ロムルスをみて久々に「エイリアン」いいなあとなったので…
みた順番や思い出補正もありますが、どれが1番好きか…各作品のぼんやりした感想と思い出を呟いてみたいと思います。
◆「エイリアン2」
順序が逆になってしまいますが、自分が子供の頃よくテレビ放映されていたのが2。初めて見たのも2でした。
SFホラーの1に比べてアクションに振り切った作品ですが、子供の頃は2もめちゃくちゃ怖かった。
荒廃した施設で1人生き延びていたニュートの姿をみただけで、自分じゃとても生きられてないわと戦慄(笑)。
閉塞感と恐怖が同時に襲ってくる、ダクトを移動する画のインパクトが非常に強かったです。
クルー全員キャラが立っていて素晴らしいですが、めちゃくちゃ好きだったのはビショップ。
半身もがれても子供助ける姿にギャップ萌え。
ナイフをカカカッとする場面は、教室で友達と手を重ねながら鉛筆の尖っていない方で真似っこしていた思い出(笑)。
「テッド」で同じ場面が出てきたときには笑いました。
寡黙な仕事人の佇まいが格好良く、狭いダクトを1人這っていく姿にはいつもシビれます。
リプリーとニュートの擬似親子関係ドラマも胸熱。
エレベーターが降下する最中、体勢を整えながら救助に向かうリプリーの姿も何度見てもシビれます。
そして卵に火炎放射器を向けると襲うのをやめるクイーンの姿。
違う生き物というだけでコイツも母親なんだ…子供の頃胸に刻まれた名シーンでした。
しかしクライマックスのフォークリフトでの対決は圧倒的カタルシス…!!
これまで銃で防戦一方だったのが殴り合いのタイマンになる高揚感。
「第九地区」で主人公が着ていたスーツも好きだったのですが、剥き出しのパワードスーツみたいなのが、とにかく格好良くて衝撃的でした。
1もエポックメイキングだけど、2もその後のモンスターパニックアクションの礎を築いたのでは…と思う、大傑作でありました。
◆「エイリアン」
自分の親は「2などくだらん!!エイリアンは絶対に1!!」とよく豪語していました(笑)。
チェストバスターの圧倒的インパクトと、エイリアンに負けず劣らず恐ろしいアンドロイドのアッシュと…
リプリーが2のときよりもずっと弱く見えて、最後のシーンの緊迫感。2に比べると地味に思えたものの、静けさと冷たさが迫って来る、とっても怖い映画でした。
大人になるにつれ1のよさが分かってきて、リプリーが肉体的に強い人ではなく、精神的に強い人として描かれていて、2とは異なる格好良さ。
怯まず男性の上司に間違っていると主張するところ、恐怖に慄きながらも冷静に状況を判断し機転をきかせるところ…
男性器を彷彿させるエイリアンの造形、口に筒を突っ込むアッシュの暴力など、性暴力に立ち向かう女性を描いたようなドラマも感じさせて、改めて凄みを感じます。
特に仲がよいわけでもない、仕事の同僚同士のドライなムードなども、大人になると胸にきて何とも言えない孤独感と心許なさ。
静かな宇宙空間の閉塞感、密室ホラーの恐怖など、改めて革新的な作品だったんだと知る傑作。
あの池波正太郎もエッセイで絶賛しておられましたが、リアタイで観た人の衝撃はさぞかし凄かったのでしょう。
好きなのは2だけど1が至高という意見にも納得させられます。
◆「エイリアン3」
1番人気がないけど、国内の興収はこの作品が1番高かったそうで…
「ハリウッド女優がボウズになった…!!」というのが公開当時かなり話題になっていて、ポスターのインパクトも強かった。プロモーション的には大成功だったんじゃないでしょうか。
初見はレンタルビデオで観たのだと思いますが、視聴環境のせいか画面が暗く、登場人物がハゲのおっちゃんばかりで区別がつきにくい…クライマックスの区画遮断しての攻防も何が起こっているのか、とにかく分かりづらかった。
2であれだけ頑張っていた面々がしれっと亡くなっているオープニングにはドン引き。
1と同一人物とは思えないくらいリプリーの行動が軽率で、エイリアン持ち込んどいて、医者の男といい感じになって…というのが何だか解せません。
囚人たちがあまり悪い奴にみえなくて、もっと振り切ってヒャッハーしてくれるか、凶悪な人間がみせる二面性みたいなものを描くか…どっちつかずでキャラが立っていないのも残念でした。
〝坊主頭の男だらけの惑星〟のビジュアルだけは面白かったものの、人数が多くもなければ少なくもなく、スケール感が中途半端。
