さですが、女性のことは特に見下してそうでイヤな感じ。

ただ「周りを省みず、自分の好きなことだけやるで!!」という一心不乱の姿はちょっと魅力的に見えてしまったりして…。

でも動物(猫ちゃん)、あれは多分やってると思うので、うーん、やっぱり許せん。

 

最後は、ザ・好青年、メグのボーイフレンドのダン。

冒頭、患者の蘇生に必死になる姿から、真面目な医学生だと分かって心をギュッと掴まれる…と思いきや…

冷静にみるとダンもなんだかなー。

無鉄砲にメグに「結婚しよう」といったり、ヒル博士がやばいの放置してたっぽいし、ウェストに丸め込まれてばっかりだし…。

イケメンだけどちょっと頼りない彼氏ですね。続編ではただのサイテー男でしたね。

 

一応本作の主役はダンといってもよさそうで、蘇生ではじまって蘇生で終わる幕引きがビシっとキマっています。

患者が死ぬのをみたくない優しい医者という面もありますが、ダンは苦学生でもあるので、ウェストみたいに狂気じみてはいなくても、「功績をみとめられたい」という欲は人一倍あったのかもしれません。

野心に溺れて恋人を失う…いうストーリーの軸は、エロとグロにまみれながらも案外オーソドックスで、血の通ったドラマのあるホラーではないかと思います。

 

f:id:dounagadachs:20200306212808j:plain

それにしても蛍光塗料にしかみえない蘇生薬、医学者ならこれのレシピが1番気になるだろうに、なぜ誰もきかないんだろう(笑)

 


おバカなホラーは短いに限る!? 

今月このゾンバイオの4Kレストア版が発売されました。

自分は2013年に発売されたBlu-rayを持っているのですが、今回のレストア版は、以前別個でリリースされてたインテグラル・バージョンという104分版も収録されてるみたいですね。

 

未公開シーンは旧版Blu-rayにも特典収録されていたので、途切れ途切れですが改めて観たところ…

・メグとダンのイチャイチャがやたら多い

ヒル博士が強力な催眠術者ってことになっている (だから学長は操られてダンのこと嫌がるようになっちゃったのかーとここは納得)

 

イチャイチャはかなりダレそうで、催眠術の設定はてんこ盛りすぎて混乱するような気もします。ラストはどうせカタストロフ、あえて説明なく進む方がかっ飛ばしててgoodなのかも。

本作がデビュー作だったゴードン監督も「短くてよかったー」「いらんとこばっかりやったから編集が神で助かったわー」みたいにニコニコ語ってたので、勢いよくグッとまとまってる86分オリジナル版がイイのではないでしょうか。

 

今回1作目は4Kレストアになり、2作目はノーカット版Blu-rayになり…だけど3作目は完全スルー。

3は刑務所ものと無理やり合体してて結構面白かった記憶があるんだけど、今も旧DVDのみなんですね。

 

鑑賞後はあのノリのいいテーマ曲もしばらく頭から離れない…!案外今も全然古くない、時代を超えて楽しく観れるホラーじゃないかと思います。

 

「ドールズ」…チャッキーと異なる恐怖、おとぎ話な人形ホラー

あれ?思ったより怖くない??

チャイルド・プレイ」より1年前、1987年に製作された作品ですが、こちらもお人形が人を襲う系ホラーとして、有名な1作。

ドールズ HDリマスター版 [Blu-ray]

ドールズ HDリマスター版 [Blu-ray]

  • 発売日: 2013/08/02
  • メディア: Blu-ray
 

子供の頃チャッキーに震え上がった身としては、かなり構えて鑑賞に臨みましたが、なんだろう、ちょっと怖い童話読んだくらいの恐怖感でした。

 

「ドールズ」の舞台は現代。

少女ジュディ(8歳くらいかな)は、財産目当てで再婚した父と意地悪な継母に連れられて、イングランドの田舎町を旅していました。

しかし突然悪天候に見舞われ、車は立ち往生。

近くにあった古い屋敷に身を寄せると、そこは人形師の老夫婦がたくさんの人形に囲まれて暮らしていました。

さらに、気の良いビジネスマンのラルフと、ヒッチハイクしてきたパンク娘2人も駆け込み、6人が屋敷に泊めてもらうことに。

しかし次第に1人ずつ姿を消していき…。

 

まず人形師のご夫婦がかなり雰囲気があっていい感じ。

f:id:dounagadachs:20200304104427j:plain

おばあちゃんの方は「赤い影」で霊媒師役だった方ですね…!!

