どうながの映画読書ブログ

~自由気ままに好きなものを語る~

読書

「プロジェクト・ヘイル・メアリー」…少年漫画的ロマンとなろう小説的高揚感

「火星の人」(映画「オデッセイ」は自分はかなりイマイチだった)のアンディ・ウィアーの最新作で2021年のベストセラー「プロジェクト・ヘイル・メアリー」を読みました。 プロジェクト・ヘイル・メアリー 上 作者:アンディ ウィアー 早川書房 Amazon ネタ…

「ゴーンガール」…臆病で繊細な原作小説のエイミーが好きだった

原作→映画の順で鑑賞。映画も主演2人がハマり役で悪い出来ではなかったと思いますが、自分は原作小説の方が圧勝で面白かったです。 「夫と妻の独白が交互に進んでいく」というスタイルは映画も原作も同じですが、本ではフルで展開している「妻の日記パート」…

「指輪物語」/「ロード・オブ・ザ・リング」…ファラミアの改変の記憶

仕方がない、ファラミアは犠牲になったのだ… ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔 (字幕版) ヴィゴ・モーテンセン Amazon 自分がちょうど高校生の頃に公開され、70年代でいうところの「スターウォーズ」旧三部作のような興奮と熱気をリアルタイムで味わわせて…

エラリー・クイーン「Yの悲劇」を読んでみた

先月ダリオ・アルジェントの「スリープレス」のBlu-rayが発売されました。 特典盛りだくさんでめちゃくちゃ嬉しい内容だったのですが、アルジェントはエラリー・クイーンが好きでかなり影響を受けているとのこと。 エラリー・クイーン…名前は知ってるけど読…

「ローズ・マダー」…傑作?迷作?キングのロマンス小説風サスペンス

高校卒業後に結婚、14年間夫の暴力に耐え続けてきたローズはある日突然家を飛び出した。偶然駆け込んだDVシェルターにて心身ともに回復し幸せな日々を手に入れた彼女だったが、警察官の夫が追跡を開始する。しかし逃亡先の街で出会った不思議な絵がローズに…

「ミザリー」映画/原作…白熱の頭脳戦で男女愛憎劇

キングの最高傑作といえばきっとこれ、映画の方もキング映像化作品の中でトップクラスの出来栄えじゃないでしょうか。 ミザリー [Blu-ray] キャシー・ベイツ Amazon 自分が初めて「ミザリー」をみた頃、ちょうどテレビで陣内孝則が雛形あきこに付き纏われる…

「トリフィド時代」…終末SFの先駆、ゾンビものの典型してて面白い

その夜地球が大流星群の中を通過し、誰もが世紀の景観を見上げた。ところが翌朝流星を見たものは全員視力を失ってしまう。混乱の中植物油採取のため栽培されていた植物・トリフィドが人を襲い始めた…!! トリフィド時代 (食人植物の恐怖)【新訳版】 (創元SF…

「パーマー・エルドリッチの三つの聖痕」…人類vs悪魔の幻覚ドラッグ

1965年出版、フィリップ・K・ディックの代表作の1つと言われている長編。 パーマー・エルドリッチの三つの聖痕 作者:フィリップ K ディック 発売日: 2013/02/28 メディア: Kindle版 LSD小説の古典と言われているそうですが、おじさん2人が絶望的な敵と死に…

リチャード・マシスン「縮みゆく男」、中年男性の精神の危機を描く哲学的SF

スコット・ケアリーは、放射能汚染と殺虫剤の相互作用で、1日に7分の1インチ(3.5ミリ)ずつ身長が縮んでゆく奇病に冒されてしまう。世間からの好奇の目、家庭の不和。昆虫並みの大きさになってなお、孤独と絶望のなか苦難に立ち向かう男に訪れる運命とは?…

「死のロングウォーク」、スティーヴン・キング作品で1番怖かった

1979年にスティーヴン・キングがリチャード・バックマン名義で発表した長編小説ですが、大学生の頃に書き上げていたものらしく実質キングの処女作と言われています。 バックマン・ブックス〈4〉死のロングウォーク (扶桑社ミステリー) 作者:スティーヴン キ…

「レッド・ドラゴン」と「刑事グラハム」を見比べてみた

「羊たちの沈黙」の前日談にあたる「レッド・ドラゴン」。 映画はさておきトマス・ハリスの作品の中ではこれが1番面白いんじゃないかなーと思います。 レッド・ドラゴン〔新訳版〕 上 (ハヤカワ文庫NV) 作者:トマス ハリス 発売日: 2015/11/06 メディア: 新…

「羊たちの沈黙」原作再読/乙女ゲーのようなときめきとタフな仕事人ドラマ

子供の頃テレビ放映されてたのを観たのが最初でしたが、「美女と野獣」の変形ラブストーリーなどと言われるだけあって、レクター博士とクラリスの微妙な男女関係にドキドキ。 映画も原作も好きで何度も手にとった作品でした。 羊たちの沈黙 [Blu-ray] 発売日…

原作小説の方が面白かった「トレインスポッティング」

90年代を代表する映画作品の1つに入っていそうなダニー・ボイル監督の「トレインスポッティング」。 初めてみたときにはオシャレで演出が面白い映画くらいにしか思わなかったのですが、高校生のときに原作小説を読んだらすごく面白くて、そのあとで映画を再…

