どうながの映画読書ブログ

~自由気ままに好きなものを語る~

サスペンス

「マシンガン・パニック/笑う警官」…マルティン・ベック映画化作品、完全に別物でなんじゃこりゃ⁉

スウェーデンの警察小説、マルティン・ベックシリーズの最高傑作として名高い第4作目「笑う警官」。 なんとウォルター・マッソー主演でアメリカで映画化されているとのこと。 マシンガン・パニック/笑う警官 [DVD] ウォルター・マッソー Amazon 「サブウェ…

刑事マルティン・ベック「笑う警官」…シリーズ最高傑作の呼び声高い第4作目

警察小説の金字塔と呼ばれるマルティン・ベックシリーズの中でエドガー賞を受賞しており、最高傑作の呼び声が高い第4作目。 刑事マルティン・ベック 笑う警官 (角川文庫) 作者:マイ・シューヴァル,ペール・ヴァールー 角川書店 Amazon 新訳シリーズとして刊…

「真夜中の処刑ゲーム」…カナダの要塞警察!?ラストのオチに戦慄

ジョン・カーペンターの「要塞警察」と並ぶ2大籠城モノ!?として有名な作品。 リアタイ世代には淀川長治さんが解説されていた日曜洋画劇場での視聴が伝説的だそうですが、未見だったのを初鑑賞。 めちゃくちゃ面白かったし、怖かった…!! 「要塞警察」より…

刑事マルティン・ベック「バルコニーの男」…一気にシリーズものの広がりをみせる第3作目

スウェーデン発、警察小説の金字塔とよばれる「刑事マルティン・ベック」。 昨年鑑賞した映画が面白かったので、原作小説を読んでみようとシリーズを順番に追っていますが、今回は3作目。 刑事マルティン・ベック バルコニーの男 (角川文庫) 作者:マイ・シュ…

「ミュート・ウィットネス 殺しの撮影現場」…第2のヒッチコック!?出色サスペンス・スリラー

「ファングルフ/月と心臓」のアンソニー・ウォラーが監督・脚本・製作を手掛けた95年のサスペンス・スリラー。 コメント欄で教えていただき、面白そうなので観てみました。 ミュート・ウィットネス 殺しの撮影現場 [DVD] マリーナ・スディナ Amazon 特殊効果…

刑事マルティン・ベック「煙に消えた男」…スウェーデン至高の警察小説第2作目

前作「ロセアンナ」に引き続き、「刑事マルティン・ベック」シリーズの第2作目を読んでみました。 刑事マルティン・ベック 煙に消えた男 (角川文庫) 作者:マイ・シューヴァル,ペール・ヴァールー,柳沢 由実子 KADOKAWA Amazon 猟奇殺人系の怖さが漂っていた…

「ジャガーノート」…赤か青か!?70年代激渋パニックサスペンス

「赤と青の線どっちを切るか!?」…爆弾処理ものの元祖として知られる作品ですが、ハリウッド映画の大作と比べると圧倒的に地味…!!地味なのに物凄い緊迫感…!! 吹替シネマ2021 ジャガーノート-HDリマスター版- [Blu-ray] リチャード・ハリス Amazon イギ…

「悪魔のシスター」デジタルリマスター版を観てきました

ブライアン・デ・パルマ監督の73年のサスペンススリラーが期間限定公開。 なんて渋いチョイス、同じデ・パルマなら「キャリー」か「フューリー」か「殺しのドレス」が劇場で観てみたかったなーと思いつつ、改めてみたらこちらも面白かった…!! ヒッチコック…

「殺人捜査」…エリオ・ペトリ監督の異色犯罪劇

昨年みたモリコーネのドキュメンタリーで取り上げられていて気になっていた70年のエリオ・ペトリ監督作。 Indagine Su Un Cittadino Al Di Sopra Di Ogni Sospetto [Italian Edition] [Blu-ray] Florinda Bolkan Amazon アカデミー賞外国語映画賞を受賞して…