まるで現代から隔絶したかのような異空間。

でもこの老夫婦も、お人形たちも、殺人鬼そのものだったチャッキーのような邪悪さは全く感じません。

子供をネグレクトしている親、無礼で窃盗をはたらく不良娘たち…と、モラルの低い人間だけが消されていく。

善良な人は生き残る…とどこか教訓めいた単純なお話で、スカッとするっていっていいのかな、理不尽さに恐怖するホラーとは違った趣きがあります。

 

こういう西洋のアンティークドール、自分はリアルでもすごい苦手で怖いんですが、この作品の人形たちはなぜかちょっと可愛いと思ってしまいました。

f:id:dounagadachs:20200304104443j:plain

ニコッ…!

いっぱい並んでいると迫力があるし、表情も怒ってる顔とかは怖いんですけど、みんなでどーするーって話し合ってる雰囲気とか、何を話してるのか分からない高い声とか、あどけない小ちゃい子供にも映ります。


100体くらいは出てるでしょうか、皆んなそんなに統一感がないところがいいですね。

動きはストップモーションや操り糸で動かしてみせているようですが、これもよく出来ていて、不思議とあまりチープな感じはしません。

パンチさんの格闘シーンはカッコよくて、お人形の方を応援したくなってしまいます(笑)。

 


また観ていて個人的に1番怖かったのは、”人形の中に人間が閉じ込められている”という設定です。

この映画、”お人形がヒトを殺す場面”よりも”ヒトがお人形を壊す場面”の方が残酷に映り、さらにその壊れた人形から、腐った人体!?みたいなのが出てくる。ココが1番怖かった!!

その後の展開で、老夫婦の意に介さなかったモラルのない人間が人形に変えられたということが示唆されています。

そうすると、この屋敷の人形たちが、新しく来た人を襲うのって、ちょっと腑に落ちない気もするんだけど…人形になると自我を消されるか、あっても表出できないように押し込まれて、完全に人形師の支配下になるということでしょうか。

f:id:dounagadachs:20200304104434j:plain

どこか厳格な父という佇まいの人形師、やっぱり怖い人かも…。

 

またラストは、ジュディの夢オチじゃないの??と勘ぐって観てたのに大ハズレでした(笑)。

冒頭ジュディは「空想癖のある女の子」として紹介されていました。

「ぬいぐるみのテディが巨大化して親を殺す」というシーンは明らかにジュディの妄想(願望)としか見えません。

子供だって辛いことがあると仄暗いこと考えて逃避するんだよ、っていう妄想エンド嫌いじゃないなあ、と思って期待しつつ観ていたのですが…

オチをみると、「次の家族がまたやって来る」という締め方なので、ジュディだけの世界じゃないんだーとハッキリ分かる。

悪いことをした人たちに罰を与えるちょっと怖い妖精みたいな存在がいる…と童話性を強調したようなエンディング、これはこれで世界観が確立されてて良かった、と思える仕上がりになっています。

妄想オチだと救われないもんね…。

 

ジュディが途中「ヘンゼルとグレーテル」を読んでいる場面も印象的ですが、童話って案外残酷なものが多い…。

日本昔話も例えばさるかに合戦とか悪いことをしたさるは最後相応の罰を受けていたと思いますが、最近のものはちょっとその描写を緩くしてるものも多いみたいで、「どんな過程があっても最後には無理やり皆仲良くしてるのが違和感」と言ってる友人がいました(笑)。

でも「ドールズ」は、まさにここを大人向けにグレードアップさせてみました!って感じで、そこに安心できるようなところが魅力なんだと思います。


子役の女の子は、絵にかいた美少女という感じではないのですが、ものすごく愛らしかった…!!


