東京シティビューにて1月28日から開催されている楳図かずお大美術展に行ってきました。
コロナの状況もありどうしようかと迷っていたのですが、先月発売の「芸術新潮」の楳図特集が大変面白く、85歳の楳図先生が4年かけて描いた作品を生で見れる機会なんてこれを逃せば一生ないかも…と考えて行ってきました。
今回の展示では「わたしは真悟」の続編が101枚の絵画として鑑賞できるとのこと、だいぶ前に読んだきりの「真悟」を一応再読してからのぞむことにしました。
展示場は六本木森ビルの52階、「真悟」の舞台の1つでもある東京タワーがバッチリ見える景色で雰囲気抜群!!
他の分野のアーティストさんが手がけた作品もあり会場に入ると「真悟」をイメージしたアートが飛び込んできました。
「漂流教室」「14歳」を特集したパネルや楳図作品の過去の書籍なども公開されつつメインのZOKU‐SHINGOの鑑賞へ…
間近でみる絵が本当に凄かったです。
「芸術新潮」のインタビューにて楳図先生が、「絵画では1枚ずつどれもがクライマックスになる」と話しておられましたが、1枚ずつじっくり見せられながら話が進んでいくのが何とも不思議な体験、絵だけど漫画や映画をみているような躍動感がありました。
絵は素描してからさらにその素描画を複写しアクリル絵の具で塗ったそうですが、元になった素描画の方も別場所に展示されていました。
「真悟」といえば緻密な書き込みと独特な世界観の美しい扉絵が有名ですが、ZOKU-SHINGOもすごい書き込みで、80代の人が描いたとは思えないビックリする絵ばかり。
ホラーあり、美人画あり、「14歳」を思わせるような人間の欲と破滅を描いたようなところもあり…鑑賞後は間違いなく「楳図作品を読んだ」という気持ちにさせてくれました。
昔は難解な印象しか残らなかった「わたしは真悟」も改めて読むと以前よりずっと面白く感じて、ささやかだけど子供時代ならではの特別な体験って自分にもあったなーって湧き上がってくる寂寞感みたいなのと、豊かさの影で崩壊していく家庭の切なさと、バラバラになっても家族の愛を繋ごうとする子供(真悟)のひたむきさと…感覚的に色んな思いが渦巻く不思議な作品だと思いました。
作中では「…だったといいます。」など高次の存在を思わせるような言い回しが謎めいていましたが、これが今回の作品で伏線回収されるかたちとなっていて、続編を経てより壮大な物語となっていました。
美術館横ではコラボカフェも開催されていて「洗礼」の上原さくらソーダをいただきました。
さくら色の脳みそ…!
他のメニューもパンチが効いていて面白かったです。
グッズもかなり充実していて2度と手に入らなさそうなものばかり、迷いながら選んで購入しました。
秋には大阪のあべのハルカスで開催が決定しているそうで、どっちも高いところでやるんですね。
すごい大迫力の大美術展でした。