最近の映画は原題を英語のカタカナ表記にしてそのまま…というパターンが圧倒的に多い気がしますが、一昔前の作品は結構自由でオリジナルな日本語タイトルが付けられていて面白かったりします。
映画ネタあるあるだと思いますが、「この邦題は上手い!」「言葉がカッコよくて印象にのこる!」など秀逸だと思ったタイトルをあげてみたいと思います。
原題Fantastic Voyageは直訳すると幻想的な旅!?
ミクロサイズになって突入する人体の中は確かにロマンたっぷり。特撮物を連想させつつSFのクールさとワクワク感も醸し出した邦題が素晴らしいです。
アメリカン・ニューシネマの名作。
原題はThe Last Detail(最後の部隊)ですが、水兵さん=かもめ とした邦題はかなりのネーミングセンス。
しっかり季節感もイン、見終わったあとに込み上げる切ない気持ちも全て表したかのようなタイトルが秀逸です。
◆山猫は眠らない
パート8まで制作、テレ東で年に1回は放送してる気がする大人気アクションシリーズ。
そのまんまな原題:Sniperだとシンプルすぎる??
わずかな仮眠とるのもままならない狙撃手の険しい道のりをしっかり描写、日本で人気が根強いのはこの邦題のカッチョよさもあるのではないでしょうか。
中国語タイトル:英雄本色 英語タイトル:A Better Tomorrow、どれもカッコいい。
劇中で流れるオンボーカルの曲も印象的でしたし内容にマッチした感じがするカッコいいタイトル。
ジョン・ウーもプロデューサーのツイ・ハークも邦題を気に入っていたそうですね。
◆殺しが静かにやって来る
荒野の…、夕陽の…、…の用心棒…
似たワードが何かと多いマカロニウエスタンの中でも異彩を放つ印象的なタイトル。
原題はIl grande silenzio/The Great Silence。ろうあ者の凄腕ガンマンの主人公を表しているようですが、無情感漂わせる邦題もカッコいいです。
◆ガバリン
ガバリンって何だよ。
原題はHouse、「家」ってホラーもありましたがあっちの原題はまた全然違うんですね。
モンスターハウスものですがコメディ色の強い独特の雰囲気。
ガバリンって言われたらガバリンや!!…ってなる不思議なタイトルです(笑)。
「ハロウィン」「スクリーム」など後続のホラーに影響を与えた傑作。
ホワイトクリスマスに対しての原題 :Black Christmasもカッコいいのですが、宗教的意味合いも含めクリスマスって言葉の重みが日本とは違うのかも…
電話をアイテムにしたサスペンス劇にフォーカスを当てたこの邦題も雰囲気があっていいと思います。
◆ 悪魔のサバイバル
サバゲー野郎と連続殺人鬼がバトル…!!
原題:The Zero Boysは主人公のチーム名ですがこれだとボンヤリした印象。
ホラー映画に多い「悪魔の…」のタイトルはやはり「悪魔のいけにえ」が先駆でしょうか。サバゲーを強調しつつホラー好きにしっかりアピールしたタイトルで中々秀逸です。
新…感…染……し…ん…か…ん…せ…ん……あっ、もしかして新幹線ってことか!!(この間約40秒)
頭鈍すぎるのと話題になっていたのを露知らずで、てっきり「感染」って映画の続編なのかと思ってました(笑)。
原題は부산행(釜山行)。ダジャレ仕様で賛否両論ありそうですが、サブタイのファイナルエクスプレスも疾走感をブーストしたような援護射撃、最近の映画にしては攻めたタイトル!?なかなか好きです。
◆セッション
原題:Whiplash(むち打ち)はジャズの有名曲でもありドラマーの抱えやすい疾患だったり…と複数の意味が込められてるようですね。
こちらも賛否両論ありそうですがラストシーンはセッション!!(滅茶苦茶すぎる)、言葉の響きも言いやすくて邦題はこれが良かったんじゃないかなーと個人的には思いました。
◆ぼくの美しい人だから
27歳のエリートサラリーマンと43歳のウェイトレスの恋。
昔のVHSのジャケットはジェームズ・スペイダーが屈んでスーザン・サランドンの靴紐結んでるやつだったと思うのですが、このビジュアルとタイトルだけで胸がキュンキュン。
原題:White Palace はヒロインの働くハンバーガー・ショップの名前ですが、思い切ったロマンチックな邦題、いいですねー。
◆ 月の輝く夜に
イタリア移民一家が「満月の夜になると恋心が騒ぎ出しちゃう」とか言いながらやりたい放題。
原題:Moonstruckには「気がふれた」って意味があるようですが、日本人には馴染みのない言い回しなのでロマンチックにまとめてくれた上手いタイトルです。
原題Coming to America。
アメリカの中でもニューヨーク、そしてあえて下町を訪れる王子一行。
当時のニューヨークの治安の悪さを笑いに変えた場面なども印象的、エディ・マーフィはめちゃくちゃ王子様してるし、語呂のよさも含めてパーフェクトな邦題だと思います。
◆大逆転
タイトルがまんまネタバレ!?
