どうながの映画読書ブログ

~自由気ままに好きなものを語る~

漫画「クレイモア」、久々に読んだらめっちゃ綺麗に完結してた

2001年~2014年に主にジャンプスクエアで連載されていた、人気ダークファンタジー漫画、「クレイモア」。

CLAYMORE 全27巻完結セット (ジャンプコミックス)

CLAYMORE 全27巻完結セット (ジャンプコミックス)

 

2007年にアニメ化されたのをきっかけに、コミックを追っていたけれど、16巻くらいで、読むのをやめてしまっていた自分…。

その後、「全27巻でものすごく綺麗に完結した」と評判をきいて、今年久々に手に取って、改めて読んでみることに。

 「ほんとだ、めっちゃ、綺麗に終わってる~」「この展開はアツい…!」と、不覚にも涙。

漫画のみどころや好きなキャラクターをあげつつ、最終巻の感想を少し語ってみたい。

 

 

漫画「クレイモア」のみどころ

その1:登場人物の多くが美人のお姉さんたち

中世ヨーロッパ的な世界観の中、人間を捕食する”妖魔”とよばれる化物を退治する女戦士たちがいた。

クレイモアとよばれる彼女たちは、皆、銀眼で、白髪の美人のお姉さんたち

とにかく、どんどん女性戦士がでてくる、でてくる…!!

皆クールな雰囲気が似ているので判別しにくい!?ともいわれるみたいだけれど、そこは(主に)髪型で判別…!

↑ ↑主人公のクレアは、前髪パッツンボブの美人。

女戦士たちはみんな”組織”に属していて、”化物狩り”の任務がその都度与えられる。

でも、明らかに無理な任務をもってくる組織に対して不信感抱いたり、グループでの仕事にて意見が割れたり…美少女戦士や魔法少女よりも「仕事人感」がより強いところに、哀愁があって惹かれてしまう。

 

その2:ゾンビもの!?的な悲しさ

実は女戦士「クレイモア」たちは、妖魔の血肉を取り込んで改造された強化人間で、限界を超えて戦うと「自分たちも妖魔に覚醒してしまう」という欠点を持っていた…という設定が割と序盤で明かされる。

ときには覚醒間近のかつての仲間と戦わなければならない女戦士たち。

なんというか、噛まれてゾンビになった友に銃を向けなければならないような悲しさがあります。

しかも、昔はクレイモアには、男の戦士もいたというのだけれど、”覚醒”は性的快楽に近いものがあり、次々に妖魔になってしまい、男戦士は中止になって、今は女しかいないという衝撃の事実が明らかに…。

「自分たちの存在は一体なんなのか?」…このストーリーの行方を追うのも楽しくなっている。

 

その3:格付けされた戦士ナンバーが面白い

全部で正規メンバーが47人いることになっている、クレイモアたち。

それぞれにナンバーが振り分けられているが、強い者順に1、2…と上から番号が付いていて、読者側にも強さを測る分かりやすい基準になっているし、何より相手が敵になったときに”絶望感”を演出するのに1役買っていたような気がする。

主人公のクレアがNo.47 というのが衝撃…!

主人公、1番弱いのか~と思わせつつ、他戦士にない独自の戦い方を身に着けたクレアがまたカッコよかった。

 

 

印象的なキャラクター

女性キャラがウン十人とでてくるにも関わらず、あまり印象が被らず、魅力的なキャラがたくさんいる…というのが、「クレイモア」のすごいところではないかと思う。

その中でも、印象が強かった好きなキャラクターを何人かあげてみたい。

 

●オフィーリア (No. 4)

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クレイモア」6巻より 八木教広・著 集英社

「同じ仲間に襲われる」という展開、それがめっちゃ狂気にかられた奴で、怖いのなんのって…。

妖魔を誰よりも憎んでいたオフィーリア。多分プリシラもそうだけど、根が真面目な人ほど、壊れたときの振れ幅がデカいのかなあ…そんなことを思ってしまうキャラだった。

最期の1コマがまさに”オフィーリア”で、単なる悪役で終わらなかったところもすごい。

 

●リフル (最古の元No.1)

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クレイモア」8巻より 八木教広/著 集英社

歴代最古の代、初代No.1が覚醒した、”西の魔女・リフル”。

人間姿は幼女なのに、中身は実は誰よりもおばあちゃん。めっちゃ気さくに話しかけてきながら、エゲツないことをやってくる。仲間集めに必死で、部下になれば結構大事にしてくれそうなのに、だーれも仲間にならない(笑)。

覚醒体のデザインといい、キャラクターのギャップといい、ダフとの夫婦っぷりといい、リフル、大好きだったなあ。敵なんだけど、最後まで生きていてほしかった。

 

ジーン (No.9)

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クレイモア」11巻より 八木教広/著 集英社

リフルにあれだけ拷問されても「人間の側にいたい」というジーン、精神力が強すぎる…!