貴志祐介「黒い家」…”おかしな人”に疲弊するサラリーマンの恐怖

生命保険会社で働く主人公・若槻はある日顧客の家に呼び出され、子供の死体の第一発見者となってしまう。 ほどなくして両親から保険金が請求されるも、発見時の不可解な点から、若槻は金目当てで継父が殺害したのではと疑い、独自の調査に乗り出す…。 黒い家…

「レベッカ」(原作)…レベッカも怖いけど、主人公夫婦2人も怖い

ヒッチコックのハリウッド進出第1作目で、ヒッチコック全作品中、アカデミー賞作品賞を唯一受賞している「レベッカ」。 レベッカ [DVD] 発売日: 2011/02/16 メディア: DVD 両親のいない天涯孤独の身の「わたし」は、付添人という仕事に就き、貴夫人にこき使…

筒井康隆「七瀬」シリーズ、3作それぞれ異なる面白さ

人の心を読むテレパスの設定は、映画や漫画でもよくある設定の1つだと思いますが、筒井康隆の「七瀬」シリーズは、人の思考が括弧でくくられた文章で迫ってくるのがまず新鮮で面白くて、夢中になって読みました。 自分が手に取ったのは「七瀬ふたたび」から…

映画と共にふり返る名作文学「ジェーン・エア」

中学の頃、国語の先生が”ロチェスター様萌え”的トークでアツく語っていて気になって読んだ「ジェーン・エア」。 女性の自立心を描きつつも基本はザ・メロドラマ、少女漫画のような世界観で読みやすい!! とんでもなく我の強い主人公が、とんでもなく我の強…

「ヘルハウス」(地獄の家)のロディ・マクドウォールがカッコいい

久々に映画をみて、フィッシャー(演:ロディ・マクドウォール)のキャラクターがいいなあと興奮。 「ヘルハウス」といえば、幽霊屋敷vs4人の男女という、呪われた屋敷系ホラーの名作。 ヘルハウス [DVD] 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンタ…

江戸川乱歩全集なのか!?な「恐怖奇形人間」をふりかえる

改めてみてもすごいタイトル…。 石井輝男監督の「恐怖奇形人間」を久々に観た。 障害者差別との批判が懸念されたためか、長らく国内でソフト化しておらず、コアファンは海外版DVDを購入している、といういわく付きの映画だったと思う。 江戸川乱歩全集 恐怖…

映画「ナインスゲート」の原作・”呪のデュマ倶楽部”が面白い

映画「ナインスゲート」といえば…ジョニー・デップ主演、ロマン・ポランスキー監督の2002年の映画。 ナインスゲート ―デジタル・レストア・バージョン― [Blu-ray] 出版社/メーカー: 角川書店 発売日: 2011/06/24 メディア: Blu-ray 購入: 1人 クリック: 1回 …

「三銃士」の映像化作品をふりかえる

「三銃士」といえば…王政下のフランス、青年・ダルタニャンが活躍する冒険物語だけれど、アレクサンドル・デュマ・ペールの原作を全部読んだことがあるという人はどの位いるのだろうか。 実は「三銃士」は、「ダルタニャン物語」3部作の第1部にすぎず、全体…

「侍女の物語」の憂鬱な世界に圧倒される

本屋さんのSF本コーナーに置いてあり、比較的最近に読んだ本、「侍女の物語」。 「ハンドメイズ・テイル」という、話題の海外ドラマの原作のようで、以前から少し気になっていた。 侍女の物語 (ハヤカワepi文庫) 作者: マーガレットアトウッド,Margaret Atwo…

筒井康隆・著「銀齢の果て」の老人たちがカッコいい

SF作家の巨匠・筒井康隆氏の作品は七瀬シリーズをはじめ、夢中になって読んだものが多い。 その中でも「銀齢の果て」は、2006年と比較的近年に執筆されたものだが、個人的に1番印象が強い作品だ。 銀齢の果て (新潮文庫) 作者: 筒井康隆 出版社/メーカー: 新…

クリスティ原作・映画「情婦」に騙される…!

60年くらい前の作品なのに、観た後、「騙された~!」と心の中で叫んでしまった。「原作を超えた映画10選」「裁判ものの傑作10選」「どんでん返しものTOP10」…などなど、あらゆるところでよく見かけるタイトルだったので、どんだけ~と思いながら、今更観賞…

原作「コレクター」は、インテリ女学生vs成金ボッチ男の精神バトルを描いた超傑作

「コレクター」というタイトルの映画作品は、大変ややこしいことに複数あるようなのだが、ウィリアム・ワイラーが監督した1965年の「コレクター」は紛れもない傑作だと自分は思っている。 コレクター [DVD] 出版社/メーカー: Happinet(SB)(D) 発売日: 2016/0…

多重人格モノの魅力…「五番目のサリー」の疑問

中学生の頃だったか、「真実の行方」という映画作品の原作を読んだことがきっかけで、”多重人格”を題材にした小説や映画を好んで探していたときがあった。 「真実の行方」という作品では、街の大司教が殺害されその容疑者としてある青年が逮捕されるのだが、…

「L.A.コンフィデンシャル」原作のエドの魅力について語ってみたい

映画ファンの間でも評価が高い「LAコンフィデンシャル」は、自分も大好きな作品で、原作小説も夢中になって読んだ。 犯罪の絶えない1950年代のロサンゼルスを舞台に、刑事3人が、とある殺人事件をそれぞれ調査するうちに、警察組織の腐敗に直面する……という…