どうながの映画読書ブログ

~自由気ままに好きなものを語る~

「ヘル・オブ・ザ・リビングデッド」4Kリマスター版を観に行ってきました

新宿シネマカリテで今月から開催されている映画フェス「カリコレ」。

80年製作のイタリアンホラー「ヘル・オブ・ザ・リビングデッド」が時を経て日本初公開だとのことで観に行ってきました。

満員の大盛況。初見ですがめちゃくちゃ面白かったです…!!

 

ニューギニア奥地の化学プラントで事故が発生。漏洩したガスによって人々は生ける屍と化す。特殊部隊とTVリポーターが事件の真相を追ってジャングルの奥地へと進むが…

本作では「ゾンビ」「エイリアンドローム」の楽曲が流用されているとのこと。

聞き覚えのある曲が堂々流れてきてビックリ(笑)。

化学事故のシーンでは「ゾンビ」冒頭の物々しい曲が、特殊部隊が突入するシーンでは勢いのあるあのメロディが流れてきて、使い所が間違ってないからか意外に馴染んでいて普通に観れてしまいました。

 

本作の監督はブルーノ・マッティヴィンセント・ドーン)。

フルチとともに「サンゲリア2」を手掛けた人でありますが、「サンゲリア2」が主人公不在で人物の魅力が薄かったのに対し、こちらはキャラクターが立っているのがとても良かったです。

ヒロインはTVリポーターの女性・リア。

高飛車なお姫様キャラかと思いきや、「原住民とコンタクト取ってくるわ」といきなり服を脱いで裸体で突撃する姿が衝撃的…!!

相棒のカメラマン・マルコはえづきが妙に長いゲロシーンがおかしくて爆笑。

特殊部隊4人組は隊長とヴィンセントの風貌が似ていて最後まで見分けがつかなかったです。

素晴らしかったのは血の気の多いサントロ。

しんがりを務め果敢にゾンビを撃退。

手羽がいいか、もも肉がいいか」…ゾンビにしきりに話しかけながら戦う姿が面白すぎます。

かと思えば相棒のハゲがゾンビに食われると取り乱して銃を乱射、その後の車中で狂ったように1人笑みを浮かべる姿など、人間味があって大変魅力的でした。

「頭を撃てばいい」とサントロが皆に何回も注意してくれるのに胴体ばっか撃つ他のメンバーがポンコツすぎる(笑)。

豪邸のクローゼットで我を失ったようにはしゃぐ相棒の隊員の行動は唐突でしたが、「ゾンビ」のモールで消費生活に溺れる姿を彷彿させました。

 

ゾンビ自体もロメロリスペクト(便乗)な青白顔のゆっくりゾンビ。

急に飛び出して来るときには異様な速さをみせ、多数のゾンビが一瞬で同時に出て来る不自然な場面には笑ってしまいます。

メインビジュアルにもなっている神父ゾンビは大手を広げて歩いて来る様がGOOD。

演技力No. 1の子供ゾンビはひしっとしがみついて来るのが何だか可愛らしかったです。

はらわたに猫を飼っていた!?謎の婆さんゾンビも優しい眼差しでずり這いしてくるのが謎の愛らしさ。

個性あるゾンビがそれぞれ素晴らしかったです。

 

ゴブリンの楽曲以外にも、他作品からのフッテージを多数使用していることで知られているというこの作品。

世界残酷物語」のような「未開の地の珍し映像」が所々で使われていました。

工夫して繋いでいることは伝わってくるものの、無理矢理モンド映画がねじ込まれたよう。映像の質感も明らかに違っていて不自然です。

また場面転換にやたら「動物の映像」をインサートしてくるところもやり過ぎで、何度も挿入される鳥と跳躍する動物たちの姿(笑)…余りのしつこさに笑ってしまいました。

 

ラストは一応「スイートデス計画」なるものの正体が明かされ、SFらしさが織り込まれつつしっかり終末感を残して綺麗に終わっていると思いました。

仲間がやられている最中にすぐに助けず妙な間があったり、国連の会議がスカスカだったり(笑)…もしかして逆にリアルなのかも!?と新鮮で驚かされる映像ばかり。

劇場でも度々笑いが起きていてとても楽しいひとときでした。

 

(最後にグッズなど画像を)

入場者全員プレゼントのステッカー。

映画ではザ・キーアイテムというよりほんのちょっとの出番の代物でしたが、マニアックでいいですね…!!

パンフレットは充実の内容でこれは値打ちもの。

マッティ監督のヒストリーも知れて「サンゲリア2」が〝何をみても何かを思い出す〟節操のない映画だったのに納得(笑)。

他ポスター2種とロゴのTシャツも購入。

Tシャツは大きいサイズしかなかったけど、さり気なく着れそうなデザイン!?カッコいいです♫

 

一般的には人を選ぶ作品なのかもしれませんが、「ゾンビ3」「サンゲリア2」がオモロかった人間にはクリティカルヒットでめちゃくちゃ楽しい映画でした。