どうながの映画読書ブログ

~自由気ままに好きなものを語る~

「キルボット」…殺人ロボとショッピングモールで地獄の決斗!!80年代ゴキゲンB級映画

今期のホラー・マニアックスシリーズ、知らないタイトルが沢山なのですが、ジャケ写が1番気になったのがこちら。

ショートサーキットみたいなロボットがショッピングモールで人を殺しまくるホラーっぽいのですが…(原題:Chopping Mall)

 

77分の作品で驚きのテンポの良さ。

80年代らしい能天気さ、「ゾンビ」よろしくな夜のショッピングモールを爆走する非日常感、散りばめられた映画の小ネタ…とにかく楽しいゴキゲンB級映画でした。

◇◇◇

大型ショッピングモールに配備された3台の最新型警備ロボット。

社員証で侵入者か否かを判断、悪者は麻酔弾やレーザービームで撃退する…というまるでロボコップな代物。

ところが導入早々、突然の落雷で制御不能の殺人ロボと化してしまいます。

そんなアクシデントは露知らず、モールで働く8人の男女が金曜の夜にパーティーを開いて遊んでいました。

肉欲一直線の体育会系カップルに、新婚旅行の代わりに家具店でイチャイチャすることに決めた謎に堅実な車の整備士カップル。

ラブラブな幹事役カップルの女性はバーバラ・クランプトンが演じていますが、皆よりちょっとお姉様な色気。

そしてパーティーの数合わせ的に呼ばれたのが、陰キャ男のファーディとドジっ子ウェイトレスのアリスン。

家具店を自宅のようにしてベッドでやりたい放題。

こんな店利用したくねえ(笑)と思いつつ、オタクオーラを放つ主人公カップルだけプラトニック。

SF映画をみてソファで身を寄せ合う姿が微笑ましく、なんだか応援したくなってしまいます。

 

しかしそんな中突然殺人ロボットが襲来…!!

最初に殺されるのは全く関係ない清掃のおじさんですが、突然の感電死が漫画みたいで笑ってしまいます。

その後に殺されるのは案の定体育会系バカップルですが、ロボが近付くと「クラトゥ・バラダ・ニクト」と唱える男。脳筋野郎と思ったらお前もオタクやったんかい!!

異変を知った残り6人は「銃を集めろ、ペキンパーの店に行くぞ!!」と武装し反撃。

女性陣は「エイリアン2」のように通風孔から脱出するのかと思いきや断念。ひたすら銃と火薬で立ち向かっていきます。

 

思ったよりロボットの殺人シーンはあっさりめでスプラッタを期待すると肩透かしかもしれません。

伸びるアームで首を切ったりするも、主な攻撃はビーム。

カスっても焦げ付かないのに、いきなり女性の脳天が吹き飛ばされるのはびっくり。ナイスショットすぎる(笑)。

炎に包まれるバーバラ・クランプトンは1番うざい役回りでしたが、良い叫びっぷりでした。

仲間が1人ずつ減っていく中、無情なロボの追跡にヒロインが反撃するカタルシス

死亡したかと思われた陰キャ男がゾンビのように蘇り、2人抱擁するボーイミーツガール的な幕引きになぜか心が温まりました。

 

主演は「悪魔のサバイバル」「ナイト・オブ・ザ・コメット」のケリー・マロニー。可憐な美人タイプというよりは個性的な美人ですが、なぜかとっても魅力的。

製作総指揮がロジャー・コーマンだからなのか、ポール・バーテル&メアリー・ウォロノフがちょい役で出演。

その他にもこの手のジャンルでみかける名脇役がチラホラ出演。

逃げ隠れするペットショップの名前がロジャーのリトルショップだったり、レストラン内に貼ってあるポスターや読んでいる本など、知る人ぞ知る小ネタが沢山散りばめられているようでした。

 

予想と違ってロボの殺人描写、SF的世界観はかなり薄味。

それよりも人間のキャラクターが生き生きしていて思いの外魅力的でした。

解説を読むと撮影したモールは「コマンドー」と同じ場所だそうで、そういえばエレベーターまわりの景色が似ていたかも。

「ゾンビ」のモールほどの重厚感はなくて作品もずっとチープだけど、活気と夢に溢れた80年代らしい雰囲気がゴキゲン♫

めっちゃ笑って楽しく観ました。