昔立ち読みした「cut」という雑誌でフィンチャーが「3が好きで何百回もみたというファンに声をかけられたことがあるが、自分自身は全く気に入っていない」とか何とか語っていた記憶。
制作に大人の事情があったのを後から知って驚きました。
リプリーがチェストバスターを我が子のように抱えて落ちていくラストシーンだけは記憶に残って、好きでした。
◆「エイリアン4」
これだけリアルタイムで劇場で鑑賞していて、思い出補正もあるのか、自分はこの4、かなり好きです。
エイリアンといえばとにかく怖い映画だったけど、4はリプリーが超人と化していて安心感があり、恐怖度はかなり低めに感じられました。
しかしグロいビジュアルの実験体生物などがバンバン登場。自分の性癖にマッチしたのかダークな世界観に引き込まれました。
キャラクターもそれぞれ個性があって、3と違ってキビキビした有能な人たち。
「ポセイドン・アドベンチャー」を思い出させる水のシーンと、その後の戦闘もユニークでアクションも面白かった。
ウィノナ・ライダー演じるコールがアンドロイドだったという展開には普通にびっくり。
何かのインタビューでウィノナが「子供の頃エイリアンが好きで1作目のポスターを部屋に飾っていた」と語っていた記憶があります。
コールがコンピュータと接続して嫌そうな顔をしているところは何だかエロいと思ってみてしまいました(笑)。
新エイリアン・ニューボーンは賛否両論だったのかもしれませんが、自分はこちらも好きで…
大きな黒目で不思議な愛らしさ。お母さんに騙されて見捨てられてしまうのがとっても可哀想だった。
死に様が苦しそうで、望まれなかった子供の最期がひたすら悲しかったです。
「HUNTER×HUNTER」のキメラアント編や「エルフェンリート」が好きな人にはブッ刺さること間違いなしの4。
当時ジュネ監督のことは全く知らなかったけど、「エイリアン」を撮った監督は後に出世するというジンクス…あとで「アメリ」が大ヒットしたときにはビックリしました。
ずっと宇宙を漂っていたリプリーが(別人とはいうものの)地球に帰ってくるというラストも最高にカッコいい幕引き。
グッドエンドでもないバッドエンドでもない深い余韻が残って、自分の中で「エイリアンは4で綺麗に完結した!!」という気持ちが強く残りました。
4作品の好きな順番は、
2>1≧4>>>3 かなあ。
でもどれも各監督色、オリジナリティがあって凄いなあとなるシリーズでした。
未見だった「プロメテウス」と「コヴェナント」もみてみたいと思います。
最後に映画とは関係ない思い出話。
自分が子供の頃住んでいた兵庫県に、宝塚ファミリーランドというローカル遊園地があったのですが、そこで「エイリアン・パニック」という期間限定のアトラクションがやっていました。
乗り物ではなく、広い空間を歩くお化け屋敷のようなアトラクション。
銃を持ったガイドさん(兵士役の男性2人)が付いて、10人位のグループでエイリアンのいる基地を探索する…とかそんな内容だったと思います。
夏休みに親が連れて行ってくれた遊園地。
狙いはこのアトラクションだったのですが、怖がりの自分は「エイリアンが襲ってくるなんてとんでもない、1人で外で待っている」と断ったのですが、一緒に入ることに(笑)。
怖がりすぎて記憶が朧げなのですが、このアトラクション、すごくよく出来ていたように思われます。
あの繭が出てきたり、子供だったから補正があるかもしれませんが、「エイリアンの世界だ!」となる雰囲気満点の空間。
途中では台に横たわった死体みたいなのが出てきて、嫌な予感がした自分は近付かなかったのですが、胸からチェストバスター??の人形が飛び出してきて近寄ってみていた人が絶叫(笑)。
兵士役のガイドさんが「危ない!離れろ!」とか叫びながら発砲。
どんな出来栄えの人形だったか、ちゃんと見ておかなかったことが大変悔やまれます。
最後の方は着ぐるみのエイリアン??に追いかけられて、それを銃を持ったお兄さんたちが撃退してくれながら一緒に逃げまくる。
USJの綾小路麗華さんじゃないけど、お兄さんたちが大きな銃を振り回しながらかなりの熱演。すごいハイテンションなアトラクションでありました。
当時はビビりまくりでしたが、大人になった今ならめちゃくちゃ楽しめそう(笑)。
USJでもディズニーでもどこでもいいからまたこのアトラクションをやってくれないかなーなんて思う、怖いけど楽しかったエイリアンの思い出でした。