刑事マルティン・ベック「ロセアンナ」…スウェーデン至高の警察小説、第1作目

昨年鑑賞した「刑事マルティン・ベック」の映画がとても面白かったので原作小説を手に取ってみました。 刑事マルティン・ベック ロセアンナ (角川文庫) 作者:マイ・シューヴァル,ペール・ヴァールー,柳沢 由実子 KADOKAWA Amazon 全10冊のシリーズ、自分が観…

「カサンドラ・クロス」を午前十時の映画祭で観てきました

コロナ禍で引き合いに出されることも多く、タイトルだけは知っていたのですが、ずっと未見だった作品を午前十時の映画祭で初鑑賞してきました。 パンデミックものかと思いきや後半は怒涛のアクション。まさに1粒で2度美味しい作品。 最後の橋のシーンは夏に…

「刑事マルティン・ベック」…スウェーデン製激渋サスペンスアクション

スウェーデンの傑作ミステリを本国で映画化した警察映画の金字塔だそうですが… 刑事マルティン・ベック 超・特別版 [Blu-ray] カルル・グスタフ・リンドステット Amazon 「ドラゴン・タトゥーの女」のような犯人探し系ミステリを想像していたら後半全然トー…

「死んでいるのは誰?」…ヴェネツィアの迷宮彷徨うジャーロの傑作

「サスペリアPART2」で出番は少ないながらも強い印象を残すトカゲ刺し少女、ニコレッタ・エルミが出演していることで知られる72年のジャーロ。 死んでいるのは誰? [DVD] ニコレッタ・エルミ Amazon 次から次に登場する怪しいキャラクター、曇天の暗い迷宮の…

「ひらいたトランプ」…カッコいいポワロと気弱だけど恐ろしい窃盗犯

名探偵ポワロは夜ごとゲームに興じる悪い噂の絶えないシャイタナ氏のパーティーに呼ばれた。 ポワロを含めて8人の客が2部屋に分かれてブリッジに熱中している間、客間の片隅でシャイタナ氏が刺殺されてしまう。 なんと居合わせた客は殺人の前科を持つものば…

アガサ・クリスティ「ナイルに死す」…人間の幸不幸は案外平等だという価値観

社交界の花形であり財産家でもあるリネットと失業中のサイモンのハネムーンには暗雲がたれこめていた。 婚約者を奪われたジャクリーンが拳銃を手に2人の行く先々に現れ、いやがらせをするのだ。 同じナイル川観光船に乗り合わせたポワロは、そんな彼女の振る…

「キラー・スナイパー」…衝撃のチキン、フリードキンのブラックコメディ

ドキュメンタリー「フリードキン・アンカット」で取り上げられていて気になっていた2011年のフリードキン監督作。 キラー・スナイパー [レンタル落ち] Amazon 全盛期の作品に比べればずっと小粒ではあるけれど、善人不在の突き放したような冷たさ、リアルな…

追悼ウィリアム・フリードキン「恐怖の報酬」再上映に行ってきました

先月亡くなられたフリードキン監督の訃報を受け、シネマート新宿さんが6日間限定で「恐怖の報酬」を再上映。 とても有難い企画で観に行ってきました。 愛情たっぷりのディスプレイ。 密林を再現してニトロまで設置…!! まるで一緒に酒場にいるような… 恐怖…

「マッドボンバー」…爆弾魔vs暴行魔vs熱血刑事

「デビルズゾーン」のチャック・コナーズが狂気の爆弾魔を演じた72年公開作品。未見だったのを鑑賞してみました。 マッドボンバー [Blu-ray] ヴィンセント・エドワーズ Amazon 特にストーリーが面白いわけではないけれど、濃ゆい顔の俳優陣をみているだけで…

アガサ・クリスティ「ゼロ時間へ」…恐怖の犯人と塞翁が馬的人生観

子供の頃「オリエント急行殺人事件」の映画をテレビでみて、それからアガサ・クリスティにハマって読んでいた時期があったのですが、1番好きだったのがこの「ゼロ時間へ」と言う作品。 断崖絶壁に面した海辺の館が舞台なのですが、タイトルのイメージとも重…

「F/X 引き裂かれたトリック」…特殊効果マンが魅せる異色サスペンスアクション

85年製作、FXマン(特殊効果担当の男性)を主人公にしたサスペンスアクション。 F/X 引き裂かれたトリック [DVD] ブライアン・ブラウン Amazon 地味だけれど「ミッドナイトクロス」や「ボディダブル」のような映画製作の裏を覗いている気分になれるところが…

