どうながの映画読書ブログ

~自由気ままに好きなものを語る~

「クリフハンガー」…雪山で暴れる不死身のスタローン映画

ファイト〜!!いっぱーつ!!…と思わず叫びたくなる…!!

1993年製作の「クリフハンガー」といえば、シルヴェスター・スタローンが雪山で暴れまくるアクション映画の良作。

クリフハンガー [Blu-ray]

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自分にとっては「ロッキー」「ランボー」よりなによりも先に出会ったスタローン映画であり、「サーラー!!」と叫びながら、友達とクリフハンガーごっこをしていたら、「そんな不謹慎なことをするな」なんて怒られた思い出もある。

最近観返したので、少し語ってみたい。

 

 

◆冒頭がクライマックス…!!

オープニングシーンにて空撮で映されるロッキー山脈。

もう山というより、断崖絶壁。なんでこんなとこ登るのよ!?と問いたくなるような、圧巻の大自然の風景が迫力満点だ。

スタローン演じるゲイブは、山のレスキュー隊員。

ある日親友ハルとその恋人・サラの救出に出向かうが、アクシンデントが起こり、サラが皆の目の前で死んでしまう…。

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ポスターにもなっていた、この冒頭シーンがクライマックスといっていい位の素晴らしい出来栄えのように思う。

下は高所恐怖症でなくともブルッとくるような谷底。

案の定トラブルが起きてずり落ちそうになるサラ。本人がパニックに陥ってわめくのがさらに恐怖を煽る。

「大丈夫だよね?主役の人が助けに行ったから助かるよね?」

あたまから予想を裏切る、秀逸なオープニングだった。

 

 

◆山のプロvsアホな強盗たち

レスキュー隊員なのに、親友の恋人を死なせてしまった…。心に傷を負って、クサクサしているスタローン。

親友も親友で、スタローンのことを恨みに思っている。

ギスギスした人間関係の中、遭難者と偽って、雪山に落下した現金を追ってきた強盗どもが現れる。

「現金の入ったスーツケースを探すのに協力しなければ殺す。」

かつては友情で結ばれていた山のプロvs金で集まった悪党ども…この対決が面白い。

そして、スタローンがめっちゃ強い…!

Tシャツ1枚で氷の山を登る…強盗と格闘してプロレス技決めるが如くぶっ殺す…冥夜の守人の如く絶壁をロープで疾走する…。

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こんなの絶対素人じゃねえ…。

対する強盗団のボス・クウェイランを演じるのは、ジョン・リスゴー。90%すすんだ華麗なMっぱげ、冷酷無比な司令官役がなかなかキマっている。

しかし改めてみると、この強盗団がなかなかのアホ。

銃で山撃ちまくって雪崩起こしちゃったり、警察来そうなのに山爆破したり……かと思えば、メンバー全員、平然と過酷な登山はクリアーするという謎の精鋭集団(笑)。

ボスの愛人役の金髪女性はなかなかのクール美人。スタローンのヒロイン役のショートカット女性・ジェシーは清涼感ある美人。女優陣もなかなか魅力的だ。

ジェシーがスタローンの手を掴んで登りきり、サラのトラウマが払拭され乗り越えて行くシーンもザ・ハリウッド映画という感じでイイ…!

 

 

◆山のロケーションの大勝利

本作CGなしだと謳っていたが、山のロケーションそのものがスリル満点で、この舞台装置こそ主役といっても過言ではないだろう。

絶壁の吊り橋、大量のコウモリがいる洞窟、冷たさの伝わってくるような氷の張った池。

撮りたい画からストーリーを繋いだのではないかと思ってしまうほどだ。

そして子供の頃、劇場でみて記憶に強く残っていたのが、序盤の”飛行機のシーン”。

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現金輸送車ならぬ、現金空輸飛行機が襲われ、金の詰まったスーツケースがロープに吊るされて空中を舞う…。

悪党どものパートのはずなのに、どうなってしまうのか!?と、ドキドキした。

本作の監督はレニー・ハーリンだが、同じ飛行機絡みでも「ダイハード2」よりこっちの方が好きだなあと思う。

また久々にみると音楽(トレヴァー・ジョーンズ)もすごくよかった。

雄大な景色にマッチした壮大なメロディーが鑑賞後は頭に鳴り響いてやまない。

 

 

◆スタローンは何度も浮上する

自分が観てきた90年代のスタローン映画は、ハズレも多かったと思う。

おばあちゃんと無理してコメディーやってた「刑事ジョー」、シャロン・ストーンと裸で抱き合ってた「スペリャリスト」…。

 

スタローン好きの伯父がいて、子供の頃「クリフハンガー」が抜群に面白かったと話していたら、「スタローンはねえ、終わったと思ったらまた当てにくる奴なんだよ。」「多分この先も何回もダメになると思う。でもその都度また当てに来て、たまーに当てる奴として決して消えないと思う。」などと力説していた。

 

見事その通り、歳とってもアクション俳優として生き残ったスタローン。

21世紀に入っても、「エクスペンダブルズ」で大暴れ、駄作かと思われたロッキーの続編も意外な良作と、スタローンは〝なんかパッとしない期〟に度々突入しつつもなお浮上する男だった。

自ら脚本を書ける、企画できるというところも強かったのかもしれないが、シュワちゃんより、ブルース・ウィリスより、”アクション俳優”として現役でいつづけた姿がカッコいい。

この「クリフハンガー」時に既に47歳だったようだが、みえない…!!貫禄ありつつも若くみえる。

スタントも使っただろうが、クライミングする肉体にも、おおっと目を奪われた。

 

うっそー、これもリメイクすんの!?

eiga.com

スタローンと雪山のセット販売が最高だったと思うんだけどな。

90年代スタローンも素晴らしい…!「クリフハンガー」はその代表作ではないかと思う。