どうながの映画読書ブログ

~自由気ままに好きなものを語る~

サンドラ・ブロック主演「あなたが寝てる間に…」に心癒される

自分の趣味の話が少しできる人と映画の話をはじめると、「完全に殺伐とした話が好きな人」と認定されてしまうことが多い。

ホラーとかサスペンスとか、ドロドロの人間関係とか(笑)

ほのぼの系も結構好きなはずなのに、語りたいとなるとなぜか殺伐系が勝ってしまうんだよなあ。

「恋愛映画はみないの?」「好きな恋愛映画は?」と訊かれると、よくこのタイトルを答えていた。

あなたが寝てる間に… [DVD]

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自分の周りには知らない人が多かったのが寂しい。
サンドラ・ブロックが”スピード”の次くらいに出た映画なんだけど」と言っても「ああ〜サンドラ・ブロックは知ってるけどね。」って感じだ。もったいない。
そんなわけで、大好きなラブコメ、「あなたが寝てる間に…」を少し思い出してみたい。

 


月9のような!?勘違いラブコメ

「あなたが寝てる間に…」で、サンドラ・ブロックが演じているのは、駅のもぎり係・ルーシー。

独身の一人暮らし、飼い猫が話し相手で単調な毎日を送っている。彼女は小さい時に母親を亡くし、その後、最愛の父親も天国に逝ってしまった。

ルーシーの最近の唯一の楽しみは、毎朝決まった電車に乗る、イケメンのエリートサラリーマン(ピーター)に会うこと。
しかし内気な彼女は話し掛けもしないし、完全に遠くから見ているだけで、満足している。

ある日憧れのピーターが駅でトラブルに遭い、なんと線路に転落してしまう。電車に轢かれそうになるのも間一髪、ルーシーが線路下に飛び降り、ピーターを助ける。
命はとりとめたが昏睡状態になったピーター。病院で付き添っていると、ひょんなことから、ピーターの家族に婚約者として勘違いされてしまう。
間違いを正そうとするものの、温かい大家族の優しさに触れ、なかなか言い出せなくなるルーシー。

そんな中、「兄貴(ピーター)は絶対あなたなんかを好きにならない」と疑いだす弟・ジャックが登場。

ルーシーは真実を告白することができるのか!?果たしてピーターの意識が戻ったらどうなってしまうのか!?

 

 

どう考えても無理がある嘘つき主人公だけど…

ルーシーは病院の看護師さんの勘違いで、婚約者だと勝手にピーター家族に広められてしまうのだけれど、「違います!!」と言えるタイミングは山程あった。
それでも嘘をつきとおしてしまう。


普通、こういう主人公には嫌悪感が湧きそうなものだが、ルーシーにはそれがない。
サンドラ・ブロックの親近感・可愛さ・演技力の賜物だと思う。


「地味で冴えないけど毎日一生懸命生きてる」感の主人公の描写がしっかりしているからか、好感度が高い。

この作品でのサンドラ・ブロックは髪はボサボサ、超ナチャラルメイク、野暮ったい服という、地味極まる雰囲気…だけど、とても可愛い…!

実は今まで話したことが一度もない昏睡状態のピーターに、一生懸命話しかけるルーシーのシーンが面白い。

「一緒に笑い合える人が欲しい。」…
なんか一歩間違うとイタい主人公にもなりそうなものだが、”その寂しさなんか分かる”…とルーシーには愛しさが湧いてくるのだ。

 


ジャックとのラブコメに胸キュン

「どう考えてもアンタ兄貴のタイプじゃないんだけど。」と突っかかってきたジャックと次第に意気投合し、心を寄せ合うようになるラブコメ展開。
ジャックを演じているのは、ビル・プルマン

 

↑「インデペンデンス・デイ」にて自らパイロットになり、エイリアンどもを蹴散らすアメリカ大統領を演じていた俳優だ。(あんな大統領いねえ。)

 

本作のとき、ビル・プルマンはいつもよりスリムで、いつもよりイケメンにみえる気がする(笑)。

シニカルそうなジャックだが、実は、「自分のやりたいことがあるが、親に気を遣って、親の家業を続けている」という優しい心の持ち主で、そのギャップにハートがズキュン。
反発していた2人が急接近する展開が楽しく、氷の上で滑りそうになって抱き合うシーンとか、もうベタベタで、みているコッチが恥ずかしくなってくるけれど、でもイイ!!

(そして、どうでもいい情報かもしれんが、ジャックの日本語吹替は大塚芳忠さんです。)

 

 

血が繋がっていなくても家族

本作の最大の魅力は、「血の繋がりのないルーシーが、家族として迎え入れられる」という、人の温かさが詰まっているドラマにあると思う

独り身で生きてきたルーシーが、クリスマスに大家族のホームパーティーに招待される。
この中には、ルーシーの他にも、血の繋がっていないメンバーが混じっている。
ご近所さんで、子供たちの名付け親になった人も大切な人として招かれているのだ。
クリスマスに自分の好きな人たちと過ごせる。自分の好きな人たちがいる。それは血の繋がった家族だけに限らなくてもいい。
この作品の温かさは個人のラブではなく、親愛の情みたいなものにあると思う。

 


駅のロケーションが生きるラストが最高

昏睡状態だったピーターが目覚めてからの展開もコメディが上手く生かされ、最後までずっと面白い。

とにかくこの映画の、ルーシーの職場である駅の雰囲気が大好きなのだが、これが生かされるラストがまた嬉しい。

男女2人がくっついてハッピーエンドというだけでなく、主人公が新しい家族になった、という幸せな感じがするエンディングだ。

 

ご都合主義展開のラブストーリーだけど、映画の世界に心癒される、大好きなほのぼの作品だ。