あの「裸の銃を持つ男」のリブート版が製作。
アメリカではヒットしたらしいのに、日本では劇場未公開で配信&Blu-rayリリースのみになってしまった模様。
主演はなんとあのリーアム・ニーソン。意外とコメディがハマりそう、大真面目にバカやってくれそうでナイスな人選。
でもレスリー・ニールセンにはどうやっても敵わない気がするなあ…
期待値を下げて鑑賞に臨みましたが、思ったよりよく出来ていて面白い!!
オリジナルへのリスペクト満載であの空気感を再現しようと大健闘。
ヒロイン役のパメラ・アンダーソン・リーと2人で体を張っててめっちゃ笑いました。
パロディネタに乏しく、全体的に低予算に感じるというかテレビ映画っぽい仕上がりなのは気になりましたが…
充分面白かったという気持ちと、やっぱりオリジナルはすごかったという気持ちが半々になりつつ、懐かしさとともにゲラゲラ笑わせてもらいました。
◇◇◇
偽ハンス・ジマーみたいな音楽が鳴り響く中、「ダークナイト」っぽい雰囲気の銀行を強盗集団が襲撃。
混乱に乗じて怪しげな男が金庫ボックスから謎のスイッチを盗み出します。
特殊部隊が外で待機する中「キックアス」のクロエ・グレース・モレッツのような少女が1人銀行に突撃。
すると突然顔のマスクが剥ぎ取られ、中からおっさんがニョキニョキと現れる!!

フランク・ドレビン・ジュニアが華麗に登場。
強盗団との格闘戦が手遊びみたいになったり、「キングスマン」風にアレンジしつつアクションの動きも昔のやつに寄せている気がしました(笑)。
今作の主人公は初代フランク・ドレビンの息子という設定。
相棒もエドの息子で、警察署全体が2世で溢れているバカバカしいギャグに笑いますが、触れにくいOJも無視せず一瞬イジってみせるなど出だしからかなり好印象。
運転トラブル起こしまくりのお父さんの性をしっかり受け継いだフランクJr.。
自動運転の電気自動車でやらかしまくるところなど、現代にアップデートしながらの旧作リスペクトにニンマリ。
交通課に異動になったフランクはとある事故死体の調査に赴くことに…
自殺で事件を片付けようとするフランクでしたが、亡くなった男の妹だというベスが署にやって来ます。
56歳のお年もなんのその、ナイスバディのパメラ・アンダーソン・リー。
ボトックス打ちまくりのパンパンな顔じゃないのが素敵、オーラが半端ない。

スキャットを熱唱する体当たり演技に笑いました。
出会うや否や早速いい感じになるフランクとベス。
2人を監視するスナイパーがサーモグラフィースコープでアパートを覗いているとトンデモない光景が…

(ワンちゃんと戯れる微笑ましい姿が卑猥なシルエットにww)
巨大コンドームなどアホみたいな下ネタに全力投球してた「裸の銃」スピリットを継承、バカバカしくて大笑いしました。
続くバカンスデートでは雪の山荘へ…懐メロテイストな洋楽が鳴り響く中流れていく楽しい時間。
ところが途中で急に雲行きが変わっておまじないで雪だるまに命を吹き込むことに成功、そこから妙に凝ったホラー短編が始まる(笑)。

本編に全く関係ない無駄なシーンに大爆笑、製作陣のセンスを感じました。
爆笑シーンは他にもたくさん。
防犯カメラの動画ファイルをチェックするときに飛ばせない広告が出てくるの、現代ならではのあるある(笑)。
敵と格闘してるうちに番号順に殴られるシステムになってるの、こういうギャグセンスが懐かしい。
コーヒータンブラーを何回も捨てては受けとるくだりには「もういいって!!」となりつつ、量で押し切られられると笑ってしまいます。
一方元ネタが分からないと付いていけないような笑いもチラホラ。
「バッフィー恋する十字架」の録画が消えて怒り心頭のフランク。世代的にこのドラマのファン層なのか疑問で謎チョイス(笑)。
ブラック・アイド・ピーズを語るくだりは洋楽に詳しくなくて全く付いていけず…
「ミランダ権利(ライツ)を無視したな」「ミランダは弁護士、本を書くのはキャリー」の「セックス・アンド・ザ・シティ」ネタには笑いました。
"take a chair”(have a seat)と言われて椅子を持って帰るベス、「UCLA?」「You see LA?」など、しょうもない言葉の掛け合いも健在。
旧シリーズも元ネタに付いて行けないところはありましたが、勢いに流されて笑ってしまいます。
事件の真相に迫ったフランクとベスは、エンジニアだったベスの兄を殺した犯人が巨大企業テストロンの社長、リチャード・ケインであることを突き止めます。
ケインは「人間を原始本能に戻す周波を出す装置」を使い、人類を選別しようと企んでいました。
「昔の世界の方がよかった」とボヤく懐古厨ジジイが敵なのも皮肉が効いていていいキャラ配置。
フランクがケインの手下を捕まえて自白させようと尋問するシーンでは、相手を騙してジャジャーン!!とハリボテの壁がお開きに…
完全に「ミッション・インポッシブル」、それが3段階になっているという豪快なボケが最高でした。
さらにフランクはケインの出席する格闘技イベントに潜入。
キンタマみたいなミラーボールに逆さ吊りになって股間を披露するのも愉快。

最後は亡きお父さんの霊が宿ったフクロウの力を借りてケインを追跡し、無事逮捕。
人類をクールダウンしてくれるのはエンヤだった(笑)。
エンドロールの最後まで気の利いた旧作リスペクトでした。
テンポよく85分でコンパクトにまとまっていて上出来だと思うのですが、クライマックスに華やかさがない。
オリジナルの怒涛のギャグの連続、洒落たセンスにはやはり及ばなくて惜しい気持ちが残ってしまいました。
パロディネタが少ないのは、もうハリウッドにこれという名場面のある大作がないから…皆が一緒にお腹を抱えて笑えるようなネタがないんだなーと寂しく思われました。(唯一出たミッション・インポッシブルはいいチョイス)
エンドロールでオリジナルの〝パトカーのサイレンがあちこちを走るオープニング〟がそのまま流れてきて、「やっぱり旧版のセンスは凄かったなー」となってしまい、ここは新しく撮りなおすか冒頭に持ってきてた方がよかったかも。
昔は不謹慎さも含め怖いもの知らずだった…キレッキレだったオリジナル版に比べて全体的にマイルドというか優しい印象が残りました。
本作撮影時リーアム・ニーソンは72歳。レスリー・ニールセンは1作目撮影時62歳。(3作目のときでも67歳)。
年の差もあるのか分からないけど、レスリー・ニールセンのあの異様な力強さ。
リーアム・ニーソンは下ネタをやっても上品というか、レスリー・ニールセンはあんな白髪頭の爺ちゃんでも下半身ビンビンで元気ハツラツなのがしっくり来てたなあ(笑)。
それでいて不快な下品さはなく凄い爺ちゃんだったんだなーとしみじみなってしまいました。
なんだかんだで大爆笑。リーアム・ニーソンとパメラ・アンダーソン・リーの相性は抜群で、007だって交代時は厳しくみてしまいがち、この2人でもう1作みたいと思わせてくれました。
「裸の銃」を今の時代に甦らせようとしてくれた意気込みは充分に感じて懐かしさで胸がいっぱいに…一抹の寂しさも感じつつ、好感触&大健闘のリブート版でした。
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