中世的な容姿、クールな雰囲気だけど、義理堅い性格で、めっちゃ優しい。

「この命お前の好きなときに好きなように使え」なんて語っている地点で、もう死亡フラグがたっていたと思うけど、絶望しかなかった北の戦乱の中、ジーンが散っていく姿に涙…!

クレアがその後覚醒しそうになったとき、ジーンを思い出して歯止めがかかる…という展開も、ずっと仲間でいてくれていたような感がして、心にのこるキャラだった。

 

●ユマ (No.40 )

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クレイモア」18巻より 八木教広/著 集英社

名前からどうしてもユマ・サーマンみたいな超絶美女を想像してしまうけれど、意外に親近感のあるNo.40ユマ。

皆みたいに強いわけではない。自ら足手まといなんていっていたのに、通して読んだらメチャクチャ成長してた…!

スゴい人ばっかりのミリアチームの中で、努力家タイプのユマが、シンシアとともにレアな回復要員になってチームを支えている姿に嬉しくなった。

 

カサンドラ (元No.1)

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クレイモア」21巻より 八木教広/著 集英社

キモッ!キモッ!御堂筋くんみたいに身体揺らしながら戦う、元No.1戦士・カサンドラ

20巻近くなると、キャラクターがかなり多くなり、結局肩入れしてみれるのは古参メンバーだなあ…と思って読んでいたけれど、カサンドラは20巻超えてから登場した中での良キャラではないかと思う。

戦い方が無様だから誰にもみられたくない…。めっちゃ強いのに繊細というギャップがかわいい。「塵喰いのカサンドラ」の異名、名付け親はろくでもないけど、なんかカッコいい。なぜか覚醒体より人の頃の方が強そうにみえるなあ。

 

そして…ダントツで好きだったのは、テレサとイレーネという、クレアの子供時代に登場した元No.1と元No.2の戦士。

CLAYMORE 3 (ジャンプコミックスDIGITAL)

CLAYMORE 3 (ジャンプコミックスDIGITAL)

 

出番が少ししかないにもかかわらず「過去最強のレジェンド」感を醸し出すテレサと、ハンデを負ってなお現役戦士より遥かに強いイレーネの2人は、めっちゃカッコよかった…!!

まさかこの2人にまた出会えるなんて…の最終巻の展開が素晴らしい。

 

 

大盛り上がりの最終巻

CLAYMORE 27 (ジャンプコミックス)

CLAYMORE 27 (ジャンプコミックス)

 

最終巻にて、クレアの中に眠っていたテレサが復活するという展開は、誰もがみたかったものではないかと思う。クレアの精神が強くなったからこそテレサに出会えた…。

これが唐突なものではなく、(振り返れば)充分な下地が用意されていたという流れだったからこそ、感動が大きい。

「今まで主人公が得てきた仲間との絆すべてで最後の敵を倒す」…まるで「うしおととら」の白面の者との戦いのようなアツさ。

「ここだけは私の覚醒体と違う。ある唐変木の右腕だ。」

「私の力を下地にこいつの技の100%をのせる」

うわあ~イレーネも一緒じゃないですか~。「3人で」プリシラに止めを刺すという展開にまた感動が止まらない。

 

隻腕になってもめっちゃ強かった元No.2イレーネ 。

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クレイモア」7巻より 八木教広/著 集英社

片腕を失ったクレアに自分ののこった腕を差し出すシーン(餞別だ。持っていけ。)の衝撃に唖然としたけれど、彼女もまたプリシラ覚醒に責任を感じていた1人だったのだと思う。

クールそうにみえて、実は仲間想い&後輩想い。

ラストの1コマ…死んでいたキャラが生きていた展開って、場合によっては、興ざめしてしまうときもあるけれど、ここは意外なほど嬉しかった。

ラファエラも本当はずっと仲間だったのね…と何だかしんみりしてしまう。

 

全27巻、途中長いと思ってしまう部分はあったけれど、女戦士の友情に感動の、最後まで読んでこそ評価爆上がりの漫画でした。

 

作者の八木教広氏がこの作品の前に描かれていた「エンジェル伝説」もかなり面白くて好きだったのに、そういえばこれも途中までしか読んでない(笑)。

クレイモア」はダークファンタジーで、「エンジェル伝説」はギャグ漫画。

全然違うジャンルでそれぞれ面白い作品を描いているのってすごい…!

今はサンデーに移籍されて新作を描かれているみたいだけれど、他の作品も読んでみたいと思った。