監督は「死霊のしたたり」「フォートレス」などのスチュアート・ゴードン。でも製作がのちに「パペット・マスター」を手掛けたチャールズ・バンドなので、この人の趣味が全開な作品なのかも。

パペット・マスター 悪魔の人形伝説 [DVD]

パペット・マスター 悪魔の人形伝説 [DVD]

  • 発売日: 2005/03/04
  • メディア: DVD
 


77分という短さで、B級っぽいのにB級臭のしない不思議な品格がありました。

なかなかめっけもんのホラーです!!

 

「殺しのドレス」…ヒッチコックを知らずに観たら、最高に面白かったサスペンス

ヒッチコック作品を知っている人がみれば、あとの展開が読める凡庸なストーリーなのかもしれませんが、自分はコッチを先に観てしまった…。

以下あたまからネタバレですが…

殺しのドレス ―4Kレストア版― [Blu-ray]
 

 ↓ ↓ ↓

 

 

「犯人は女装の多重人格!!こんなすごい話を考えられるなんて、天才や!!」と初めて観たときの衝撃は忘れられません。

観返すと犯人バレバレにしか思えないんですけど、昔から鈍くて鈍くて、土壇場まで全く気付きませんでした(笑)。


ストーリー&見所を順に追っていくと…

1人目の主人公はケイト。(当時51歳のアンジー・ディッキンソンがお美しい)

冒頭のシャワーシーンは改めてみると、ボディ・ダブルだと一目瞭然。

”夫との性生活に不満を感じている妻”という役どころなのは分かるけど、1人で精神科に通ってどうにかなるもんなのか…アメリカの富裕層にはこういうセラピーが身近なものなんですかね。

 

ある日ケイトが美術館に行くと、見知らぬ男性からのアツい眼差しが。

セリフなしでみせる、男女の駆け引き、追いかけっこ。このシーンだけで短編みたいに成り立っているような完成度で、大好きです。

f:id:dounagadachs:20200229170315j:plain

「めまい」によく似た風景。

飾ってある絵も面白くて、アンニュイな感じの女性の自画像は、「ああ、私の人生退屈だわ…!」、謎のゴリラの絵は、「男!獣のような男が欲しい!!」という彼女の想いが伝わってくるようです。

そして男のアパートに行き、情事の帰りに惨殺されてしまうケイト。

全身白コーデがおしゃれ!!と思ってたら、血の赤を際立たせるためだったのね、とあとから納得~。

 

〝不貞な人間が殺される〟…ホラーの法則発動!!にも思えますが、もしかしてケイト、置き忘れた結婚指輪を取りに帰らなければ殺されなかったでしょうか。

幸福でない結婚生活に自分を偽って戻ろうとしたから死んでしまった…なんて無理やりな見方ですかね。

エレベーターで鉢合わせた親子も、家族の別れを暗示してるような感じがして、よく出来た緊迫のシーンです。

 

そして開始約40分。ケイトの死で次の主人公リズ(ナンシー・アレン)にバトンタッチという展開。この辺も「サイコ」ぽいのでしょうが、グイグイ引き込まれて観てしまいます。

コールガール役だけど、生き生きしたしっかり者のナンシー・アレンも大変魅力的ですが、自分が大好きなのは、キース・ゴードン演じるオタク少年、ピーター。

f:id:dounagadachs:20200229170307j:plain

バリバリの理系で、「シュタインズ・ゲート」みたいなお部屋に籠り気味。

どうやらデ・パルマの若い頃を投影したキャラクターで、当初10歳の設定だったらしいのですが…

漫画「ジョジョの奇妙な冒険」4部に出てくる川尻早人くんはこのピーターをモデルにしているのでは!?ときいた覚えがあります。

家族を疑ってカメラで監視、悪い犯人を探し出す…って確かに似てるー。

ちょっとお姉ちゃんな感じのリズと、純朴そうなオタク少年のタッグが微笑ましくて、「付き合っちゃえ!!」と応援したくなってしまいます。


しかしやがて驚愕の犯人が明らかに。

”男の人格が欲情すると女の人格が相手の女性を殺害する”というまさにサイコなキャラクター。

f:id:dounagadachs:20200229170348j:plain

「ファミリー・プロット」な見た目。気付いてしまうとかなり背が高いんですね!!