「見えない恐怖」…イギリス製、仄暗い盲目サスペンススリラー

主人公が盲目のサスペンススリラーといえば「暗くなるまで待って」とこの作品が思い浮かびます。 昔VHSの叩き売りで拾ってみたらアタリだった静かな良作。 冒頭エルマー・バーンスタインの曲が鳴り響くなか映し出される星マークが付いたブーツを履いた謎の男…

エラリイ・クイーン「九尾の猫」…アルジェントのトラウマ元ネタ!?サイコキラーものの先駆的小説

昨年鑑賞したダリオ・アルジェントの「スリープレス」Blu-rayの特典映像にて、アルジェントはエラリイ・クイーン好きだと語られていました。 「スリープレス」は小説「Yの悲劇」にインスパイアされていたようですが、他にも着想を得た作品があるのかしら…と…

「野獣死すべし」…グロ描写炸裂!?ルチオ・フルチのギャングムービー

フルチが「サンゲリア」と「地獄の門」の間に撮ったという80年公開のギャング映画。 同年公開の松田優作の主演映画となぜか同じタイトル、ハードボイルド路線のフルチだということですが… 話の合間に突然挟まってくるグロ描写に思わず笑ってしまう、フルチフ…

「わらの犬」…大人しい男の怠慢と暴力の才能

ニュースなどで何か事件があると「犯人は真面目で大人しい人でした」と報道されているようなことが時々あって、大人しい村の住民である自分は「大人しい奴のネガキャンやめてくれや、もし犯人がパリピやったら『犯人は賑やかなパリピでした』ってちゃんと言…

「迷宮のレンブラント」…天才贋作画家が描いた本物の絵

97年制作、ジョン・バダムの最後の映画監督作。 レンブラントの贋作を手掛けた画家が事件に巻き込まれる…設定だけでワクワクさせられてとても面白かった記憶のある作品です。 迷宮のレンブラント【字幕版】 [VHS] ポニーキャニオン Amazon 天才的な贋作の技…

「ゴーンガール」…臆病で繊細な原作小説のエイミーが好きだった

原作→映画の順で鑑賞。映画も主演2人がハマり役で悪い出来ではなかったと思いますが、自分は原作小説の方が圧勝で面白かったです。 「夫と妻の独白が交互に進んでいく」というスタイルは映画も原作も同じですが、本ではフルで展開している「妻の日記パート」…

「ロードゲーム」…地味なおっさんvs地味な殺人鬼のロードスリラー

「激突!」を思わせる82年公開のオーストラリア製サスペンス。 監督は「サイコ2」「パトリック」のリチャード・フランクリンですが、この人はやっぱり才能アリ。 低予算ながら引き込まれる作品になっています。 ロードゲーム (ユニバーサル・セレクション第3…

エラリー・クイーン「Yの悲劇」を読んでみた

先月ダリオ・アルジェントの「スリープレス」のBlu-rayが発売されました。 特典盛りだくさんでめちゃくちゃ嬉しい内容だったのですが、アルジェントはエラリー・クイーンが好きでかなり影響を受けているとのこと。 エラリー・クイーン…名前は知ってるけど読…

アルジェント後期傑作「スタンダール・シンドローム」を独自解釈してみた

性暴力の被害に遭った女性の精神崩壊を描くダリオ・アルジェント監督作。 殺人シーンにいつものような芸術性は皆無で淡々と渇いた感じ。ストーリーは破綻こそ少ないものの解釈を委ねたようなやや難解なつくり。 好みが分かれそうな作品ではありますが個人的…

「クルージング」…ゲイバー潜入捜査、不完全B級サスペンスなフリードキン

ゲイ連続殺人事件を追ってアル・パチーノがSMクラブに潜入捜査する… Cruising - Deluxe Edition [Import anglais] Al Pacino Amazon フリードキンこんな映画も撮ってたんだー、という80年制作の作品。 公開当時「偏見を増長させる」とゲイ団体から猛バッシン…