どうながの映画読書ブログ

~自由気ままに好きなものを語る~

「裸の十字架を持つ男」…全力でエクソシストなパロディ

エクソシスト」を盛大にパロディしたレスリー・ニールセン主演の90年のコメディ。

邦題とジャケ写は「裸の銃を持つ男」に便乗しまくりですが、原題は”Repossessed”。

「裸の銃〜」と比べてしまうと華やかさも切れ味も落ちますが、くっだらねーと言いつつ爆笑。

リンダ・ブレアがパロディに全力投球してくれていて迫力ある演技を再び披露。

エクソシスト」ファンには楽しい作品になっています。

◇◇◇

1973年…少女ナンシーに取り憑いた悪魔を祓うため、やって来たイーデス神父。

(家の雰囲気も女優さんも似せてきてるww)

階段から転げ落ち心臓病を患うことになったものの、見事悪魔に勝利したイーデス神父。

しかしその17年後…結婚して幸せな家庭を築いていたナンシーに再び異変が。

ゲロ吐くナンシーを家族は更年期だと受け止めていましたが、実はイーデスに復讐を誓うサタンが再び取り憑き、盛大な野望を抱いていたのでした…

 

とにかくネタ数が多く、しょうもない笑いのオンパレード。

下ネタ、動物ネタ、有名人ネタ…ハイスピードでギャグが展開してくのが凄い。

お話は一応本家をリスペクトしていて、カラス神父ポジションの若い神父も登場。

お説教は進次郎構文だけど人の好さそうな青年。

イーデス神父は引退生活を送っていましたが、協力を乞われて再びエクソシストに。

悪魔祓いするにはまず体力がいる!!とジムに行きますが、エロいお姉さんをみて爺さんの心拍モニタがピーッ…ベッタベッタで下らないけど笑ってしまいます。

一方宗教番組のホスト・テレビ伝道師アーネストは悪魔祓いを実況中継しようと企画。

レクイエム・フォー・ドリーム」に出て来そうな異様なテンションの番組ですが、アメリカではあるあるなんでしょうか。

寄付金ガッポリの宗教番組というダークな笑いを挟みつつ、電波を通じて視聴者の魂を乗っ取ろうとする悪魔との対決へ。

後半のリンダ・ブレアの弾けっぷりがすさまじく、豹変演技が見事。ベッドに縛られ、首回転してととにかく大忙し。

メイクも本家に寄せようとしてるのが伝わってくるし、やっぱりゲロの色は緑がいい!!

イーデス神父も重い腰をあげてバトルに参戦しますが、「ロッキー」っぽいBGMとともにえんどう豆スープを飲み干し「ランボー」のお弁当箱を持参…となぜかスタローンリスペクト(笑)。

「私に入れ!!」で服が入れ替わるアホな展開に爆笑してしまいます。

ラストはローマ法王仏教徒ムスリム教徒と世界の宗教家が集まり、ロックンロールで悪魔を撃退。なんて陽気な世界なんだ…!!

 

リンダ・ブレアはよくぞここまでやってくれたなあとリスペクトしかありませんが、本人も楽しく演じたと語っているらしく、痛々しくなっておらず生き生きした様子なのが観てて楽しい。

レスリー・ニールセンリンダ・ブレアも真剣にアホやってる姿がチャーミング。

元気の出るおバカコメディでした。