どうながの映画読書ブログ

~自由気ままに好きなものを語る~

ドル3部作「荒野の用心棒」4K復元版を観に行ってきました

「荒野の用心棒」「夕陽のガンマン」「続・夕陽のガンマン」の3作品がこの春4K復元版として一挙上映…!!

過去に午前10時の映画祭で上映された際には泣く泣く観に行けなかったので、貴重なチャンスに感謝。

映画館に置いてあったチラシには、「3部作の登場人物は似通っているが、物語上の繋がりは一切ないので、どの順番で観てもOKだ」と書いてありました。

「続夕陽〜」がダントツで好きな自分はとりあえず「続夕陽〜」を最優先して観よう…と考えていたのですが、劇場のプログラムを確認すると「続夕陽〜」の上映は3月29日からのよう。

今週は「荒野〜」と「夕陽〜」を2作同時公開している劇場がありつつ、1番近い映画館は「荒野〜」「夕陽〜」「続夕陽〜」を1週ごとに上映するようだったので、じゃあもう順番通りに観るか、と「荒野〜」から鑑賞してきました。

「荒野〜」はだいぶ前に鑑賞したきりで記憶が薄く、お恥ずかしながら黒澤明の「用心棒」も未見で、めちゃくちゃ新鮮な気持ちで観ることができました。

 

モリコーネの音楽と威勢のいい銃声が鳴り響く赤いシルエットのオープニング…「この映像が令和の時代にみれるなんて…」と冒頭から感極まってしまいました。

イーストウッドが主役してて1番美味しいのはこの「荒野〜」だと改めて思いましたが、ポンチョ姿がカッコよすぎる…!!

切れ者で飄々とした佇まい。クールな一匹狼かと思いきや、損得勘定抜きに女性と一家を救う一面も…

他のマカロニよりちょっとヒーロー味が強い気がしますが、「昔似たような女性を助けられなかったから」のたった一言で余計な説明がなく、あっさりしていて湿っぽくないのがカッチョいいです。

 

敵役のジャン・マリア・ボロンテも迫力ある男前…!!

「夕陽〜」と重なるキャラクター像ですが、偏執的な愛の男がハマり役。

女性は影が薄いかと思いきや、今回みると意外に印象に残って、対立勢力である保安官一家の女性…この家は母親の方が知恵者で家を取り仕切ってたんですねえ。(ゴールデンカムイの〝茨戸の用心棒〟エピソードはかなりこの〝荒野〟を踏襲していたんだと改めて実感)  

 

ボロンテが機関銃で軍隊を惨殺するシーン。イーストウッドが拷問されて傷を負うシーンの痛々しい暴力描写。

「続荒野の用心棒」っていい加減な邦題だと思ってたけど結構トレースされてたんだなあと今更思いつつ、景色・構図・音楽などすべてが本当にマカロニの原点だったんだと感じ入りました。

 

酒場のおっさんがヒロインになるという男だらけのむさ苦しさ(笑)。

クライマックス、爆煙とともにイーストウッドが現れるシーンのカッコいいこと…!!

例の鉄板仕込みは、もう頭を撃てよ…!!とどこぞのゾンビものみたいに思ってしまいますが(笑)、コルトvsライフルの対決といい、張られた伏線が綺麗に回収されていくのがカタルシス満点。

フルチにも受け継がれた目のアップ(顔のズームアップ)もこのときから健在、トランペットが鳴り響くモリコーネ節にシビれまくりでした。

とにかくシンプルに美しかったです!!

 

3作品の前売りチケットを買うと復刻プレスシート縮小版が付いてくる特典があって、こちらは事前にいただけたもの。

ブーツのローアングルかっこいい!!

裏面には双葉さんの解説も。

 

当日は先着入場特典である”新聞広告ポストカード”もいただくことができました。

3作品のうち1作が当たるランダム配布だったのか、それとも「荒野〜」の回だから「荒野〜」を配っていたのか…どっちなんでしょう。

 

さらに劇場では「エンニオ・モリコーネ映画大全」なる冊子も販売されていて、68ページの大ボリューム。

まだ全部読めてませんが、セルジオ石熊さんの解説が有り難い。

名脇役のキャストさんプロフィールなども大変嬉しく、残り2作もこちらを参照していきたいです。

立川シネマシティではイーストウッドの旧作レアパンフコーナーまで出来上がっていましたが、「続夕陽〜」パンフは高すぎてそっと棚に戻しました(笑)。

大画面に映るマカロニの景色、爆音で鳴り響くモリコーネの音楽に大興奮…!!

早くリー・ヴァン師匠に会いたくて堪りません…!!

至高の劇場体験でめちゃくちゃエネルギーをもらいました。