どんな映画にも出てくれるマイケル・ケインだけど、女装姿は別の女優さんに演じてもらっていて、途中の電話の声はデ・パルマ作品常連、ウィリアム・フィンレイが演じていたというから驚きです。

気付かれにくいよう考え抜いての作り込みにしては、「鏡をみる演出」が随分露骨にみえてしまいます。騙された人間がいうのもなんだけど(笑)。

 


中学生当時、初めて観たときの衝撃は大きく、ずっと1番好きなデ・パルマ作品だったのですが、改めてみると、ラストは「キャリー」の焼き直しにみえてしまって、そこは残念でした。

リズは殺人鬼との対決のトラウマを乗り越えそうな強い感じのするキャラクターに思えるし、犯人の脳内空間みたいなので終わってくれてた方がよかったかも。


やはり通してみるとこの作品で1番魅力的なのは、監督ご本人をモデルにしたというピーター少年で、デ・パルマは子供の頃、母親の浮気を尾行していた…とドキュメンタリーで語っていました。

デ・パルマ [Blu-ray]

デ・パルマ [Blu-ray]

  • 発売日: 2018/06/06
  • メディア: Blu-ray
 

なんとも悲しいエピソード。

そういえば、大師匠ヒッチコックも、母親べったりな幼少青年期を送り、その鬱屈した気持ちを「サイコ」や「めまい」に昇華させたなんて言われていました。

家族のトラウマを映画で発散した監督!?ということでも共通点がある2人なのかもしれません。

 

お話は上手くヒッチ作品をアレンジ、キャラクターも魅力的、さらに絵的センスは抜群。改めて観てもよく出来たサスペンスの名作でした。

 

「ボディ・ダブル」…ラッキースケベ満載なデ・パルマのめまいごっこ

デ・パルマが「殺しのドレス」「ミッドナイト・クロス」に続いて撮った、女性が殺人犯に狙われる系のサスペンス映画。

ラズベリー賞の監督賞にもノミネートされちゃってるし、一般的な評価はかなり下の方なのかな。

ボディ・ダブル [DVD]

ボディ・ダブル [DVD]

 

個人的には一応初めて観たデ・パルマ映画!?で、結構好きな作品。

子供の頃テレビ放映されてたのを途中までしか観せてもらえなくて、長らく途切れ気味の記憶だったけど、映像のインパクトがとにかくすごかった。ドリルのシーン手前で打ち切られたのはもう堪らなかった(笑)。


ストーリーを整理すると…

主人公はB級映画専門の売れない俳優・ジェイク。

ある日自宅に戻ると浮気中の妻に鉢合わせし、さらには仕事もクビとどん底の中、同じ俳優仲間のサムから、自分の代わりに豪邸のお留守番係をして欲しいという願ったり叶ったりな依頼を受けます。

しかもその豪邸!!謎の高性能望遠鏡を完備、夜な夜なエロティックダンスを踊る美しき人妻の部屋を覗き見し放題というではありませんか。

調子に乗って、覗きまくっていたジェイク、しかし美女・グロリアに怪しい人影が迫る…!!ジェイクは殺人を止められるのか!?

 

ネタばらしすると…

全て(主人公に部屋を貸した)サムの計画犯行で、サムは実はグロリアの旦那でした。大金持ちの妻の財産を奪いたい…ということで、殺人を計画。

望遠鏡で、ジェイクに「覗かせる」ことで、夫以外の人間の犯行だと証言させようとした…というオチ。


・望遠鏡で必ず殺人シーンをみてくれるかはジェイク次第と不確定要素大きすぎ!!
・変装してるけど実行犯はサム本人。見るからに怪しいし、職質でもされて捕まったらどーすんのよ!?

