同じタイトルで西部劇の名作があるようですが、こちらは89年公開のファンタジーホラーのワーロック。
監督は「ガバリン」のスティーヴ・マイナー、脚本は「逃亡者」「アライバル」のデヴィッド・トゥーヒー、音楽はジェリー・ゴールドスミス…と意外に豪華な布陣となっています。
1691年ボストン。魔女ハンターのレッドファーンは悪名高い悪魔の手下・ワーロックをようやく捕まえましたが、サタンが時空の扉を開けて300年後の未来へ彼を逃してしまいます。
サタンから「3つに分断された悪魔の聖典・グリモワールを集めて世界を滅ぼせ」と命を受け現生で大暴れ。
そこに追って時の渦に飛び込んだレッドファーンもやって来ました…
場違いなイケメン2人が突然転送されてくる…ターミネーターを思わせるような冒頭。
ワーロックはかなり残忍な男で、カサンドラのルームメイト・チャスは会話中に指をいきなり切断されディープキスで舌を噛みちぎられ…と踏んだり蹴ったりな目にあいます。
サタンを降霊する媒介にされた霊媒師(デスレース2000のメアリー・ウォロノフ)は目ん玉をくり抜かれて死亡。
子供向けの内容かと思いきやグロ描写が唐突にちょいちょい挟まります。
「ガバリン」のようにリアルなグロさではなくオモチャっぽい感じで恐怖度は低いのですが…
ヒロインのカサンドラはワーロックに〝老化の呪い〟をかけられてしまいます。1日で20年老けてしまう恐怖の呪い。
20歳→40歳→60歳…と変身していきますが、老けるのは顔だけで体型や姿勢はずっとキープ(笑)。
呪いを解くため仕方なくレッドファーンと行動を共にします。
真鍮製のワーロック探知機を担いで車で移動する2人。(かさばるしあんまり役に立たない)
「アイツは塩に弱いんだ」と言いながら鞭に塩を塗り込むレッドファーン。(絶対もっと他にいい武器あるだろ)
いざワーロックと対峙すると鞭攻撃は飛行能力によって避けられ、負傷した一般人を助けるため追跡をヒロインに全投げするレッドファーン。
「この祝福されたハンマーを使ってくれ」
カサンドラがワーロックの通った足跡にハンマーで釘を打つと「グワァー」と絶叫するワーロック。(魔宮の伝説みたい)
貨物列車に乗り込んで逃げようとするワーロックを老カサンドラが必死で追いかけます。
↑列車も遅いしバーサンも遅いしでこのシーンめっちゃ笑う。
何とか自力で老化の呪いを解いたカサンドラでしたが、「絶対に君を傷つけさせないから案内役を頼む」とイケメンデビルハンターに乞われ、再び追跡に加わります。
2人は先回りして最後のグリモワールを確保することに成功しますが、そこにワーロックがやって来てカサンドラを引っ捕えます。
仕返しといわんばかりにカサンドラの足の裏に釘を打つワーロック。
「彼女を殺されたくなければ残りのグリモワールを寄越せ」…と言われても世界滅亡がかかってるので隠れて中々外に出て行かないレッドファーン。
さっき「絶対に傷つけさせない」って言うてたやん。
結局ワーロックとレッドファーンはグリモワールを賭けてサシで勝負することに。
魔法使いなのになぜか渾身の肉弾戦(笑)、けれど結局ワーロックのエクトプラズマ光線でレッドファーンが倒れてしまいます。
しかし隙をみたカサンドラが塩水を吸った注射器をワーロックにぶっ刺す…!!(ヒロインが糖尿病だったのは巧妙な伏線)
「レイダース」のようなグロさでたちまち朽ちていくワーロック。
世界は滅亡を免れましたが、ちょっといい感じになった2人は結ばれることなくレッドファーンは時の渦に乗って去っていきます。
夢から覚めたようなちょっぴり切ないエンディング。
そしてしっかり者のカサンドラはグリモワールをユタ州のボンネビル塩湖に埋めて「ターミネーター」のサラ・コナーの如く去っていくのでした。
ワーロックが手から放つ光線をはじめ同年代の他の作品と比較しても特殊効果がショボめな本作。
でもこれもアニメみたいで今見ると案外楽しいかもしれません。
ワーロックが不自然すぎる動きと速さで飛行してくる画をみるだけで爆笑してしまいます。
2と3もあるらしいのにまともにソフト化されてないような…人気あるのかないのかどっちだよ。
クールなイケメンにみえた2人が右往左往してて、ポンコツにみえたヒロインのお姉さんが1番逞しい(笑)。
この年代らしいゆるっとした雰囲気も含めB級好きには突き刺さる楽しい作品でした。