原題: Trading Placesも内容そのままですが、子供の頃よくテレビで放映されていてラスト「大逆転だー!!」って盛り上がったので凄くしっくりくるタイトルです。
◆フェリスはある朝突然に
学校サボってやりたい放題、とにかく楽しいザ・80年代映画。
原題はまんまFerris Bueller's Day Off(フェリスの休日)ですが、フェリスが突然どうしたのよ??…って興味を惹きつけられる邦題で語呂もなんかいいです。
バタリアンって何だよ。
オバタリアンからとったのかと思いきや、むしろこっちが大元だったというから驚き。
原題はロメロリスペクトのThe Return of the Living Dead。
オバンバ、ハーゲンタフなどゾンビにオリジナルな名も付けてやりたい放題。何でもいいから売ったれ!の精神があっぱれです。
こちらもグリードって何だよ…っていうバケモノを勝手にネーミングした邦題。
原題はDeep Rising、これだとありきたりでパッとしないかも。
90分で3000人喰って喰って喰いまくれ!!…の誇大広告とともに配給会社のセンスが炸裂した素晴らしい邦題だと思います。
◆96時間
原題はズバリTakenですが、96時間以内に誘拐された娘を救え…!!テンションをアップさせるようなナイスな邦題。
ただ続編とは内容が一致せずチグハグになってしまったようで…思わぬ落とし穴もあるものですね。
ロビイストによる白熱の頭脳戦。
女神なんて悠長なもんじゃなく鋼鉄の仕事人でしたが、とにかくジェシカ・チャステインが美しくてカッコいい!!原題Miss Sloaneがパッとしないので邦題の方がキマってるように思いました。
原題:Das Leben der Anderen(他人の生活)。
東ドイツの秘密警察に所属し監視を行なっていた局員。ある日盗聴先から聞こえるピアノに心を揺さぶられて…
感動ドラマ系はいかにも狙ってます…になるとあざとい感じになってしまいますが、内容も言うことなし、それにマッチした美しい邦題だと思いました。
◆手錠のままの脱獄
今年はじめに亡くなったシドニー・ポワチエの代表作の1つ。
脱獄は冒頭から成立してて脱獄というよりむしろ脱走なのかもしれませんが、黒人と白人が手錠で繋がれたま逃亡、内容のインパクトを全面に押し出したタイトルで記憶に残ります。
原題:The Defiant Onesは訳すと抗う者…って感じでしょうか。「網走番外地」の元ネタと言われるだけあって古い作品だけど傑作!
◆眼下の敵
原題 The Enemy Below。こちらはほぼ直訳したかたちでしょうか。
駆逐艦vs潜水艦、まさに水面下にいる敵、渋い言葉のチョイスが映画の中身とマッチしてて印象的です。
◆まぼろしの市街戦
全く戦争映画していない、コメディタッチ且つ哲学的な佇まいをみせる不思議反戦映画。
原題はLe Roi de Cœur (ハートの王様)ですが、ラスト一瞬の白兵戦がまるで幻、幻想的な作品の雰囲気を伝えつつインパクトもある邦題です。
◆旅情
哀愁、慕情、追想…2文字タイトルのクラシック作品って独特の風情がありますね。
ベニスを訪れた中年女性がイタリア色男といい感じに…でも相手には妻子がいて…と原題:Summertimeがしっくり来るひと夏の恋的な物語。
手を振るキャサリン・ヘップバーンのラストシーンを昔偶然テレビでみて惹きつけられました。今見たら古さを感じる作品かもしれませんが、旅情って言葉の響きのレトロさがいいです。
◆要塞警察
漢字4文字のタイトルは映画でも漫画でも何かカッチョええですね。
原題:Assault on Precinct 13(13分署)はその後リメイクの方に採用されてましたっけ。
引越し前で空っぽな警察署にて善玉悪玉入り混じっての籠城戦…映画の内容をそのまま押し込めたような邦題で思わず何だろう??…と惹きつけられるタイトルです。
◆蜘蛛女
江戸川乱歩の小説に蜘蛛男なんてのもありましたが…子供の頃テレビでレナ・オリンが脚丸出しになりながら不敵に笑って逃げるシーンをみて「蜘蛛女、怖っ!!」と脳に刻まれました(笑)。
原題はRomeo is Bleeding、トム・ウエイツの曲名をトレースしたもののようです。
「蜘蛛女」ってタイトルだと真面目な男が妖艶な美女に引っかかって転落ってイメージですが、主人公ジャックは元からかなりダメなやつなんですよね…でもレナ・オリンの女王様なビジュアルと相まってとても印象に残るタイトルでした。
◆ゾンバイオ/死霊のしたたり
ゾンバイオって何だよ。自分が持っていた中古のVHSにはゾンバイオの文字が刻まれていたのですが、Blu-rayからは消えている…
原題はRe-Animator。蘇生者といいつつ結果ゾンビ培養してるだけ(笑)、死霊のしたたりよりもゾンバイオという言葉の響きの良さにやられてしまいます。
サランドラ、サンタリア…全ては「サスペリア」から始まったのか…サ行の5文字が多い気がするこのジャンル。
原題ZOMBIE(国によってはZOMBIE2)はロメロの「ゾンビ」にあやかろうとしたようで大概ですが、日本の配給会社もフリーダムすぎる。
けれど「サンゲリア」と言われると「サンゲリア」としか思えないこちらも素晴らしい言葉の響き…!
名作もホラーももっと他に沢山ありそう、そして思ったより近年の作品が入ったリストになりましたが、パッと思いつくのがこんな感じでした。