どうながの映画読書ブログ

~自由気ままに好きなものを語る~

「ミッション:インポッシブル/デッドレコニングPART ONE」…熱量は感じられるけど空回り!?

焦って観に行かなくてもまだまだ余裕で上映しているだろうと思って鑑賞を先延ばしにしていた「ミッションインポッシブル」の7作目を遅ればせながら観てきました。

このシリーズの熱心なファンというわけではなく、3と4は面白かった記憶はあるのに話の内容とかあんまり覚えてないというかなりいい加減な人間です(笑)。

自分が好きだったのは1と5で、1はデ・パルマ色がしっかりあるサスペンス。冒頭から容赦なく人が死ぬのが衝撃的で一気に引き込まれました。

5は1作目のスパイものの雰囲気を復活させ、チーム戦が板についたところ、悪役もヒロインも魅力的で最後にしっかり敵打ちするカタルシス…「報われない仕事だけど仲間がいて理解ある上司も出来たからまた戦うぞ…!!」みたいなラストも爽快で好きでした。

今回は前後半に分かれているとのこと、スッキリ観終えられない可能性が高いだろうと思ってましたが、話について行きにくくてアクションと話が上手く繋がってないような…荒削りな印象が残ってしまいました。

 

(以下ネタバレ)  

「万能AIを支配できるキーを探せ!」という指令が下るも「そんな巨大な力は滅びの山に投げ捨てなければならない」と離反するイーサンたち。

鍵の片方を持っている人と情報を持っている人が別々で三つ巴的に人が錯綜する…言ってみれば「続夕陽のガンマン」的ストーリーですが、スパイものらしい雰囲気は薄れてしまっていました。

イーサンたちが「過去に何かをしでかして選択の余地がないような状況でエージェントになった」ということが明かされますが、これにはびっくり。

ルーサーは1で再スカウトされて復職したんじゃなかったっけ…??

長いシリーズものになると過去編とかが急に始まるの、日本の少年漫画と似たようなものを感じますね(笑)。

 

イマイチだったのは悪役で、AIをバックにつけて暗躍する謎の男…前作のラークのようにフィジカル的にもあんまり強そうにみえなくて印象が薄かったです。

5のソロモン・レーンは登場時から強敵感がビンビン、すんごい嫌な奴だけど心理戦に長けていて、世界を破壊するのが心の底からいいことだと信じきっているヤバいやつオーラに満ちていて、本当に素晴らしいおっさんだったのですが…

もう1人の悪役、GOGO夕張のような殺し屋のお姉ちゃんはポスターからして1人浮いていましたが、居場所ココじゃない感が凄かったです。

トチ狂ったキャラがいきなり改心するのも不自然で、ヒールに徹していた方がカッコよかったのではないかと思いました。

 

今回の1番のキーパーソンは女泥棒のグレースで「オーシャンズ11」のマット・デイモンのようなスリ(笑)。

突然現れたナイトのトム・クルーズを信用しないの、リアルだったらこんなもんなのかも…と「一般人視点キャラ」で今回1番新鮮味がありました。

助けてもらったのに平気で車の中に相手を置き去りにする薄情なところが目につきつつ、後半の変装演技やキトリッジとのやり取りはニヤッとさせられて良かったです。

そしてグレースと引き換えにとうとう亡くなってしまうイルサ。

6のアレック・ボールドウィン同様使い所のなくなったキャラをあっさり消してしまったようでなんか悲しかったです…この人は5だけの出演で終わってた方が強烈なインパクトを残して良かったのかも…

 

何となくイーサン→グレースに主人公がバトンタッチしそうな雰囲気。

前回の6で元嫁のジュリアと再会して罪悪感から解放されるところがとても良かったのであれが完結編でもよかった…と思ってましたが、次世代を育てたところで終わるのかなーと思いました。

相変わらずトムの全力疾走には惚れ惚れとさせられるし、60歳であんなにカッコよくて狂ったアクションしてるの凄すぎる!凄えぜトム・クルーズ!!と充分見応えはありました。

お金のかかった迫力のある画は存分にみれて1つ1つの場面はよく出来てるだけに、ぶつ切りというか求心力に欠けていたのが残念。

こちらの記事を読むとベネチアのシーンはホラー映画のような雰囲気を出そうと出演者たちは「赤い影」を観たと書いてあって、すごく力が入ってますね(笑)。

冒頭の潜水艦の場面なんて「違う映画が始まったのか!?」と不安になるほど長かった(笑)。

気合入りすぎて空回りしちゃったのかなー、コロナで制限もあって大変だったのかなーとか色々思いました。

とはいえ子供の頃からリアタイで追ってきた一大シリーズ、後編と合わせてみればまた印象も変わるかもしれませんしPart2も公開されたら観に行きたいなーと思ってます。