80年代B級アクションスター、大激突!!
「ドラゴンへの道」でブルース・リーと共演、私生活でも親交の深かったチャック・ノリスと、「燃えよ!カンフー」でブルース・リーから主役の座を奪うことになってしまったデヴィッド・キャラダイン。奇妙な因縁のある2人が共演。
正直キャラダインには強いアクション俳優のイメージはなく、チャック・ノリスの方が遥かに格上なんだろうと思います。
この映画も主役はチャックで、チャックが圧倒的に魅力的ですが、彼のファンでなくても楽しめる80年代らしさ爆発のアクション・ムービーになっていました。
原題はLonely Wolf McQuade。SWATなんぞどこにも出てきません。
冒頭はテキサスの大自然をバックに、モリコーネの「ウエスタン」に似たBGMが鳴り響く中、敵を一網打尽にするチャック…と西部劇っぽい幕開けがカッコいい。
チャック演じるマックエードは、逮捕者数No. 1の優秀なテキサス警備隊員ですが、群れることを嫌い署内で孤立していました。
妻とは離婚し一人娘とも離れてコテージで1人暮らし。
缶ビールを主食にして汚部屋に住んでいましたが、肉体の鍛錬と射撃の訓練は怠らない毎日。
しかしある日娘のサリーが偶然にも武器密輸現場を目撃し、襲われてしまいます。
娘を守るべくその足取りを追うも捜査は難航。
一匹狼だったマックエードが、真面目なメキシコ人捜査官を相棒に、さらには優秀な黒人FBI捜査官の協力を得て真相に迫ります。
その上なんと汚部屋を掃除してくれる彼女が…!!
エキゾチック美女ローラ(ネバーセイ・ネバーアゲインの悪女役、バーバラ・カレラ)と急接近。騙されてないかと不安に見守ってたのに、まさかただのいい女だとは……
思わぬ生活の変化をエンジョイする中、ついに密輸組織の尻尾をつかみ、大激突!!
組織のボス役がキャラダインですが、本作でキャラダインの出番はそう多くありません。
息を吸うようにタバコを吸っているのは、役作りなのか素の本人の姿なのか…。
でもラストに「ドラゴンへの道」を意識したようなタイマンの格闘戦をみせてくれるのにはワクワクです。
キャラダインは「燃えよ!カンフー」のときと変わらないスタイルで、強いのか弱いのかよく分からない感じ。(でも好き)
どうみてもチャックの方が強いけど、負傷したハンデの設定もありつつ、五分五分っぽい戦いをみせてくれます。
このバトルシーン以外にも、
・車ごと地中に埋められても甦るチャック
・重機ごと装甲車に突っ込むチャック
・妙な走り方で銃弾避けるチャック
…と気前のいいアクションシーンが盛り沢山。
ロケーションも衣装も何もかも豪快な80年代らしさに観てるとモリモリ元気が出ます。
DVDにもBlu-rayにもなっているけど、昔のVHSジャケットの方が圧倒的にイカしてたと思う…。
キャラダイン目当てでみた作品で、チャックの他の作品はほとんど観ていないのですが、その魅力がバツグンに伝わってくる1作でした。