コーンフレークの海にダイブしてるシーンがインパクト大。子供の頃、よくテレビ放送されてた気もする、大好きだった作品です。
「ジュマンジ」「遠い空の向こうに」などSFアドベンチャードラマを得意とするジョー・ジョンストンの1989年の監督デビュー作…
…であるとともに、原案がスチュアート・ゴードン、ブライアン・ユズナと「死霊のしたたり」チーム、脚本には「ドールズ」のエド・ナーハが参加…と、なにげにホラー畑の人たちが集結しているんですね。
大人になって改めてみると、ちょっとそのカラーを感じる作品かもと思いました。
ストーリーは…
物体縮小装置の開発実験を行い、失敗を重ねていた科学者のサリンスキー(リック・モラニス)。
しかし子供たちの留守番時、とあるアクシデントから装置が正しく作動してしまい、なんと4人の子供たちが身長6ミリに…。
事情を知らない親たちは果たして子供たちの存在に気付けるのか!?
まず4人の子供たちが、そもそも別に仲良しこよしじゃないというのが中々面白いです。
サリンスキー一家とお隣さんのトンプソン一家は、親同士があまり仲良くなくて、ご近所さんなのに交流がないという状態。
兄弟姉妹もみんなすき好みが違うけど、「元に戻る」という共通の目的のために一致団結してく姿が、大人っぽくて、逞しいです。
途中、お父さんが子供たちに気付けず、ホウキでお掃除して、ゴミ袋に入れちゃって、庭まで出してしまいます。
最早未知のジャングルといっていいお庭、冒険感がたっぷり…!
虫の死骸が巨大にみえたり、ハチに襲われたり、6ミリの身体には脅威でしかない恐ろしい出来事が次々襲いかかってくるのですが、昆虫のアップなんか、いい具合に子供にはちょっとホラーな気もしますね。
そして、最大の見せ場はアリvsサソリ…!!
道中仲良くなったアリの子供が、皆を庇ってサソリにやられて死んでしまう場面、ここはうるっとなってしまいます。
死をしっかり描いているところ、それも普段であれば気にも留めないだろう小さなアリの死に心傷める。悲しい場面ですが、だからこそ子供に観てもらえるといい、そんなストーリーじゃないかと個人的には思います。
幾多の難関を乗り越え、最後には親に発見してもらい、機械を改造した発明家パパに元に戻してもらえるのですが…
改めてみると、発明家パパじゃない方のお父さん、トンプソン家の父親は結構イヤな奴じゃない!?こんなパパだっけ!?と驚きました。
息子が興味を持っていないのに、自分の趣味を共有するよう押し付けて、拒絶を許さない。若い頃の自分と同じになることを望んで、身長を伸ばすよう、ダンベルでの訓練を強要する。
悪気はないんだろうけど、自分とタイプの違う長男・ラスへの当たりが強いなあ、とちょっとヤキモキ。
年長者のラス、なんだかんだで旅路の中で1番しっかりしてて、頼りになりました。
終盤トンプソン家のお父さんがいきなり超いいパパになってちょっと「!?」と思ってしまったけど、子供の不在で省みるところがあったのか、最後はみんな仲良くなれて、 ホッ。
作品が思いの外ヒットしたからか、数年後には「ジャイアント・ベビー」なんて続編もありました。
こっちは子供が可愛かった以外、あんまり記憶にないんだけど、「赤ちゃんの世話はとても大変!手に負えなくて世界が壊れるようなもんよ!!」っていう表現だったりするのかな(笑)。
そうすると「ミクロキッズ」の方は、過小にみられて、大人に気付いてもらえないという子供の叫びをストーリーに組み込んでるって感じでしょうか。
何も考えず楽しめる映画だけど、どことなくちょっと繊細な感じがするテイスト、もしかするとこれがホラー畑の面々が残していったモノなのかなと勝手に思いました(笑)。
それにしても小さくなっても臭覚と聴覚?でみんなに気付いてくれる、犬のクオークが可愛いくて癒される…!!
童心にかえりながら楽しめる良作です。