…ともう矛盾点だらけなストーリー。しかし、

 

・覗き見要素は「裏窓」
・後半発覚する女性入れ替えネタは「めまい」

…とデ・パルマとしては、敬愛するヒッチコックの作品をふんだんにトレースした意欲作でもあったのではないでしょうか。

 

「めまい」の主人公が高所恐怖症なのに対し、本作のジェイクは閉所恐怖症。

妻に浮気され、自信を失った男性が、エロティックな世界に触れて自分を克服していく物語としてみれば、一本スジが通ってる気もします。

 

ジェイク、完全に変質者にしかみえないけど(笑)。

アダルトビデオみてて「あれ!?このエロエロダンスはもしかしてお隣さん!?」とハッとなる展開が間抜けすぎるけど(笑)。

 

それにしても女優陣が魅力的なのは嬉しいところ。

覗かれる人妻・グロリアを演じるのは、デボラ・シェルトン。

f:id:dounagadachs:20200226213210j:plain

元ミスUSA。なんと「ネメシス」でサイボーグを演じてた方ですね!!

ボディコンルックが最高に似合う、こんなギラギラした美人は滅多にいない…!!

高級下着ショップの試着室でカーテンがちょっと空いてるラッキースケベには、誰しも歩みをとめてしまうでしょう。

 

後半のヒロインは、ガラっと変わって、明るい雰囲気のメラニー・グリフィス

f:id:dounagadachs:20200226213219j:plain

ティッピ・ヘドレンの娘!ダコタ・ジョンソンの母!

覗き見してたストリップシーンが彼女だったなんて!!とビックリ!!

よくみるとグロリアよりスレンダーな体型。微妙に隠れていたとはいえ、人間、あんな場面では思ったより人の顔をみないものですね(笑)。

 

ボディ・ダブルというタイトルは「替え玉」という意味もあるらしく、デ・パルマは「殺しのドレス」のシャワーシーン撮影中に本作のアイデアを思いついたのだとか。

 

本作のラストシーン…主人公が映画の撮影をしているというメタ的な場面…。顔だけの女優と、バスト部分だけの女優と、分けて別撮りしてるシーンも、鮮烈に印象に残りました。


昔どこで読んだか、超美脚なキャメロン・ディアスでさえ、足のアップは別人だという話があって驚いたのですが、「映画でうつる裸が本人のものとは限らない」というのはもう凄い騙しのトリックを知った気分でした。

 

映像的な見せ場も多い作品でもあり、公開当時は女性の権利団体から抗議がきたという、電気ドリルの殺人シーンは強烈です。

床を突き抜け、1階にいる主人公に血が滴る…ここはヒッチコックというよりアルジェントっぽいかも…ホラー的見せ方としては素晴らしいと思います。

でも電話コードの首絞めシーンは何となく「ダイヤルMを廻せ」がよぎってきますね。

 


またジェイクがグロリアを追跡するシーンの長回しもかなり迫力があり、ここは「めまい」を見事にトレースしているのではないかと思います。

f:id:dounagadachs:20200226213201j:plain

デ・パルマあるあるな俯瞰のカット。エスカレーターとかエレベーターも好きですねえ。

モールにありがちな構造がエッシャーのだまし絵っぽくも映ってくる。どこに行くのか、主人公のあとをさらに尾行してるような気分に浸れます。

 

間借りする宇宙船みたいな邸宅もインパクト大!!

f:id:dounagadachs:20200226213145j:plain

こういうふざけた家、こち亀に出てきそう(笑)。

観る人を選びまくる80年代イケイケの独特な世界。でも映画は虚構だ!という迷宮ミステリ感とマッチしていて、自分は大いに楽しめました。

 

終盤犯人との対決がアッサリしているのは残念ですし、「キャリー」を観たあとだと、その完成度の低さに驚きますが(笑)、もう全編デ・パルマのPVってことでいいよ!!と変わらず好きといえてしまう作品です。


出番ごくわずかですが、浮気した主人公の妻役はバーバラ・クランプトン!!ボディ・ダブルなしとお見事でした…!

 

「タイムトラベラー きのうから来た恋人」…核シェルターからこんにちは!異色ラブコメ

ハムナプトラ」(1999)でブレイダン・フレイザーにハマっていた友人一家から「これ、めっちゃ面白いから!」とおススメされてみた作品。

全く期待しないで観たのに、面白かった…!!

