御歳82歳のダリオ・アルジェントの最新作「ダークグラス」を観てきました。
新宿まで行ったのですがトークショー付きの回はオンラインで早々に売り切れ、「サングラスをかけて入場するともらえるステッカー」も配布が終了していました。
ノスタルジックなデザインが嬉しいポストカードはまだ配られていました。
グッズはパンフとTシャツを購入。
さらに前週に特別上映していた「サスペリア」のグッズがまだ販売していて、観に行けなかったけれどエコバッグとポストカードセットを購入させてもらいました。
カッコイイ〜♫
劇場は席がしっかり埋まっていて若い人も多くてなんだか嬉しかったです。
◇◇◇
凄いときの作品と比べてしまうとどうしても物足りなく感じてしまうことが多い2000年以降の作品。
今回は主人公女性のキャラクター描写がしっかりしていて感情移入できるヒューマンドラマテイスト!?になっていました。
パンフレットにも書いてあったけどまさかの「優しくてあったかい」アルジェント。
85分という短さ、前半の疾走感に比べ後半がやや中弛み気味でしたが、アルジェントのファンであれば過去作のあれやこれやが蘇ってくるシーンが盛りだくさんで個人的には満足でした。
(ここからネタバレ)
前半部分でディアナの娼婦の日常が割と丁寧に描かれているのがよい意味でアルジェントらしくない。
ニンテンドーSwitch男の子にちゃんと渡したり、「お母さんは実は…」と真相をあえて伏せていたり、人情味あるお姉さんが好感の持てるキャラになってました。
首切断は「サスペリア2」や「トラウマ」、子供と共に逃げる姿は「オペラ座血の喝采」…ミズヘビのシーンは「フェノミナ」のうじ虫プールを思い出させるしつこさでここどんだけ尺とんねん!!と思わず笑ってしまいました。
動物を友とする孤独な主人公。「サスペリア」のダニエルの仇をとったような!?盲導犬のワンちゃんの賢さと絆の力の勝利にホッとさせられました。
今回は犯人探しの楽しみはなく、アイツしかいないよなーと思っていたらなんのタメもなく姿がさらされて逆に驚く(笑)。
犯人の闇(病み)をもうちょい見せてほしかったように思いますが、あえて主人公視点、善人サイドのストーリーに振り切ったってことなんですかね。
ラストシーンは空港。
「私を1人にしないでね」…
空港といえばやはりサスペリア、冒頭共同で脚本を書いたダリア・ニコロディが歩いて去っていくあの場面も思い浮かんだりして…
どこか切なさを感じさせつつ、逆境にあった主人公が人の力を借りて再び自分の力で歩んでいく姿に余韻が残りました。
アーシアも今回は助演にまわりつつも良い役。
歳をとると娘は母親に似てくるとかいうけれど、ずっとダリオ似だと思っていたアーシアがダリア・ニコロディそっくりになってるのに驚きました。
音楽は疾走感あるテクノサウンド、大いに盛り上げてくれててカッコよかったです。
ゴールデンウィークくらいまで上演するっぽいのでもう1度観に行きたいです。