まずオープニングが、ソ連の水爆実験の映像というとてもラブコメとは思えないスタート。

本作の舞台は、1962年のアメリカ。閑静な住宅街に暮らすウェバー夫妻ですが、キューバ危機のニュースが連日テレビで流れています。

奇人変人の発明家としてご近所さんに評判な夫・カルビンは、核戦争の不安に耐えきれず、妊娠中の妻・ヘレンを連れて、自宅に作った核シェルターに避難を開始します。

なんとそこに、奇跡のような偶然で、小型飛行機がカルビン家に落下。

シェルターシステムの誤認で、35年自動ロックがかかってしまいます…!!

f:id:dounagadachs:20200222080059j:plain

発明家カルビンを演じているのは、クリストファー・ウォーケン。妻のヘレンはシシー・スペイセクという、超能力使えそうな豪華カップル…!!

とにかくウォーケンの変人博士っぷりがハマりすぎていて、大爆笑です。


そしてヘレンはなんとシェルターで出産!!

「人類が甦るようにアダムと名付けましょう。」「お前がアメリカを再建するんだ。」って、実際は核戦争なんて起こってなくて、ご近所は平和なんだけど、3人家族は浦島太郎状態に。

f:id:dounagadachs:20200222075833j:plain

個人でつくったシェルターなのに意外に広くて、食料たんまりとすごすぎる!!

 

ようやく35年の月日が流れ、いよいよロックが解除…!!

マッドマックス2の世界を想像しながら、ウォーケン父が恐る恐る外に偵察に行くのですが、「生存者か?」街行く人に聞きまわる姿がおかしくて、またまた大爆笑。

f:id:dounagadachs:20200222080039j:plain

街の治安が悪化して、意外に世紀末にみえてしまうというまさかの落とし穴…!

 

そして外の変化にショックを受けて身体をこわした父に代わって、アダムが外に出る、”はじめてのおつかい”がスタートします。

 

下手をすると奇人にしかみえないアダムだけど、その天真爛漫さが嫌にならない、不思議な魅力のキャラクターになっています。ハムナプトラ」のブレイダンに心ときめかなかったけど、素朴な雰囲気にほっこり。

そしてそのアダムが恋に落ちる女性、イヴを演じるのは、アリシア・シルヴァストーン。ギャルだけどスレてない今どき女子役がまたハマっていて、可愛いです。

 

62年から97年へのタイムトラベル。

もっと時事ネタを入れたり、作中でも軽く描写してるような黒人差別や同性愛への価値観の変化などをもっとガッツリ描いて、社会派コメディみたいにも出来そうだけど、カラッと明るい90年代ラブコメに。

古めかしいといっていい、大仰な礼儀正しさのアダムが案外90年代女性にモテる!!というのが面白いです。

 

恋はハッピーエンドでアダムとイヴは結ばれるのだけれど…ラストは改めてみると、意外にほろ苦い感じがしました。

アダムは多分これから現代に適応して幸せに暮らして行くんだろうけど、そのアダムが両親には外の世界はショックだろうと、世間から隔離した一戸建てを建ててプレゼントする。

お父さん・お母さんは、もう60年代の時が止まったような世界から出てこないという結末。

f:id:dounagadachs:20200222080735j:plain

 

挙句お父さんは、息子が説明しても、冷戦の終結など歴史の事実も一切受け入れないままでした。

歳とった親には変化がしんどすぎた。お年寄りは時代の変化に取り残される…って昔は最後までコメディだと思って笑ってみてたような気がするけど、ここは改めてみるとちょっと切ないドラマでした。


でもアダムがずっと好青年で、失われた自分の35年を悔やまず、幸せをゲットしてるところ。古き良き時代の価値観をもった息子が両親にとって1番よいだろう選択をしたこと。哀しいけど、アダムの善良さに救われるラストです。 

 

とにかくクリストファー・ウォーケンが面白くて最高な映画!!という記憶でしたが、本当にハマり役で前半は思い切り笑わせてくれますし、ラストの哀愁あふれる姿も見事でした。

 

原題:Blast from the Past はスラング的意味合いで「懐かしい思い出」とも訳せるようです。日本人にはさっぱり伝わらない…。

「タイムトラベラー」というタイトルだと他作品と被りがちですが、シェルターにて”時をかける青年”…的を射たタイトルな気もします。

90年代ラブコメの意外な良作でした…!!